異なる世界と生きていく

異なる世界と生きていく

見たことのない漢字故郷で見つけ夢と知る　星を抱いた魚

冒険家気分で夢を巡り己の広さ知る宇宙のよう

夢を夢と知る水通す手のひら透けてこの世のものでないから

口にしなくても伝わる怖さあり嬉しさもあり境界線へ

マニキュアが欠けず満月あり得なさが優しいここにずっといたい

見知らぬ人とわかるのに安堵する心はつまりあなたを知って

日傘に触れて知ったこと世界から自分を遮るそれは許し

壁も花も人も猫もどこからも糸が紡げる手が知っている

微笑みにはじめましてと迷う末　首を振るあなたは寂しげね

目玉釣り現ではできぬこともここでは容易く朱は指を染め

橋をゆくことはできないまだ未練のあるあの戦いしかない世

笑うだけで生きていける幸せを貰わずに掴みに行きます

一度起きたら忘れるようなものも起きたことには変わらないから

知らぬ歌未練がましく高らかに耳は必ず脳を煌めく

簡単に忘れるならば私たちこんなに生きづらくはなかった

昔この手を握ったことがあるの死と生はいつも眠りにある

曲がる指どこまでも曲げくきり折るどうぞあなたへ薔薇の代わりに

道標ぱんくず落としいつか木となり道となる海への旅よ

さよならは言わないまたどこかで会いましょう縁は夢と手に込めて

朝起きてひとつ零れた意味を誰も知らない鳥だけ見つめてた