第80話キューブ

「お邪魔します」


教会の中に入って行く


「・・・」


「女神?」


女神像とそっくりの女性が、女神像の足元に座っていた


(めっちゃ似てる、)


女神像とその女性を何回も見比べた


「君は、アルカトの使徒か?」


「誰ですか?アルカトって人は」


(誰だ?)


「アルカトのぉ、ブレスレッドを、付けてるじゃないかぁ」


「・・・ああ、あの神様か!」


「そうだそうだ」


「誰ですか?」


背負っている杏夏がそう聞いてきた


「結構前の町で信仰されてた女神、確か治癒の女神だっけな。というかお前はそろそろ背中から降りろ」


「まあ、まあまあ」


杏夏は一向に降りる気配がない


(振り落としたろかな)


「話を、続けても?」


「どうぞ」


「アルカトの使徒じゃないなら、何故そのブレスレッドを?」


「悪魔に教会襲撃されてたんで、それを助けたからじゃないですかね」


「結構、簡潔に、話すね」


「あんまり覚えてないんで」


「そう、、、、」


女神は自分の右手を見ると、動きが止まって動かなくなった


「アルカトに祝福貰った理由が分かったわ」


「流暢に喋りますね」


女神が急にスラスラと喋り出した


「お、依り代が安定してきたか」


(本体は違う場所にあるんやな)


「まずは名乗らせてもらう。魔剣の女神ライトと言う、よろしくな」


「よろしく」


「でだ、君が祝福を貰った理由って、説明してほしいかい?」


「まあ知りたいですね」


(この人も結構、話進めるの早いな)


「アルカトは治癒の女神だけど、呪いが好きだったのよ」


「・・呪いの武器と装備持ってるからくれたってことですか?」


「そう。あいつは呪いの武器壊れたら、我に持ってきたから、色々と知ってる。あいつの狂気的な呪い愛もな」


「じゃあ僕たち帰りますね。じゃあ」


(明らかにヤバいことに巻き込まれるわ)


さっさと離れようとしたが


「すいません。やっぱり帰るのなしで」


「次はないよ」


空中に30本ほどの剣が浮き、全て自分に刃先を向けてきた


「話を続ける。あいつの狂気的な呪い愛は、うちの最高神に良くないものと思われて、色々あって本人が封印されてしまったのよ」


「助けろってことですか?」


「話が早くて助かるね。そういうことだ」


(面倒だし絶対忘れる)


「まあ封印を解く方法は色々あるから、自分で頑張ってくれ」


「何も情報ないんですね」


「教えたら我が被害食らう可能性があるからね」


「この頼み事、すっぽかしてもいいんですか?」


「いいよ。人間は神には基本的に勝てないし、できればやって欲しいけどね」


「報酬ってなんかあります?」


女神ライトは少し考えた後「今渡してやる」と言ってくれた


「再演の指輪って言う奴が「もう持ってます」


右手をあげ指輪を見せる


「・・・じゃあこれやるよ」


(キューブ?)


呪われました


「また?」


キューブを受け取るとそのキューブは溶け、自分は呪われた


(もう4回も呪われたんやけど)


「そのキューブはアルカトが、2番目ぐらいに好きな呪いだ」


「どんな効果ですか?」


「まず常時体が丈夫になる。そしてキューブを意識して能力を発動した場合、体に鎧を纏える」


「鎧はもう持ってますよ」


そう言いながら短剣の鎧を纏う


「それは魔法的な鎧だろ。このキューブは物理的な鎧だ」


女神ライトが指を鳴らすと、体から黒い何かが出てき、それが固まり鎧が出来た


「騎士ぽい鎧ですね」


「これ私に被害ないですよね」


まだ背中にいる杏夏が不安そうに聞いてきた


「危害加えないなら大丈夫だ」


「他の効果はないんですか?」


女神ライトはにやっと笑うと「後一つ凄い能力があるぞ」と言い放った

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