第95話暴君の大暴走

「暑い」


森の中はジャングルと思うほど、蒸し暑く、木やツタが生い茂っていた


「グオォォ、、」


「また引かかったのか」


地上に降りてから、よくミラが草木とツタに引っかかる


「空中におるか?」


「グオ」


「じゃあ頑張って上まで飛んでけ」


ミラに絡まっている。ツタなどを外してあげると、ミラはゆっくり上昇していき

空へ帰って行った


「主」


「何かね?」


セレスがリュックの中から話しかけてくる


「このリュック暑い」


「はよ出てこい」


リュックを逆さに向け、セレスを落とす


「痛い」


「無傷だろ。また虫が飛んできた」


パン!パン!パン!


「弾は無限だから弾切れの心配はしないでいいが、多いな」


パン!パン!パン!


何発か銃を撃つが、一向に虫の数が減らない


(多種多様な虫がいっぱい来てるな)


ハチ、カナブン、ハエ、よくわからん虫、凄いデカいカマキリなどが

ずっと襲い掛かってくる


「しかも全員デカい!」


パン!パン!パン!


(集団戦系のスキルは持ってないんだよな。安心できる家はクールタイム中だしな)


「セレス。全力で逃げろよ」


「?」


「暴君の籠手装着」


右手の短剣が籠手に変化し、左手には赤い色の籠手を装備する


「殲滅しよう!」


殲滅を宣言しました。効果が発動します


「ハハハハ!!」


ゴッシャ!グチョ!


「壊そう!滅ぼそう!草木を枯らそう!」


爆上がりしたテンションで、暴君の籠手が内蔵している、スキル【暴君の暴走】を使用し暴れ回った


「フハハハハ!!」




セレス視点


(危なかった。あのまま一緒にいたら巻き込まれる所だった)


セレスは後ろを見ると、雫が縦横無尽に動きながら、羽虫達を蹂躙していた


(まだまだ虫は来てるけど、主には問題なさそうだ。ここまで強い敵がいるなら、ボスがいる)


セレスは森の奥へと足を進める


「ワ!」


セレスはスキル【王者の咆哮】を使い寄ってくる虫を怯えさせ、寄せ付けなくする


(・・主の方に虫行ってるけど、大丈夫か)


「これはこれは、セレスちゃんじゃないですか」


セレスの耳に聞き覚えがある声が聞こえる


「ヤド」


「お久しぶりですね」


「大きくなった」


(主のドラゴン同じぐらい大きい)


手のひらより大きいぐらいだった、ヤドは今じゃドラゴンにしては細いミラと

同じぐらいの、大きさになっていた


「ここの生物は美味しくて、色々食べていたら成長してしまって」


「後虫ぽくなってる」


ヤドの見た目は、蜘蛛の体にハチが合体しているような見た目だった


分かりやすく言うと、アラクネの人の部分がハチになっている感じだ


「元々虫ですから、それでセレスちゃんは何故ここに?」


「ここに災害生物がいるって、聞いてここに来た」


「それはわたくしですね。災害生物【蜂蜘蛛の女王】って呼ばれてますね」


※ハチクモのじょおうって読みます


「そう」


「セレスちゃんも災害生物【暴食姫】って言う、いい二つ名を貰ってるじゃないですか」


「・・・」


(主を呼ぼうかな、、でも今戦ってるしな。ヤドとはあんまり戦いたくないんだけどな)


「セレスちゃんに戦う気がないのは分かりますけど、わたくしはセレスちゃんを食べたいんですよね」


(マズイことになった。ヤドはお腹減ってて理性無くなってる)


「じゃあいただきます」


「・・・」


戦闘が始まった

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