第100話砂の秘宝


アバ視点


「カジキ大丈夫か」


小声で話し始めて


「・・大丈夫だ。お前はここからこっそり逃げ出せ。それで俺のいた神殿を目指せ」


状況を少し確認したカジキが、偉そうに座っていた神殿まで行けと命令してきた


「言い方が嫌いだが、行ってやるよ。生きろよ」


そう言い残して、急いで騎士たちの横を通り、神殿まで全速力で向かった




(砂漠走りにくいから嫌いなんだけどな)


頑張って足をあげて走り続ける


「グオオ!!」


「・・・マスターのドラゴンや!」


(あそこにおるってことは、背中におるな!)


「一点跳躍」


スキル【一点跳躍】を使用し、足に力を溜め続ける


そしてそれを解放しドラゴンがいる遥か上空までジャンプした


「早い!」


思ったよりドラゴンが早くて、、追いつけなかったんだけど


(でもマスターはいない。どこに行った?)


「グオオ!」


「あ?」


ドラゴンが何故か戻ってきて、背中に乗せてくれた


「連れて行ってくれるのか?」


「ガオ」


「ありがとう!」


ドラゴンにお礼言いながら、そのまま乗せ続けて貰ったの




「ありがとう!」


「ガオガオ」


それで神殿まで凄い速さで行けたのよ


(やっぱ動物はいい奴だな)


ガシャン!


「・・槍が飛び出る罠か、解除しながら行かないと」


カチャ


ガチャ


パン!


「危ない!」


ガチャガチャ


カチャカチャ


たまに罠を発動させながらも、無傷で神殿の中をどんどん進んで行って


「やっと着いた、、」


神殿でカジキがいた所まで辿りついた


「初めて来たときは罠なかったのにな」


疲れてたから愚痴をぐちぐち言いながら、扉を開けたら


「・・・マスターいないな、、」


扉の奥には小さな砂嵐に囲まれている。《砂の秘宝》があった


「ご苦労。アバ」


「え!」


急に後ろから声が聞こえて振り返ったら


「罠解除助かったよ」


「マスター!」


マスターが背後に立っていた


「じゃあね。自分は砂の秘宝回収するから」


「え?!いつから?!」


急に現れたマスターにめっちゃ驚いた。ステラがホラゲーしてる時ぐらい驚いた


「神殿来た時に罠あることに気づいたんだけどね。解除できないから誰か解除出来ないかなって思いながらミラで飛んでたら、お前が必死に走ってたから利用させて貰った」


「あのドラゴンが私連れてきた理由それですか!」


「そうだ」


マスターは《砂の秘宝》に近づき何かの文字が書かれているのか、それを読んで


「アバ。死んでくれ」


「はい」


そこで私の記憶は途切れた。反射的に自分の首切っちゃって即死したからそれ以上のことは分からないよ


というか副マスこんな所にいたんだな。皆探してるよ。あ、もう行く?じゃあね




龍桜雫視点


「ちゃんと砂嵐解除されたな」


横に横たわっている。アバの死体を横目に《砂の秘宝》を入手した


《砂の秘宝》を入手しました。このアイテムは『S1アイテム』です


この世界に一つしか存在していません


(ふーん。素材にする為に奪ったけど、取っといた方がいいな。影の衣を作る時に使おう)


アイテムボックスに秘宝を入れ、帰ろうとすると


「返せ」


「?」


「返せ」


「ここの守り人ですか?」


「それは神様の大事な物だ。返せ」


「奪ってる時点でさっさと殺した方がいいですよ。じゃあ」


シャキン!シャキン!


「マジかよ」


「我は鏡。砂の世界で一番美しい鏡」


「人の姿のくせに」


戦闘が始まった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る