第3話 私は貴方が依怙贔屓する人種について違和感も面白みも無いのですが

「そういえばこの会社、名前ねえじゃん!」

 唐突にリアが叫んだのは、まだ日が落ち切らない午後七時の居酒屋の中、三人でつまみの唐揚げを頬張っている時だった。

 既に酒に呑まれて酔い散らかしている彼女は、レモンを吹き飛ばしたことに頓着する様子もなく、隣に座る彩極の目の奥を覗き込んだ。

「社長!マズいですよォ!うちら無名の会社ですよォ!」

 それに対し彩極は「とりあえずこれ食わせろ」と一蹴し、恐ろしい程のマイペースで米をかきこみ続けた。

 数分してようやく食べ終わった頃には、リアは新しく届いた餃子を頬張っていた。

「なんの話してたんだっけェ?ああそうだそうだ、社名だァ」口の中の物を飲み込まずに喋るリアの声がいやに響く。「社長、なんかかっこいい名前考えてくださいよ」

「そうだなぁ……なにか思いつくか?伊央くん」

 急に振ってくるな、この人。杏斗はグラスを置くと、ひとしきり考えた。考えたが……何か天啓が降りてくる訳でもない。

「何も浮かびません。というか、社名って初めに考えるものじゃないんですか」

「うっさいわね」リアが口を尖らせる。「忘れてたのよ。現に、まだ社員三人しかいないじゃない」

「そんなに深く考えなくていいでしょ、別に」杏斗は低く呟いた。

「いやいや、社名は大事」二人があられもなく声を揃える。

「社名は人間にとっての名前とは違う」と彩極は続けた。「聞いた人間が最初にイメージの参考にするものだ。考え抜いたものでなければならない」

「そういう社長はなんか考えあるんですか」

 リアが訊くと彩極は「そうだなぁ」と箸を置いた。

「ゲニウスとかどうだ?古代ローマで守護神と呼ばれた精霊の名前なんだが」

「なんか中二っぽいですゥ」リアが眉を寄せる。

「社名なんてダサくてなんぼじゃないの、俺はむしろその方が――」

「ないない!酔いすぎですって!ひゃひゃひゃ」

 そこから二人は時折悪口を言い合いながら話し始めた。杏斗はどんどん不毛になっていくその会話を黙って聞いていた。

 リアが頬杖と共にジョッキを置き「駄目だこりゃ」と言ったところで、会話は中断された。その時にはもう、薄い月明かりが窓から入り込んできていた。

「伊央くん、結局なんも決まってないけど大丈夫かな」

 リアが不安そうに言った。彩極も椅子の裏に手を回しながら頷いている。

 杏斗はしばらく考えたのち、愛想笑いで返した。

「いいんじゃないですか。まだ三人だから決められないというのなら、もっと多くの仲間が出来た時に浮かんでくる言葉にしましょうよ。今、無理やり考えるより、その方がずっと俺達らしい名前になるはずだ」

「今はUNKNOWNってワケか。気持ちのいい奴なんだな、君は」

 ちょっと煮え切らないけど、まあいいや。そう言った彩極は膝を叩いて立ち上がり、テーブルに乗った皿を運び始めた。

「ええ、もう下げちゃうの!?もっと食べたかったのになあ」

「秘密結社暗黙のルールその一、二日酔いは死刑」

 冷ややかにそう言う彩極の背中を最後に、無邪気な話し合いは閉幕となる。

「仲間かぁ。ほしいな……」

 後を追うように席を立った杏斗は、リアがそう呟いているのを微かに聞き取り、一瞬だけためらってから、無言で会計へと歩いて言ったのだった。



 その夜。

「彩極さんの奢りじゃねえのかよ……」

 杏斗はすっかり軽くなった財布をうらめしく睨みながら、駅のホームで座り込んでいた。

 いつもなら浅草駅なんて次の列車が五秒で来るのだが、今日はやけに遅延しているらしく混雑具合がとんでもない事になっている。駅内アナウンスはことごとく掻き消され、電話をかける人々の不愉快そうな声だけがその場に満ちていた。

 杏斗の家は浅草からさして離れていない足立区の端にある。ここで電車に乗る必要は必ずしもないのだが、タクシーは金銭的に取りたくないし徒歩で帰ろうと思うほど元気でもない。

「帰ったら寝るか」

 口の中で呟いて、あくびを噛み殺す。最近寝不足だったからか、まぶたが重くて仕方がない。

 今ここで寝てしまっては帰れないが、移動中に寝ると更に面倒なことになる。

 阿保のジレンマを脳内の黒板に書き上げながら、杏斗は列車をひたすら待った。

 ——どれだけの時間、座っていただろうか。自分の目的地を掲げた列車が、ようやく視界の隅に現れた。

「……やっとか」

 起き上がって、黄色い線までふらふらと歩いていく。途中、何人かに肩をぶつけられ、その度に「すいませ……」という声が耳を引っ掻いていった。

「みんな優しいな、それとも怯えてるだけか」俯いて歩く人々を横目に流し、杏斗は黄線で立ち止まった。

 そのまま、真っ先に乗れるよう端の端で待っていたが、間もなくのことだ。杏斗は大きな違和感に気付いた。

 本来なら聞こえてくるはずの甲高いブレーキ音が全く聞こえて来ないのだ。停車位置まで残り十数メートルというところで車体が全く減速していないのは……絶対におかしい。

 なにが起きているんだ……?興味本位に、線路のほうを覗き込んだ。

 杏斗が信じられない光景を目にしたのは、その直後のことだった。

 線路に背中から転落し、底に消えてゆく一人の少女。彼女に向かって手を伸ばす黒服の男。そのふたつを同時に視界に入れた杏斗は、戦慄と拒絶で息を呑んだ。

 少女が落ちていった場所を、列車は既にかすめようとしている。

 そこには、見てみぬふりをして歩き去っていく人間と、まるで現実ではない何かのようにぼんやり少女を見つめる人間しかいなかった。

 杏斗の脳裏に、助かるはずの人命を見捨てた警官たちが浮かび上がった。簡単に他者を見殺しにする浅はかさへの不快感が、一気に湧き上がってきた。

「クッソ……!」

 次の瞬間には、線路へ飛び降りていた。

「おい!?何やってんだお前!もう間に合わねえって!!」不協和音をすり抜け、杏斗に向かって誰かが叫んだ。

「うるさい!!」杏斗は苛立ちの混じった叫びを上げ、失神している少女を抱きかかえる。

 直後、列車の鼻先が、杏斗に襲い掛かってくる。巨大な金属の塊が迫ってくる様は、スローモーションにさえ見える。

 そこで起死回生の一手を切るべく、杏斗は久しぶりに使う”合言葉”を全身の底から放った。

「メインスキル使用。マッハ、壱万式」

 ――十一両の列車が轟音を立てて通り過ぎる。

 数人が身を乗り出し、杏斗の安否を確認しようと目を凝らしている。

 少女に手を伸ばしていた男は立ちすくみ、フードの奥から愕然とした表情を覗かせている。

 列車内から警報のような音が鳴り響いている。

「ふぅ。危ねえな……まったく」

 杏斗はその時、椅子に倒れかかる少女と向かい合っているところだった。

「ちょっと怖かったけどな。遅すぎるだろ、浅草線の特急はよ」



 杏斗は怒り心頭であった。中学生ほどの、こんな前途多望な子を線路へ突き落とすとは何事か。

 黒服の男を見つけるなり、人混みをかきわけてそいつに歩み寄った。

「おい……お前」潰すほどの勢いで肩を叩く。男はすぐさま振り返り、「ああ」と漏らした。

 彼は何か言おうとしていたが、そんなことは関係ない。杏斗は拳を固め、頬を目掛けて振りかぶった。

「ふざけんな……よ!」

 杏斗の拳が男の額から顎までを削り取る。男はなぜ殴られたのか分からないような顔をしていた。

「なんであの子を落とした」杏斗は問いかけ、もう一度拳を振りかぶった。

「待ってください、まっ」男は両手を伸ばして止めようとしたが、それは却って杏斗の怒りを燃えさせる結果となった。

「何が目的でやったんだ!」

 再び、杏斗の拳が男の頬を捉える。今度はまともに入り、男は人混みを避けながら数メートルほど吹っ飛んでいった。

「なんであの子を落とした!」

「落として……ないです」男は鼻血を拭きながら立ち上がった。

 杏斗はその言葉を信用できないと感じた。フードを下ろした男の顔には、どこか後ろめたいような表情が滲んでいたからだ。

「言うまで殴るのをやめない」杏斗は辺りがざわついているのも気にかけず、男を睨む。

 すると男は顔を歪め、「最悪」とぼやいた。

「やっぱりお前が犯人か?」

「はぁ。違います。そう言ってるじゃないですか」

 男は悲しげな顔で天井と杏斗を交互に見つめ始めた。まったくの無抵抗に、杏斗の心も揺らぎ始める。

「……違うのか?」杏斗は小声で訊いた。だが人混みに掻き消され聞こえていなかったようで、返ってきた答えは――。

「なんで、なんでだよ……そこまでして俺に濡れ衣を着せるなら、お前、消えてくれよ」

 これだった。

「っ……」何かやばい。杏斗は背筋に悪寒を感じて身構えた。

 次の瞬間、男が頭の上で指を鳴らした。

「メインスキル使用、フェニックス」

 突如、男の全身から淡い炎が漏れ出す。徐々に広がっていく光に、通行人は悲鳴を上げながら離れていく。

 やがて、男の全身を太陽のような球体が包んだ。

「こんな場所で能力を使うな!迷惑だろ!」杏斗が言い放つと、球体の周りで空気が震えはじめた。

 熱気で駅の天井を焦がすほどに膨れ上がった炎の端から、じわじわと鳥の体躯が現れ始めた。胴の中心に太陽を抱えるその赤鳥は、不完全ながら、まさに不死鳥であった。

「お前を燃やすまでの辛抱だ」鳥の口が小さく動き、はっきりとした言葉を発する。何人もの男女が劇場で声を揃えたような声質であった。

「十分大迷惑だよこの野郎!」

 杏斗はめまぐるしく辺りを見渡し、ヒステリックに叫んだ。

 こうなっては穏便もくそったれもヘチマもない。

 杏斗は男のいるであろう鳥の心臓部を指差し、拳を握りしめた。

「マッハ、拾弐式!」

 ――即座に鼓動が速まり、視界に映る全てがスローモーションになる。

 破裂音を立てて割れる窓ガラスを一瞥し、杏斗は眉をひそめて不死鳥へ歩き出した。

 段々と、歩みが早くなる。鳥の鼻先まで来たときには全力疾走になっていて、杏斗は勢いよく跳んだ。

 これでもかと血管が浮いた腕でクチバシを掴み。強引に天井へ叩きつけた。巨大な翼がもがくように暴れている。

「遅すぎ」

 電光掲示板にぶら下がった杏斗は今度、燃える鳥の頭蓋へかかとを落とす。

「キサマ――」鳥の眼球が一瞬、白く染まった。

 杏斗は炎に巻かれて燃え上がるジャケットを脱ぎ捨て、鳥の横頬を無慈悲に蹴り抜く。全身が炎に包まれた鳥だが、頭だけは触れて殴ることができた。

「グ……ヴアア!!!」

 しかし、一方的というわけにはいかないらしい。そのうち鳥は爆発音のような雄叫びをあげ、翼の風圧だけで杏斗をホームの端まで吹き飛ばした。

 杏斗はちょうど逃げようとしていた妊婦に背中合わせで衝突し、片手を上げながら血を吐いた。

「クッソ、すいませ……逃げて」蜘蛛の子が散ったホームにはほとんど誰も残っていなかった。体をひきずって逃げていく女性を、杏斗は背中で見守ることしかできなかった。

「許せねえ……なぁ!」杏斗は落ちていた瓶を全力で投げつけた。それは割れることなく鳥の心臓部に当たって溶ける。

 それに怒ったのか分からないが、鳥は突如として、心臓部から無数の火球を放ちだした。

「おいおい、嘘だろ」火球がホームの柱を一撃でぶち抜き消し飛ばしているのを見て杏斗は舌を打った。

 鳥は大口を開け、必死にもとれる声を杏斗に向ける。

「俺はあの子を助けようとした!お前と同じだ!なんで認めてくれないんだ!」

「どこに認める要素があるんだよバカヤロー!」

 杏斗は一瞬肩をすくめると、壁を蹴り潰して鳥へ突撃した。

 無数の火球に残像を射抜かせ、杏斗はひといきに不死鳥の首元へと迫った。

「なんでもかんでも燃やすなよ、温暖化の原因になるぞ!」

 鳥の右目に、杏斗は指を突き刺さした。

 鳥は僅かに悶えたが、すぐに翼を翻して杏斗の顔面を殴る。杏斗は地面にめり込み、互いの顎から、血がだらだらと滴った。

「チィ……」杏斗は即座に立ち上がると、微笑と共に鳥を睨む。が、すぐ目を逸らされた。

 そこで鳥は唐突に動きを止め、「待ってくれ」と声を上げた。

 鳥の全身を覆っていた炎が弱まり、やがて元の火の玉に戻る。その中心から、歯を食いしばる無防備な男が姿を現した。

「後ろを……見てくれ」

 そう言われた杏斗がとっさに振り向くと、そこには件の少女が震えながら立っていた。

「っ…………起きたか!よかった」杏斗が顔を明るくすると、少女はおびえたようにうつむいた。

「ごめんなさい……兄さん」

「え?」

 駆け出した彼女は杏斗の傍を通り過ぎ、後ろにいた男の胸元に飛び込んだ。

「ごめんなさい、私……私……」

 肩を震わせて泣きじゃくる少女を、杏斗は唖然として見ていた。

「……妹だ」男は溜め息まじりに呟く。

 杏斗は自分の顔が紅く染まっていくのを感じた。

「そういう重要なことは最初に言えよ!」

 憤慨と恥ずかしさと好奇心が入り交じって、声が裏返ってしまった。

「あの、本当にすまない」男は辺りを見回しながら、申し訳なさそうにいった。

 ものすごく気まずい時間が流れる。誰もいないホームに取り残されたふたりは天井を見つめ、同時に自嘲の溜め息をついた。

「大事になっちまった」男は唇を噛む。「俺は妹と一緒にどこか遠くへ行こうとしてたが、もうダメだ」

 彼はパトカーのサイレンが聞こえる方へ、悲し気な顔を向けた。

「どうしてだ?もう誤解も解けたろ」杏斗は首を傾げた。

「俺は……」男は少女の頭を撫でながら、気難しい顔をした。「俺は元々、殺し屋だったんだ。今は追われる身……警察と鉢合わせたら終わりさ」

 杏斗は目を丸くした。人など殺さぬ善良な奴と思ったらやはり人殺しだった。なんだこいつ。まぁ、あれだけ強ければ分からなくもないが。

 男は沈んだ声で続けた。

「皮肉な事にお前だけが頼りだ。詫びだと思って、せめて妹だけでもかくまってくれないか」

 その言葉に、少女の肩が跳ね上がる。

「なに?兄さん、どうするつもりなの?」その横顔は真っ赤になって濡れている。

「あのな、咲……俺達はここで……」男は黙り込み、歯を食いしばっていた。

 サイレンの音がいくつかに増え、とめどなく近づいてくる。

 杏斗が後ろを振り返ると、騒ぎの終息をかぎつけた何人かの野次馬が視界の隅に戻ってきていた。

 そして男と少女に視線を戻す。どうやらこのふたりは追い詰められ、別れの決断を迫られているらしい。

 駅内に轟く聞き慣れたアナウンスと、息苦しそうな男の呼吸音を、杏斗は聞き比べる。

 しばらくそうしていたが、やがて舌を打ち、つかつかとふたりの方へ歩み寄った。

「ああもう……お前ら、逃げたいんだろ?今なら逃げられるだろ、ついてこいよ」

 男は一瞬だけ杏斗を見るとすぐ顔を背けたが、その後また見開いた目を向けてきた。

「ついてこい……?」

「その子も置いてくなよ、急げ」

 杏斗は背を向け、おもむろに出口の方へ歩き出した。

「急げ!」

「っ……」ようやく泣き止んだ少女の手を引き、男は遠慮がちに後を追ってきた。

 杏斗は早足で外へ向かう。駅内には人が戻りつつあって、その中には警察の影もいくらか見えた。

 杏斗は怪訝そうな足取りの兄妹に「ほら早く」と急かす。

 その後の杏斗は振り向かず、ひとけのない通路を進み続けた。後ろからは僅かにだが、二人分の足音が確かに追って来ていた。

 外へつながる自動ドアの前に立ったところで、後方から刑事の怒鳴り声が響いてきた。

「……」杏斗は何もかも無視してドアを抜けた。

 外は雨が降りそうな暗闇で、手負いの狼が逃げ込む森のような万象を描いていた。

「ここはまだ人がいる。もっと遠くへ行くぞ」

 振り向くと、二人は顔を見合わせて、不思議そうに杏斗の顔を覗き込んだ。

「ひとつ、聞いていいか……?お前は正義感が強そうな奴なのに、なんでお前を殺そうとした犯罪者の俺まで逃がそうと――」

 問いかけに対し、杏斗は歯を軋ませるだけだった。

「そんなことは後だ!歩け!周りパトカーだらけだぞ」

 男は何か言いたげだったが、遠のいていく杏斗の背中にはついていくことしかできなかった。

 湿った道を歩き続け、公道がだんだんと細くなってくる。

 四方に民家しか見えないところまで来たところで、杏斗はいよいよ足を止め、スマホを取った。

「……もしもし、彩極さん。今どこにいますか?……ああ、はい、了解です。ちょっと用があって……今すぐ伺っても?……お、ありがとうございます」

 電話を切ると、杏斗は記憶に新しい喫茶店への道を歩み出した。

「どこに行くんだ?」男は不安げに聞いてくる。

 杏斗は振り向くこともなく「安全な場所だ、多分な」と答えた。

 誰も見ていない赤信号を渡って、水の流れていない用水路にかかった橋を通って、三人は薄く電気のついた喫茶店の前までやってきた。

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