盤面の敵
クイーンはね、もうなんでもいいよね。だって、クイーンだから。
QED。
神ですよ、神。ブリキの? 失礼な!
???シンキングタイム???
盤面……日本人だと将棋・囲碁になるんだろうけど、海外だとチェスか。
翻訳ミステリの世界ではチェスはお馴染みですね。たとえば、ヴァン・ダインの『僧正~』がそう、ルース・レンデルもなんかあったな。
とりあえず“盤面”は“チェスボード”としよう。“チェス”は“ches”だとなんか足りない気がするので“chess”か。ということは“盤面”は“chess board”ね。うーん、“盤(ボード)”のスペルから怪しい匂いがプンプンする。
前の企画でもさんざん悩まされた“の”問題。“of”なのか“’s”なのか。困ったときは“of”だ“オブ。
最後は“敵”か。うーん、“モンスター(monster)”か? いや、“モンスター”は“怪物”だろう。いかん、だいぶドラクエウォークに引っ張られている。
なんかあったな、敵。ロスマク(註 ロス・マクドナルド)のタイトルでなんかあったよな……思い出せない。
あ、『一瞬の敵』か。“enemy”だ。エネミー。
ということはエネミー・オブ・チェスボード。ん、なんかしっくりこない。違和感の正体を探ること数秒、いや十数秒、いや二十数秒。「そうか、盤面を挟んで向き合っている敵であって、けっして盤面にとっての敵ではないのだ」と気付く。
だいたい盤面にとっての敵ってなんだ? チェーンソー?
それはともかく、こういう“の”は「はじめまして」だ。
あー時間がない。オブじゃなければなんなんだ。たぶん、オブ的ななんかだろう。前置詞だ、きっと。川の向こう側とか向かいのホームとか、そういうときに使うなんかがあるんだよ。正解を聞くと「あー」ってなるくらいシンプルなやつなんだよ、きっと。こんなとこにいるはずもないのにというところにいるんだよ。教えておくれ、山崎まさよし。あたし、アルバムも持っているんだから。
もういいか、“on”で。
というわけで
【The Enemy on Chess Board】
で、どうでしょう?
正解は
【The Player on the Other Side】
でした。
なるほど。敵は単なる敵ではなくゲームの対戦相手なのか。だから“player”なのね。“自分とは異なる側”で“other side”というのは面白いですな。
作品の真相をふまえて“other side”という言葉を味わうと、なかなかぐっとくるものがあります。
★★★作品情報★★★
盤面の敵(エラリー・クイーン著/訳/ハヤカワミステリ文庫)
クイーン好きは多いけれども、もしかするとこの作品あたりは読んでいないという人もいるのでは。
うらやましい、いや、もったいない。
独特の緊迫感をはらんだ作品。犯人のバックボーンがわかると「あぁこれはクイーン的だ」と腑に落ちるところがあるのですが、シオドア・スタージョンの代作なんでしたっけ?
調べろ、調べろ。ふむ。やはり、スタージョンの筆のようです。
!!!復習メモ!!!
player 競技者 選手 演奏者
other もう一方の 残り全部の 別の 向こうの
side 側 側面 面
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