406 イレギュラー③

 ノーラ・コードに味方はいない。兄弟姉妹は皆王位を争奪する敵であり、派閥の貴族達は何かあればすぐに立ち位置を変えるであろう者ばかりだ。


 故に、ノーラは決して自らを裏切らない最強の手駒達を作り出した。リソースを注ぎ込んだ強化人間は間違いなくコード最強の存在であり、それらを近衛に任命することでクラス8の干渉も撥ね除ける戦士となるのだ。


 一人の王族が任命できる近衛の数には上限がある。機装兵をも超える能力を持つ兵士を揃え、近衛騎士団を編成したノーラは間違いなくコードでも最大派閥の一つといえるだろう。


 目下のところ、問題はあの憎たらしい兄――アンガス・コードだけだ。


 現コード王の長子故にもっとも早くから準備を進めることができた、ノーラ・コードの最大の敵。

 その派閥に最も多くの貴族達が与しているのもまた準備期間が長かった故だが、その才覚については残念ながら認めざるを得なかった。


 王族の使えるリソースは莫大だ。それを有効活用するのは凡愚には務まらない。

 監獄のルール書き換えでもノーラは一手遅れを取った。システムへの理解はアンガスに一日の長がある。


 今のところは、勝負は拮抗しているように見える。兵士に力を入れたノーラと、兵器に力を入れたアンガス。いくら強力な兵器があってもそれを扱う兵士の質が悪ければ使い物にならない。



 だが、その事をあの男が理解していないとは思えなかった。


 アンガスはコード全体を巻き込み、外部からの移民を募る計画を始動した。それら移民を生み出した兵器の担い手として手駒にするつもりなのだろうが、普通に考えればこれまでコードが取引してきたような者達がノーラの研究成果よりも勝っているとは思えない。

 優秀な戦士をピンポイントで招き入れて手駒にするくらいは考えているはず――そう、《雷帝》を手に入れて味方に引き入れようとしたノーラのように。


 王の崩御はもう遠くない。既に現コード王は長くノーラ達に姿を見せず、連絡もしてこない。

 既に勝負は始まっていた。考える事はいくらでもあった。



 その時が来るまで、アンガスの――そして、トニーや他のクラス8の兵力を少しでも減らさねばならないというのに――。



 突然現れた招かれざる客――クライ・アンドリヒを名乗る青年を見送り、ノーラは深々とため息をついた。



「少し疲れたわ。あの男は一体、何なんだ」


「……所詮は4点の男、捨て置いてもよろしいかと」


「ノーラ様が気にされる程の存在ではございません。ご命令とあらば、ルールに抵触しない範囲であの男を遠ざけるように指示しますが…………」


 近くに置いている近衛が気遣いの声をかけてくる。ノーラは蝿でも払うかのように手を振った。



「余計な配慮は不要よ。あの男は《雷帝》と繋がりがある。今遠ざけるのは、良い手ではないわ」



 あの男が何をしにきたのか、ノーラにはわからない。本人はスペアのために外のお菓子を作る手段を探しているといっていたが――どちらでも良いことだ。


 外からやってきた評価4の男。それは、このコードで何かを為すには弱すぎた。《雷帝》の時のような特殊な事情でもない限り、あの男がノーラの邪魔になる事はない。

 そして、スペアと馴れ合う理由もなかった。王が手ずから権限を凍結した世間知らずの王女など役に立たない。無能な味方は時に有能な敵よりも厄介だ。



 そこで、近くでシステムにアクセスしていた、近衛のリーダーに任じている男が顔をあげた。ノーラが重用し、レベル6のクラスを与えた貴族だ。

 



「ノーラ様、確認しましたが、あの男が言っていたカイザーやサヤなどという者は都市システムには登録されていません」


「そう……あの男の口ぶり、ここにいるのを確信している様子だったけど……」


 眉を顰め、独りごちる。

 人探しを手伝うつもりはないが、ああも言い残されると気になるというものだ。


 クライ・アンドリヒは《雷帝》クラヒ・アンドリッヒを助け出すためにやってきた。それならば、何故探している人がいるなどと言い出したのか?

 考えられる可能性としては――あの男に仲間がいるパターンである。一緒に《雷帝》を探しにきて、そしてコードの中ではぐれてしまった仲間が。


 改めて考えてみると、いくらお気楽な男でもたった一人でこのコードに乗り込む程愚かではないだろう。そして、一緒に入ってきた仲間は恐らく、《雷帝》の仲間でもあるはずだ。

 ついでに、その仲間たちは、《雷帝》と一緒に捕まったおまけみたいな連中よりもずっと強いに違いない。


 このコードでは全てが都市システムにより管理されている。市民の名前が検索に引っかからないという事はありえない。だが、何事にも例外はある。


 腕を組み少し考え、ノーラは目を瞑った。そのまま、控える近衛に指示を出す。


「…………私が調べるわ。お前達は対兵器プログラムを続けなさい。アンガスが何を繰り出してきても対応できるように――このノーラ・コードが王にふさわしい事を証明するのよ」


「御心のままに」


 目を瞑ったまま都市システムにアクセスする。

 クラス8が都市システムでできる事は膨大だ。頭の中に流れ込んでくる膨大な情報を取捨選択し、市民リストをざっと確認した後、ノーラは出入国管理局にアクセスした。


 クライ・アンドリヒは《雷帝》を助け出すために移民として入ってきたはずだ。その探し人とやらも同じ外からやってきた者である可能性が高い。

 市民リストは膨大だ。それらを全て細かく確認するには時間がかかりすぎるが、外からやってきた者の数はそれと比べたらずっと少ない。


 外部から兵士を集める計画を主導したのはアンガスだ。ノーラはほとんど関わっていない。だが、もしも隠蔽がかけられていたとしても、何らかの痕跡くらいは見つける事はできるだろう。


 カイザーとサヤの名前で探しても何もでない事がわかっている。見るべきは、あの男と同時期に入国してきた連中だ。


 当時の出入国管理局の映像を呼び出し、総合評価の高い者のデータを呼び出す。入口の映像を呼び出し、隠蔽の痕跡を探す。

 本腰を入れて調査を開始しようとしたその時、不意に着信が届いた。


 着信元の情報に、思わず目を見開く。操作して回線を開くと、眼の前に一人の男の像が浮かびあがってきた。


 豪奢な玉座に腰を下ろした男――ノーラの兄にして、次期王位を競う最大の敵、アンガス・コード。ここ数年一度も顔を合わせていない男だ。


 久々に顔を合わせる兄は前回見た時と比べてほとんど変わっていなかった。

 コードの老化防止技術は相応に高い。恐らく、寿命で死ぬぎりぎりまでアンガスは今のままの姿だろう。


 眉を顰めるノーラに、アンガスが傲岸不遜な笑みを浮かべて言う。


『久しいな、ノーラ。我が妹よ』


「ふん。突然連絡してくるとは、何の用だ? 貴様、暇なのか?」


 アンガスにとってもノーラ同様、今が一番大切な時のはずだ。それが、絶対に相容れない相手に通信を入れてくるとは――。

 睨みつけるノーラに、アンガスはふうと小さく息を漏らす。


『何を苛立っている、ノーラ。この次期コード王が、手ずから降伏勧告を送ってやったというのに――』


「ッ……降伏……勧告、だと!?」


 余りに不遜な物言いに、ノーラは言葉を失った。アンガスは確かに強敵だが、現状ノーラとの差はそこまで大きいわけではない。

 ノーラの研究した強化人間の性能を見くびっているのだろうか? だが、この忌々しい兄は仮にそう考えていたとしても無意味に煽ったりはしない男だ。


 その言葉の真意を考えるノーラに、アンガスが意外そうな表情を作る。


『何だ、想像以上に愚鈍だな、ノーラ。この私が、何を言っているのかわからないのか。どうやら私はお前を、買いかぶりすぎていたようだ。私は、教えるために通信したのだ。お前が探している二人は、既に我が手の内にある、とな』


「…………な、に?」


 探している……二人? まさか、カイザーとサヤの事か?


 外部から戦士を招聘しようとしていたアンガスは出入国管理局に強い影響力を持っている。ノーラが移民リストを呼び出した事を察知して通信してきたのだろう。


 だが、この兄は勘違いをしている。二人を探しているのはノーラではない。ノーラは少し気になったから調べただけで、特にその二人に用などはない。

 正直に教えてやる気はないが……沈黙するノーラに、アンガスが自信ありげに言う。


『お前の手間を、減らしてやろう。私の計画に感づくのが遅かったようだな、ノーラ。カイは仮面による支配が中途半端な状態でも、十体の機装兵を相手取るぞ。サーヤは五十の機装兵を無傷で破壊した。強化人間の騎士団など物の数ではない。こいつらは、《雷帝》クラスだ』


「ッ…………!?」


 それは、にわかに信じがたい言葉だった。ノーラの生み出した強化人間は機装兵に負けない戦闘能力を持つが、最高傑作の一人でも十体の機装兵を同時に相手取る事は難しい。五十を無傷で破壊するなど、コードの武器を使っても絶対に不可能だ。


 どうやら、クライが探していた二人というのは《雷帝》の仲間というノーラの推測は正しかったらしい。


 《雷帝》クラス――クラヒ・アンドリッヒがコードに攻撃を仕掛けるのを見た時、ノーラはその余りの強さ、美しさに心を奪われたが、まさかその仲間も同格だったとは。

 そもそも、おかしいとは思っていたのだ。普通、ハンターは同格の相手とパーティを組むはずなのに、《雷帝》の仲間があんなに弱いだなんて――。


 だが、クラヒが捕まったあの時点でそのような事、予測できるわけがなかった。


 そもそも《雷帝》の襲撃はアンガスの想定外だったはず。その仲間二人が乗り込んできたのは(正確に言うとクライも、だが)ただの幸運のようなものだろう。

 アンガスが二人を確保できたのだって、アンガスが出入国管理局に影響力を持っていたからノーラよりも先に気づき二人を確保できた。ただそれだけの事。


 幸運で王になる。現コード王が一番嫌っている事だ。次期コード王を目指す身としてそのような行い、断じて認める事はできない。


 《雷帝》クラスを二人も取られたのは痛いが、相手の手の内に強力な戦士が入ったとわかっているのならば、ノーラにだって打てる手はある。

 できれば使わずに済ませたかった奥の手が。


 ノーラは趣味の悪い玉座に腰を下ろしているアンガスを睨み、堂々と笑みを浮かべて言った。


「話はそれだけか? アンガス。この私をその程度の根拠で屈服させようなんて、笑えるを通り越して、滑稽よ。王位を手に入れたら、椅子として使ってあげるわ」


『……何か思いついたようだな、ノーラ。まさかそれは――監獄の最奥に封印されている、アレではあるまいな?』


「ッ……」


 相変わらず、頭の回る男だ。たったこれだけの会話でそこまで察するとは。

 微に入り細を穿つ完璧主義の男。それがアンガス・コードという男だった。頭をぼりぼりと掻き、アンガスが嘆息して見せる。


「やめておけ、アレは封印指定の中でも最悪中の最悪、このコードのシステムも通じぬ不条理、この私でも使おうとは思わん。《雷帝》と違ってアレは――我々を恨んでいるからな。王の力があれば御し得るかもしれんが――得意先が相手だったとはいえ、引き受けた事を後悔しているくらいだ」


 確かに、あれは危険だ。万全の状態だったら雷帝をも超えていただろう、コードのシステムでも捉えられない怪物。


 雷というコードの弱点を纏う《雷帝》とは異なる、異質な天敵。《雷帝》が幽閉されていた獄房の更に奥に幽閉されているそれは、都市システムによる評価すら弾いた、一種のアンタッチャブルだった。

 だが、それ故にその存在はアンガスにとっても容易に看過できるものではないのだろう。監獄のシステムについてはノーラの方に一日の長がある。強化人間を作る上で監獄には何度も出入りしていたためだ。

 ノーラにはまだ《雷帝》に使わなかった仮面が残っている。アレに効くと確信できないのが厳しいところだが――。


 アンガスがまるで諭すような口調で言う。


『この私をこれ以上失望させるな、妹よ。モリスやザカリーのように、な。御せない者や無能を使うのは王として余りにも相応しくない』


「…………貴様がそんなに世話好きだとは知らなかったぞ、兄上。くだらぬ事に気を取られて足元をすくわれんことだな」


『……そうでなくてはいかん。やはり、敵は完膚なきまでに叩き潰し屈服させねばな』


 深い笑みを浮かべ、最後まで見下すような言葉を放つと、通信が切れる。相変わらず不愉快な男だ。


 まぁ、だが気持ちはわからんでもない。アンガスは現コード王の長子、コード王の方針次第では、そのまま王位を継ぐ形になっていてもおかしくない存在なのだ。

 だが、コード王は次期コード王候補として子どもを追加で五人儲け、それぞれの切磋琢磨を望み、そのためのシステムを敷いた。スペアを除いた全ての王族がそれぞれ派閥を持つに至ったのは偶然ではない。


 ノーラが王になった暁には、アンガスには死んでもらう事になるだろう。あの男はこの都市のシステムを知りつくしている。敵意を持たれた状態でそのまま放置するには余りにも危険過ぎる。

 そして、恐らくアンガスも同じ事を考えているはず。


 王位のシステム上、最初から手を組む道はなかったとは言え、なんと不毛な事だろうか。思わずため息をついたところで、再びノーラの眼の前にアンガスの姿が映し出された。

 どうやら回線を閉じ忘れていたらしい。まだ何か用でもあるのだろうか?


 憮然とするノーラに、アンガスはしかめっ面を作って言った。






『そう言えば……一つ確認し忘れた事があった。ノーラ、あのスペアの近衛と何の話をした?』





「…………何を話そうが勝手だろう。貴様に何の関係がある?」



 相変わらず細かい男だ……クライの動向まで監視していたとは。


 ノーラのホームでは監視は使えない。ノーラとクライが話しているところを覗き見できるわけがないから、クライがノーラの元に向かうところを見ていたのだろう。


 アンガスがノーラから《雷帝》を奪うためにクライを利用したのは間違いない。張本人には利用されている自覚はなさそうだったが――まぁ、そこは既に納得している話だ。

 経緯はどうあれ、クライにはノーラを差し置いて《雷帝》を助け出すだけの、権利があった。《雷帝》の房の前にたどり着くあの瞬間まで、ノーラは自分が《雷帝》を譲るなど想像すらしていなかったが――友を助けるため、偽名まで使ってこのコードに命がけで乗り込んできたクライを、どうして兄弟ですら信用できないノーラが邪魔できようか。


 ノーラは絆で結ばれた二人を見て、仮面を使ってまで《雷帝》を手に入れあまつさえ王位争奪戦の駒にしようとした自分を浅ましく感じたのだ。

 これまでノーラは自分の感情に従い王族として君臨してきた。あの瞬間もまた自分の感情に従った。ただそれだけの事。




 だが、不愉快である事に違いはない。結果的にアンガスの思惑通りの結果となってしまったのだから。



 睨みつけたまま言葉を待つノーラに、アンガスは予想外な事に、ため息をついて言った。


「関係はない。関係はないが……一つ、これは純粋な厚意で言うんだが――あの男とこれ以上関わるのはやめておけ。阿呆が移る」


「…………」


 その言葉に、ノーラは口を噤んだ。


 あの男が少し抜けている事くらい気づいていた。そうでもなければ、敵対しているノーラにチョコレートの製造をお願いにくるわけがない。

《雷帝》を助けるためにコードに潜り込んで来た事も考慮すると、少なくとも相当平和ボケしているように思える。



「あの男は、まったく、愚鈍だ。何も考えていない。意味不明な事ばかりしおって……監視するだけ無駄だ。頭が痛くなる。むしろ何が評価されて4点も付けられたのか不明だが――スペアなどどうでもいいが、あんな男が近衛としてやってきた事には同情できる。まぁ、逆に《雷帝》を持っていても何もできないだろうから、こちらにとっては都合はいいが……無能な味方程不要なものはないな。いや、あの男は間違っても味方ではないが――」



 珍しく冷静さを欠いた発言に目を丸くする。言っている内容自体には概ね賛成なのだが――あの男はアンガスにも何かしたのだろうか?


 それ以上何も言う事なくアンガスからの通信が切れる。

 ノーラはしばらくアンガスの言葉の意味を考えていたが、よくわからなかったので、とりあえずアリシャ・コードの拠点の様子を映し出した。


 王の作ったアリシャ・コード幽閉のための塔。その最上階の部屋の光景がノーラの眼の前に鮮明に映し出される。


 そして、眼の前に展開された光景に、ノーラは柄にもなくあんぐり口を開けた。




 そこに映し出されたのは、ほとんど家具もない小さな部屋。その床に座り込み深々と頭を下げるアリシャ王女の姿だった。



 い……一体これは……何をやっているのだ?



 スペアが作られた経緯や事情は知っている。スペアは部屋から出る権利こそ与えられていないものの、いざという時のために都市システムによる教育が施され必要十分に健康的な生活を送っているはずだ。

 自分が王族だという自覚もあるはず。王族が頭を下げるなど信じられない。



 そして、硬直するノーラの耳に、先ほどノーラに意味不明なお願いをしにやってきた男の声が入ってきた。











『ダメだよ! そんなレベルの低い土下座じゃダメだ、おひいさま! 姿勢が甘いよ、そんなんじゃコード王にチョコレートを作ってもらえないよ! もっと手の平をしっかり地面につけて! 手本見せたでしょ! せっかくノーラさんからいい情報、教えて貰ってきたのに――大体、おひいさまが全部チョコバー食べたなんて嘘つくからこんな事になってるんだよ?』



 スペアが顔をあげる。兄弟の誰とも似ていない翠の瞳。その瞳がちらりとノーラの方を見て、すぐに扉の前で仁王立ちするクライに向き、ぼそぼそと答える。



『た、食べたなんて言ってない。ないって言っただけ。送る分が、なかっただけ…………』



『……それは言い訳って言うんだよ。まったく。まぁ、ノーラさんも王に頼めって言ってたからいいけど』




「ッ!? …………おい、私は、そんな事、言っていないぞッ!」



 そして、その言葉に戦慄する。


 まさかこの男、コード王に直接チョコレートとやらの製造を頼むつもりなのか。信じられない。


 ノーラにはとてもできない、まさに神をも恐れぬ所業である。平和ボケしてるなんてレベルではない。一体この男は絶対たるコードの王を何だと思っているのか。


 アンガスが最後に残した言葉の意味が今更ながらわかってくる。この男は――めちゃくちゃだ。

 関わってはならない。阿呆が移る。もしかしたら流れ弾でノーラの方がコード王の怒りを買う可能性だってある。そうなればノーラは終わりだ。



 ノーラは映像を消すと、アンガスにも恐れを感じる事がなかった自分が冷や汗をかいている事に気づき愕然とした。


 アンガス対策もしなくてはならないが、それよりも優先すべき事ができた。

 あの男は、ノーラが王に頼めと言ったなどとほざいていた。随分長い間王に連絡など取っていないが、このままではまずい。なんとか釈明しなくては――。

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