アブソーブモンスター

GARAHIくホ心京ハeu(がらひくほみ

第1話




○祖父の家の庭(朝)

   組手をしていた祖父(50)とポロビナ(15)は一息ついてお茶を飲んでいる。

ビナ「なぁじいちゃん、なんで毎日組手をしなきゃいけないんだ?」

祖父「いずれ分かるさ」

祖父「さあ、稽古も終わったし、いつものやるぞ」

ビナ「なんだよそれ。まあいいや。じゃいくか!」

祖父とビナが二人で声を合わせて叫ぶ。

祖父、ビナ「エロ本探し!」

   祖父とビナはラフな服装に着替え、家の裏にある森の中に入っていく。


○祖父の家の裏にある森(朝)

   木々が立ち並んでおり、祖父とビナが周りを見渡しながら歩いている。

ビナ「俺最近、普通の作品じゃ抜けなくなったんだけど、変?」

   ビナがが立ち止まり、後ろにいる祖父の方を向く。

祖父「そんなことはねえさ、わしなんか動物でも抜けるぞ」

ビナ「すげーなそれ!」

ビナ「俺ら、アブノーマル家族だな!」

祖父「じゃな!」

   祖父とビナは互いの顔を見合って、笑い合う。少し歩いていると、ビナがエロ本を見つける。

ビナ「お、エロ本みっけ」

   祖父が木の根元に落ちてあるボロボロのエロ本を拾い上げ、ページを捲る。

祖父「こ、これは当たりじゃな!」

ビナ「おお! スカトロだ!」

ビナ「今日のオカズは最高級だな!」

祖父「昔は風俗っていう、店があったんだがな」

ビナ「何それ?」

祖父「女性とエッチできる店」

ビナ「そんな店が⁉︎」

祖父「数年前に無くなっちまった」

ビナ「なんで無くなったんだ?」

祖父「世間の目が痛かったとかで、する人がいなくなったとかだった気がする」

ビナ「へー」

祖父「オカズも見つけたし、一旦帰るか」

ビナ「おう!」

   祖父とビナは来た道を帰り始める。

祖父「なぁ、お前は夢とかないのか?」

ビナ「いきなりどうしたんだ?」

祖父「いいから」

ビナ「そうだなー。学校とか行ってみたいな」

祖父「すまんな。学校行かせてやれなくて」

ビナ「いいよ。俺はじいちゃんといるだけで楽しいから」

祖父「お前…いいやつだな…」

ビナ「泣くなよ! 恥ずいだろ」

   手を顔に当て下を向く祖父の背中を、軽く叩くビナ。

祖父「泣いとらんわ!」

   目を擦り、すぐに顔を上げる祖父。

祖父「実は、お前に言うとかないかんことがある」

SE ドン‼︎

   吸収のディザイアが飛んできて、祖父をぶっ飛ばす。

ビナ「じいちゃん⁉︎」

   吹っ飛ばされた祖父を心配して、近寄るビナ。

祖父「…!」

吸収「やっとみつけた」

   吸収が祖父の体に入り込み、体を半身乗っ取る。

祖父「なんで…ここが…」

吸収「気づいてなかったのか? もう寿命だから隠してた匂いが漏れ出してんだよ」

吸収「やっと一つに…」

ビナ「じいちゃん⁉︎」

祖父「来るな!」

ビナ「なんだよコイツ⁉︎」

   今まで見た事がない生き物を見たビナは、その場でじっと戸惑っている。

吸収「なんだこのガキ」

祖父「逃げろ!」

ビナ「え…」

   ビナが瞬きを下瞬間、ビナの上半身と下半身が二つに切られる。

祖父「ビナ‼︎」

祖父「なぁ…狙いはわしじゃろ…」

吸収「ああ、てかまだ身体乗っ取れねんだけど…」

祖父「これはやりたくなかったが…」

吸収「まさか…やめろ‼︎」

   祖父が自分の心臓をもぎ取る。

祖父「セイ…解放…」

   性のディザイアが現れる。

セイ「久々のシャバだー‼︎」

   セイは深呼吸しながら大きく背伸びをする。

祖父「セイ…こいつを頼んだ…」

セイ「いきなり呼ばれたと思えば、じじい死にかけてんじゃん」

   死にかけで横たわっている祖父を見るセナ。

祖父「わしはいい。ビナと契約してくれ」

セイ「はぁ? いきなり呼び出されて、契約しろって…」

祖父「頼む…」

   祖父が吐血し、手を口に当てる。

セイ「知ってんだろ、俺は認めたやつしか契約しないって」

祖父「大丈夫…お前はビナを気にいると思うぞ」

セイ「…じじいはいいのか?」

祖父「…わしはどうせこの先短い。それにビナには夢を追ってほしい」

セイ「仕方ねーな」

   セイがビナの体に入る。

ビナ「あれ、俺。死んだのか…」

セイ「おい、クソガキ」

   寝っ転がっているビナを上から見下ろすセイ。

ビナ「誰だ…?」

セイ「性のディザイア、じじいからはセイと呼ばれとる」

ビナ「じいちゃん‼︎ じいちゃんは!」

   ビナは飛び起きる。

セイ「まだ死んでねーが、もう時期死ぬ。お前もかもな」

セイ「いいか、時間がねーから二つだけ質問をする。質問の答え次第でお前の生死が決まる」

ビナ「じ、じいちゃんが…!」

セイ「じじいから頼まれたんだよ」

ビナ「じいちゃんから…?」

セイ「はい、質問するぞー」

セイ「好きなプレイやジャンルは?」

ビナ「…は? なんの?」

セイ「は? 何って、俺、性のディザイアやぞ? エロ以外に何があるんだよ」

ビナ「なんで、今そんなの答えなきゃいけねんだよ」

セイ「いいから答えろ」

   ビナは一度深呼吸をして、頭に浮かんだモノを伝える。

ビナ「えっと…」

ビナ「スカトロ、、NTR、嘔吐、快楽堕ち、ロリ、熟女、ニ穴、飲尿、男の娘、近親相姦、

肉便器、SM、ボテ腹、、ふたなり、レズ、オナニー、淫乱、露出、フェラ、イラマチオ、バイブ…」

セイ「お前…じじいそっくりだな」

ビナ「え…?」

セイ「じじいもマニアックなやつとか、アブノーマルなものばっかりだったな」

ビナ「じいちゃんに育てられたから」

ビナ「小さい頃からやることなくて、オナニーしかしてこなかった」

セイ「そこもじじいに似てるな」

ビナ「なんかすげーな、じいちゃん」

セイ「はい、最後の質問」

セイ「セックスをするなら、誰としたい?」

ビナ「…分からない。でも、初めては好きになったやつとしたい」

セイ「お前、おもしれーな。いいぜ。契約してやるよ」

セイ「条件は…そうだな、これから毎日、お前が好きな作品を教えろ」

ビナ「わかった」

セイ「これで、契約完了」

   ビナが目を覚ます。目の前には血をダラダラ流しながら、今にも死にそうな祖父が横たわっている。ビナの体は再生している。

ビナ「じいちゃん⁉︎」

祖父「契約…できたんだな…」

祖父「さすが、アブノーマル家族…だな」

ビナ「じいちゃん…俺…」

祖父「すまないな、お前に教えなきゃいけないことたくさんあったのに…」

祖父「それに…学校にも行かせてやれなくて」

ビナ「いいんだよ…! じいちゃんと居れて、俺、スッゲー楽しかった!」

   ビナは死にかけで血まみれの祖父の手を握る。

ビナ「じいちゃん…。じいちゃん前に言ってたよな」

ビナ「『わしが死ぬ時は泣くな』って。ごめん。それ、無理だ…」

   ビナが子供のように泣きじゃくり、祖父は握っているビナの手を強く握り返す。

ビナ「じいちゃん…俺、これからどうすればいいんだよ…!」

祖父「ビナはほんと、自分で何も決めれんな。これが最後だぞ」

   ビナが笑顔を作っている祖父と目を合わせる。

祖父「俺みたいに、童貞のまま死ぬな…そして、好きな人を作って、たくさんエッチりしろ…」

ビナ「じいちゃん…最後まで、そういうこと言うんだな…」

   ビナが少し微笑む。

祖父「…ビナ。今までありがとな。わしは先に天国という場所に行っとくおくからな」

ビナ「こっちこそだよ、今まで本当にありがと」

ビナ「天国で俺が童貞を捨てるとこ観ててくれ…」

祖父「気長に待っとく…ぞ」

ビナ「じいちゃん……!」


○祖父の家の庭(昼)

   大きな炎と煙が上がっている。

ビナが祖父の骨を粉々に砕いている。

ビナ「お金ないから、これで許してくれよな、じいちゃん」

ビナ「ちゃんとじいちゃんの遺言通りにするからな」

   ビナは砕いた遺骨を水と一緒に飲み込む。

ビナ「これがじいちゃんの味か。あんまり美味しくないな」

ビナ「次飲むなら、可愛い女の子の骨がいいな」

メオ「君、面白いというかすごいね!」

   チオンメオがニヤニヤしながらビナを眺めている。

ビナ「誰?」

メオ「セイは性欲があるやつじゃ殺せないしな」

メオ「君はこれから三代ディザイア討伐に使われるけど、仲間になる?」

ビナ「だから、誰?」  

メオ「尺がないんだから、早く答えて」

メオ「君はこれからどうするの?」

ビナ「俺は…じいちゃんと約束したんだよ。童貞を卒業するって」

メオ「やっぱり、君面白いね」

   メオは微笑みながらビナを見つめる。

メオ「君が僕たちの仲間になると、童貞を卒業できるけどディザイアを討伐しなきゃいけない」

ビナ「断ったら?」

メオ「君は地獄を見るよ」

   メオがビナを睨みつける。

メオ「どうする?」

ビナ「童貞卒業のためなら、俺は化け物でも狩れる」

メオ「最高だね!」

メオ「ようこそ。キラーに…」

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