番外編 役
数日前
「んー、みんな集まったかな?」
アリューは自分を囲む者たちを見てそう言う。
「アリュー様、いかがなされましたか」
一番前のリスの獣人ヤクサはアリューに問う。
「様は要らない、何度もて言ってるよ。もうちょっとこうフレンドリーに行こう」
その言葉にたいしてヤクサは少し間を開けて言葉を返す。
「いいえ、付けさせてください。恩は態度と敬意で返す、それが私共の生き方です」
「はあ……まあいいよ。さて、君たちに今から頼むことは何でしょう」
皆がざわつく中、アリューの問にヤクサは答える。
「そうですね、そろそろ各部屋の掃除や洗濯、農作物の管理などの事を詳しく役決めしたいとかでしょうか」
ヤクサはそう答えた。
「うん、凄い。よくわかるね」
「ありがとうございます」
「ヤクサの言う通り、今日はメイドと執事を決めて行くよ」
「アリュー様、メイドと執事って何、なになに?」
ヤクサの隣に居た犬の獣人イサクがそう言った。
「うーん、僕の偏った知識で言うと、身の回りのお世話をする人たちかな。男が執事で女がメイドだよ」
「ここでやる事と言えばそれこそさっきヤクサが行った掃除洗濯、あとここでは料理とかもしてもらおうかな」
「なるほど~分かった、かったかった」
「農作物の事は考えてなかったけど、いっそそっちも決めようか」
「よし、それじゃあやりたい人手上げて」
その問に多くの手が上がる。
「思ってたより多いね、20人くらいかな。それじゃあ」
「手を挙げた人は残って、他の子は解散していいよ」
そうアリューが言うと、手を挙げた者達以外は部屋を退出していく。
その後一番にヤクサが声を上げる。
「掃除洗濯は私の得意分野です、是非私にやらせてください」
「うん、ヤクサ。よろしく頼むよ」
「イサクも頑張る、ばるばる」
「ん、イサクもよろしく頼むね」
「俺も、戦闘はからっきし何でここで役に立ちたいです」
そう言ったのはウサギの獣人のニック、やる気もばっちり見たいだ。
「ん~そうだニック、君は宴会の時僕の料理を手伝ってくれたよね」
「あ、はい案外すんなりできたんで驚きました」
「それで思ったんだけど料理に興味はない?」
「料理ですか、もちろんやれるだけやります」
ニックはそう答える。
「それじゃあ料理はニックに任せるよ、これからみっちり鍛えるからね」
とは言え、あと四人は厨房にほしい、誰かいないだろうか。
「アリューあ、様俺がいけます」
そう言ったのは虎の獣人だ。確か名前は……レオ。
「おっけー、外には?」
そう言うとちょうど三人手が上がる。
そうしてすんなりと決定していった。
「あとは……」
「わ、私……いいですか?」
そうおずおずと言ったのはミーニャだ。
「私、もメイドとして、少しでも、役に立ちたいです」
「もちろん。よろしく頼むよ」
その後も、ぞろぞろとメイドや執事、農作物の管理者が決まって行った。
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