オタクくんを救いたい。(Roster No.16)
ミオは会場に来なかった。おれは返却されたスマートフォンで、連絡を取ろうと電話をかけまくり、メッセージを送り続ける。全部無視。既読すらつかない。オーディションから一緒だったユウくんだかも、ジュンにも、一切連絡がつかない。
おれは前日から近くのネカフェに泊まってたから、天気は関係なかった。他の奴らも、ホテルに泊まるとかさ、そういうことは考えなかったんかな。100人くるはずの会場に人集まってないの、笑っちゃった。もうこの人数でいいやん。やろうよ『ウランバナ島のデスゲーム』を。
「この悪天候だと輸送機が飛ばせなくてぇ……」
運営スタッフの女性に訊ねれば、困ったようにキョロキョロしながら返された。気合いで飛ばせよ。というか順延にならないのはなんでなんだぜ。今日このときのためにウランバナ島にはいろいろな武器が用意されているんじゃあなかったの。この現代日本で開催するために、デスゲーム推進派がなんやかんやとやってきたわけじゃんか。
「そ、その辺の使用許可を、また一から取り直してたら、スケジュール的に支障があってぇ……」
「きみ! こちらで話をしようか!」
運営スタッフの女性から事情を聞き出していただけなのに、二人の警備員がおれの両サイドに立った。お、おれは大会運営に話があるのに!
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