フェンリルに転生した俺、人間に復讐を決意します

アイスメーカー

フローズヴィトニル(悪評高き狼の意)

(うう、何だここ)


森の中。しかし、そこにあるのは木ばかりではなく、草も生えていたし、花もあった。


(あれ、確か車に跳ね飛ばされて)


俺は森にでも吹き飛ばされたのか?


思うように立ち上がれない体で周囲を見渡すと、そこには大きな狼がいた。いや、狼なんて生易しいものではない。


その巨体は俺を遥かに凌駕している。


(これあれだ、熊が食料を巣においてるのと同じ状況だ)


狼はゆっくりと近づいてくる。逃げようとしても体が動かない。恐怖に震えていると、狼は大きく口を開き――。


(あー駄目だな食われる。お疲れさまでした)


「ようやく起きたのね私の可愛い子供」


……は?


その狼の目に映る俺は同じ狼の姿をしていた。

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