372 正直者②

 若手トップクラスのパーティを集め、莫大な金を注ぎ込み建てた《始まりの足跡》のクランハウスは外に出ることなく生活できるようになっている。

 二階に存在するラウンジまで行けば食べ物もあるので、一週間や二週間の引きこもりなんて余裕だ。


 帝都に戻ってから五日。僕は今日もクランマスター室で堕落の限りを尽くしていた。

 一日の睡眠時間は十五時間。三食おやつつきで、不満なのは空いた時間に磨く宝具がない事くらい。


 エヴァに全権を与えているため、クランマスター室にいても仕事は来ない。ガークさんも殴り込んでこないあたり、エヴァがうまく説き伏せてくれているのだろう。

 まぁ、ユグドラでの事件の全容を話すのは僕にはレベルが高すぎる。シトリーが戻ってきたら僕の代わりにうまい具合に話してくれるだろう。特にマナ・マテリアル攪拌装置周りが僕にはちょっと触れられない。


 どうやら僕達がユグドラに向かっている間に呪物関連の事件は一段落したらしい。エヴァが持ってきてくれる新聞にはもうあの事件については余り書かれていなかった。時間が解決してくれたのか……やっぱり平和が一番だね。


 しかし、何もやることがなかったらこれはこれで暇だな。久しぶりに日記でも書こうかな……いつから書いてなかったっけ?

 確認してみると、最後の記述はクラン合同でのメンバー募集の前日だった。随分空いている。


 最近の出来事を思い出しながら、概要だけ書いていく。それぞれ何が起こったのかは覚えているのだが、細かい部分が思い出せない。これは僕が忘れてしまったのか、あるいはそもそも知らないのか――ともかく、本当に色々な事件に巻き込まれたものだ。


 トレジャーハンターは宝物殿や冒険を求めて世界中を巡るものだが、今回ユグドラに到達した事で大体の場所には行った気がする。

 賊とも魔物とも幻影とも神とも遭遇したし、様々な秘境を旅した。もう行ってみたい場所も思いつかない。




 まぁ、強いていうなら…………秘境とか宝物殿とかじゃなくて、文化の違う国を見てみたいかなあ。




 この世界の国の文化は間近に存在する宝物殿の種類に影響を受ける。

 ゼブルディアは周囲にカテゴリーの違う宝物殿が幾つもあるので街にもそれほど尖った特徴はないが、例えば現代文明では再現できない便利な生活用品の宝具が多数顕現する宝物殿が近くに幾つも存在する国があれば、自ずと生活はそれに依存するようになるだろう。魔力がなければ宝具はチャージできないので、その国の住民はハンターでなくても魔導師としての実力を高めているはずだ。


 マナ・マテリアルが呼び起こすものは千差万別で制限がない。天空や海底にも都市があるという話を聞いたことがある。余り危険な場所には行きたくないけど。


 行くなら帝都よりも快適な都市がいいな。そんな都市、ほとんどなさそうだけど――。



 そう言えばただの噂だが、高度物理文明の宝物殿を近くに有し、そこから産出される品の恩恵を国民全員が受けている国があるらしい。


 高度物理文明は宝物殿の中でも滅多に存在しないタイプだ。帝都の近くにも存在しないが、その文明の宝物殿で見つかる宝具は他の宝物殿の宝具と比較しても有用な性能を誇っている事で知られていた。僕がこの間まで持っていたスマホ――スマートフォンも何を隠そう、高度物理文明の宝具である。


 物理文明は魔術文明の対極にあるものらしい。是非一度は見てみたい宝物殿の一つなのだが、《嘆きの亡霊》も高度物理文明の宝物殿には行ったことがない。希少かつ有用な宝物殿だけあって、高度物理文明の宝物殿を有している国はほぼその全てが宝物殿へのハンターの立ち入りを制限しているのだ。


 宝物殿を探索したいとは思わないが、そういう宝物殿が近くにある街に行けば、ケラーに奪われ失われてしまったスマホもまた手に入るかもしれない。シトリー達が戻ってきたら提案してみようか……。



 そんな事をのんびり考えていると、ノックの音と共にエヴァが入ってきた。


「クライさん、ガーク支部長から連絡です。できれば来て欲しいと」


「忙しいから無理だよ」


「無理そうなら、ユグドラの話の進捗だけ欲しいらしいです。なければユグドラ内部の情報だけでも。ちなみに、他にもあちこちからうちに問い合わせが来ています。取材やパーティへの招待も」


 手早く要求だけ述べるエヴァ。そんな事を言われても、進捗なんて知らない。転移魔法は一方通行だし、連絡手段もない。


 僕が知っている情報は先日話したものだけだ。セレンは、探索者協会の支部の話をするために一度はここに来ると言っていたが、時間までは言っていなかった。


「フランツ卿からも呼び出しがかかっていますよ。今はなんとか先延ばしにしてもらっていますが、長くはもちません。早めに情報を公開をしないと、虚偽の情報だと思われる可能性もあります。ユグドラ関連はよく偽情報も出回りますから」


 まぁ、虚偽の情報だと思われても何も困らないけどね。皆ユグドラ大好きだなあ。


 足を組み、ため息をついて言う。


「そんな事言われても……ユグドラはけっこうただの森の中の街だったからなあ……我慢も重要だって伝えてもらえるかな。セレンは皇女だからねえ……色々あったし、忙しいんだと思うよ」


「い……色々?」


 セレンは皇女として街の再興の総指揮を取っているわけで、いくら優秀な魔導師揃いのユグドラでも五日で復興は難しいだろう。


「まぁ、そんなに遅くはならないと思うよ。大丈夫、シトリーが今詳しい調査をしているから戻ってきたらレポートをまとめてあげてくれるはずさ」


「猶予も余りないのですが……レベル9の審査に使うには功績を確定したものにしなくてはいけないので。最低でもユグドラに探索者協会の職員を送るところまでもっていけないと厳しいかと」


「……大丈夫だよ。大丈夫大丈夫」


 レベル9になんてならなくていいから大丈夫。


 いっそ、ユグドラに支部を作る約束なんて貰ってこない方がよかったな…………普段、僕が役に立てる機会なんて滅多にないから、こう眼の前にチャンスがあるとつい……。


「ガーク支部長が審査申請の準備をしているようです。探索者協会の本部の人間が詳しい話を聞きに来ると」


「ガークさんも働き者だよね」


 昔はばりばりの武闘派だったみたいだが、よくもまあそんなに働くものだ。頼んでもいないのに。

 よしんば認定試験を受ける資格が得られたとして、試験に受かる気がしないなんていったらまた怒られるだろうか?


 予想よりも進んでいたレベルアップの話に目を瞬かせていると、エヴァは諦めたようにため息をついて言った。



「…………本当に、お願いしますね。ガーク支部長にもう少しだけ待ってくれるように伝えておきます。ユグドラについて何か出せる情報があったら、すぐに呼んでください」



 エヴァが足早に部屋を出ていく。背を向ける瞬間に見えたその横顔はどこか切羽詰まっているように見えた。

 ストレスで倒れないか少し心配だな……五日も追求をシャットアウトしてくれたんだし、そろそろ僕が矢面に立って話すべきかもしれない。エヴァに倒れられたら困るのだ。まあ、矢面に立って話すなんて言っても話す事なんてないけど。


「待った、エヴァ…………やっぱり、僕が少しだけ話そうかな」


「え!? 本気ですか?」


 エヴァが目を見開く。いつも押し付けてしまって本当に申し訳ない。

 気は進まないが、とりあえずフランツさんとガークさんだろう。嫌なことは一緒に済ませた方がいい。他の人達についてはまた考えよう。



「とりあえず、ガークさんとフランツさんをラウンジに連れてきて。僕からの新情報とかはないけど、質問を受け付けるから。話していれば何か思い出すかもしれないしね」


「え…………ラウンジでやるんですか?」


 今回重要な話をするつもりはない。

 ラウンジだったらクランメンバーもいるし、万が一殴られそうになっても誰かしらが助けてくれるだろう。






§





 ラウンジで待つこと十五分。ガークさんとフランツさんはすぐにやってきた。


 トレジャーハンターとは異なる威圧感。ガークさんはカイナさんと、探索者協会の制服を着たどこかずる賢そうな顔つきの男を、フランツさんも部下を三人連れている。


 これから何が始まってしまうのか……普段ならば絶対に遭遇したくないシチュエーションだ。


 かたや、僕の方は、僕とエヴァだけだった。今日という日に限って、ラウンジに誰もいなかったのだ。


「早かったね」


「散々、待たされたからな。本来ならばそちらの方から報告に来るべきだが――まあいい。それにしても……ラウンジを貸し切りとは豪勢だな」


 フランツさんがぐるりとラウンジ内を睥睨する。


「まぁ…………状況が状況だしね」


 貸し切りにしたくてしてるわけじゃないよ。まぁ、カイナさんもいるなら少しは安心だ。


 さっさと終わらせよう。シトリーがやってくるまでろくに言う事もないのだ。


 と、そこで、ガークさんが連れてきた男が仰々しく手を差し出してきた。


「初めまして、我輩は探索者協会調査部のズルタン・ルミルソンという者。この度はガーク支部長から呼び出しを受け、本部から参った。以後お見知り置きを」


「あ……どうもご丁寧に……我輩はクライ・アンドリヒです……」


 口調は丁寧だがその眼差しは鋭く、こちらを微塵も信用していなかった。抜け目のない男という表現がしっくり来る。


 探索者協会は各地に支部が存在するが、本部に配属されるのは本当に優秀な一握りらしい。探索者協会は基本的にその土地の管理を支部に任せているので、本部の人間がこうして支部のある街に現れる事は滅多にない。


「お噂はかねがね。今回はかの伝説の都――ユグドラへの到達を果たすばかりか、支部を作る約束まで取り付けてきたと聞いております。本部は蜂の巣をつついたような騒ぎで――ガーク支部長から連絡を受けすぐに我輩を派遣した次第。事前に調査し情報をまとめなければ支部は作れませんからな」


 有無を言わさず、ぺらぺら休みなく話しかけてくるズルタンさん。よく喋るなあ。ガークさんやフランツさんが一言も言えていないじゃないか。


「古今東西ユグドラに到達したと言うハンターは何人か存在しましたが、検証の結果その全てが、虚偽――勘違いだった。何しろ誰一人としてたどり着いた事のない都市だ、存在自体が怪しまれていた。森の中で見つけた精霊人の集落をユグドラだと勘違いしている、なんてパターンもありえるでしょう」


 なるほど、なかなかごもっともな話だね。

 僕の目をじっと見ながら喋るズルタンさんに、とりあえずうんうん頷く。


「なるほどね……確かにありえるかもねえ」


「もちろん、二つ名持ちのレベル8ハンターがそのようなミスをするとは思っていない。今回の情報は、信憑性がある。ガーク支部長の信頼もお厚いようだし――我輩、しかと真偽を確かめさせていただく所存です。功績が確認できれば、レベル9への大きな後押しになりましょう。間違いなく」


 やり手っぽいけど、暴力の気配がやや薄い分だけガークさんよりマシだな。

 ガークさん、フランツさん、ズルタンさん、カイナさんを順番に確認し、フレンドリーに言う。


「わかったよ。我輩に聞きたい事があるならなんでも聞いてよ。まぁ、事前に連絡した通り、さしあたってこちらからの新情報とかないんだけど、我輩で答えられる質問があったら答えるよ」


 我輩はただ公明正大に答えるだけだ。

 フランツさんは僕の言葉を受け、ようやく口を開いた。


「新情報がないと言うが……そもそも情報が少なすぎる。支部を作るにあたり、ユグドラの皇女が帝都にやってくると聞いているが、それが真実ならばこちらにも準備というものが必要だ。わかるな?」


「うーん……まあ、大丈夫じゃないかな。セレン皇女はそういうの気にしないし」


「き、貴様が大丈夫でも、我々の中では、問題なのだ」


 ボルテージが早速少し上がるフランツさんに、ズルタンさんがもっともらしく頷く。


「精霊人は気難しいですからなあ。実はここだけの話――本部では長らく、数少ない精霊人ノウブルのハンターを集めてユグドラの調査を進めていたのですが、進まないのなんので。その精霊人の皇女ともなればどれほど気位が高いのか。そして如何にしてその皇女と交渉を成功したのか、我輩、気になりますな」


「あー、それはね……話を持ちかけたら即答だったね。運が良かった」


 それに、多分皆が想像しているほど、セレンの気位は高くない。ラピス達の方がまだ気高い感じだ。

 多分ずっと戦い続けていた結果、そういう余裕のようなものは削ぎ落とされてしまったのだろう。


 ズルタンさんがあからさまに顔を顰める。


「運……運がよかった、か。しかし、わからないな。何故排他的で知られるユグドラが今更支部を受け入れる事に乗り気だったのか」


「あー、なんかね。これからは出入りの制限緩和して人間と交流していきたいって言っててさ。トップは意外に柔軟だったよ」


「!? そんな馬鹿な…………」


 ズルタンさんが目を見開く。ガークさんとフランツさんもぎょっとしたような目つきで僕を見ている。

 そもそも、ユグドラが出入りを制限していたのは世界樹を守るためだ。理由なく制限していたわけではない。


「うんうん、信じられないのはわかるよ。でもセレン皇女は意外に面白い人でねえ……そう、一度は僕にユグドラの全権を預けるとか言い出して驚いたよ」


「………………」


 嫌な沈黙に、僕は我に返った。


 向けられている正気を疑うような目つき。特に初対面のズルタンさんの視線がやばい。ちょっと言い過ぎた。

 小さく咳払いをして言い訳するように言う。


「ま、まああの時のセレンは正気じゃなかったというか、きっと余りに快適だったからつい口に出てしまっただけだと思うけど」


 実際にあれ以来、セレンは僕に全権を預かってくれという事はなかった。魔が差したというやつだろう。

 訂正する僕に、ズルタンさんは細く呼吸をして言う。


「ッ…………ま、まぁ、いいでしょう。実際に皇女とやらがここに来れば全てわかる事だ。問題はその皇女がいつくるか、という事です。我輩も本部も、暇ではないですからな」


「……その通りだ、クライ。皇女が来ないと話が始まらん。見込みとかないのか? レベル9審査の前にたどり着いてくれたら……助かるんだが」


 声のトーンが先程までと比べて低すぎる。僕、なんか変なこと言ったかな……いや、言ったかもしれないけど、嘘はついていない。

 僕が変な事を言ったとしたらそれは、実際にセレンが変なのだ。


 気を取り直し、ガークさんから言われた事を考える。

 しかし何度でも言うが、セレンがいつ来るかなんて知らない。精力的に活動しているのでそこまで遅くはならないとは思うが――。


「さ、さあ…………精霊人って気が長いからね。百年くらいあっという間みたいに考えている人達だし、セレンも忙しいからなあ」


「百年!? 我輩、聞き間違えたか? 百年、だって!?」


「ほ、ほら、セレンも復興の指揮で忙しいから…………ユグドラは色々あって今、更地だし、そのあたりは我輩に言われても困るというか……」


「!?」


 やばい……言葉を出せば出すほどまずい状況になっている気がしてならない。

 どんどんズルタンさんの眼差しが歪んでいくし、ガークさんやフランツさんも凄い形相だ。いつの間にかエヴァも青ざめている。


「ま、まぁ、他の情報は我輩のパーティのシトリーがまとめてくれるはずだからちょっと待っててよ。他に質問とかある?」


 僕の言葉に、ズルタンさんががたりと音を立てて立ち上がった。来た時はなんだかずる賢そうだと思ったが、今のズルタンさんの顔は赤みがかり、表情が歪んでいる。


「変わったハンターと聞いていたが――ガーク支部長、このような男をレベル9審査にかけようとは、ガーク支部長もなかなかのギャンブラーだ。レベル9はハンターの模範にして人々の希望、我輩には百年後に来るかもしれないユグドラの皇女を条件に票を集めるのはなかなか難しいように思えるが…………まあ、審査にかけるのは支部長の自由ではある」


「待ってください、ズルタンさん。これは何かの間違いで――クライ君、何か言ってください」


 カイナさんが慌てたように立ち上がりかける。カイナさんがこんな声を出すなんてなんだかレアだな。そして間違いじゃないよ……だって嘘なんてついていないし、ちなみに言わせてもらうと、百年後に来るとも言っていない。


「まあ、レベル9はまだまだ全然早いかも。ほら、実力も全然足りてないし」


「!?」


「…………まぁ、ゼブルディアまで来たのだ、しばらくは滞在してユグドラについての騒動の決着がどうつくのか、どうつけるのか、確認させてもらう」


 ズルタンさんが吐き捨てるようにしてラウンジの出口に向かう。僕はただ目を瞬かせてそれを見送った。

 ガークさんが、フランツさんが、ゴミクズでも見るような目をこちらに向けている。まさかガークさんやフランツさんより先に怒って帰ってしまう人がいるなんて――。


 僕は大きく深呼吸をして、ガークさん達に聞いた。


「……我輩、何か間違えた事言った?」


「まず、その、我輩を、やめろッ!」


 それは、なんかすいません。つい……。

 ガーク支部長が人を殺せそうな眼光で僕に確認する。


「クライ、お前本当に、ユグドラに行ったんだよな?」


「…………多分?」


 改めて言われると全てが僕の見ていた夢だったような気がしてくる。


「多分とは、なんだ! 多分、とは! ふざけた言動はいつも通りだとしても、ここまで大騒ぎにして、ユグドラに行ったという情報まで虚偽だったとなったら、ゼブルディア建国以来の失態だぞッ!! 貴様の首一つじゃ足らんッ!」


 そんな理不尽な話、ある? 別に僕は信じて欲しいなんて言った記憶はないのに――。

 針の筵だった。まさかラウンジがここまで居心地悪くなる日が来ようとは…………こんなの、シトリーの提案でラウンジで宝具チャージ大会が起こったあの時以来だよ。結構あるな!


「ズルタンが、本部に連絡を入れたら、レベル9など夢のまた夢だ。クソッ。クライ、さっさと皇女を連れてこいッ!」


 そんな無茶な……まぁ、レベル9の話がなくなるなら、それはラッキーだと思うけど。


 用事が終わったならクランマスター室に戻りたいのだが、とてもそんな空気ではない。

 ため息をつきラウンジの入り口の方を見たその時、ふと見知った顔が視界に入り、僕は目を丸くした。


 ラウンジの入り口でうろうろしていたのは――今、ちょうど話に出ていたセレン・ユグドラ・フレステルその人だった。

 自然から離れても尚変わらぬその美貌。セレンはおのぼりさんよろしく、きょろきょろ周囲を不安げに確認していたが、僕を見つけると、慌てて姿勢を正し澄まし顔を作った。もう遅いよ。


 セレンはラウンジに堂々とした動きで入ると、僕と対面しているガークさんやフランツさんやカイナさん達を完全に無視して声をあげた。





「ニンゲン、魔力が回復したのでさっそく遊び――視察にきました。さっそくゼブルディアとやらを案内しなさい」


 ……君、タイミング悪いね。

 ズルタンさんがいなくなった途端に来たな。

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