みんなでマシュマロ食べようの会

深玲

みんなでマシュマロ食べようの会

就活と終活が同じ音なのはどうにもソ連の陰謀らしい


「ありがとうございました」の「た」の音と

共に去りゆく客と微笑み


駆けていく白うさぎの尾を一瞥し

青年アリスはスーツをはおる


「あぁちょうどタイムカードを切ったとこなので地獄の沙汰は明日ね」


死にたさがこだましている

寝転んだこたつの中はブラックホール


点滅を繰り出すネオン クリティカル!

網膜Aに100のダメージ


街灯がさえずる夜の公園で終末論をささやきあう日


うとうとと微睡みながら吸いつくは

テディベアのふわふわの腕


適当な名付けだけれど美しいことばもあるよ

「夜桜」とかさ


訂正をする勇気なく今日もまた

一膳余る  コンビニ弁当


「なにをしてるわけでもない」とこたえたら

あるいはがっかりされるのかなあ


「みたいな」が語尾についてきてしまうのを

どうにかしたいと思うみた、んん


15から31まで破り捨て 美しくはない時よ止まれよ


「ド深夜のバスルームには神様はいないからほら、安心しなよ」


親指の内側についた血の跡の

出どころ分からず、ページを閉じる


「おや虫が鳴いていますね」「本当に?」「少なくともヒトではない何か」


致死量を越えたミントに溺れつつ

白く汚れた歯磨き粉 朝


真っ白なシャツとひまわり

このたびはご愁傷さま  夏の葬式


〈僕たちの履歴書ぜんぶ火にくべて

みんなでマシュマロ食べようの会〉


こんにちは、就活生です。

内定はありませんけどまだ生きてます(笑)

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