ヴォイジャー・スキップ
蓼原高
プロローグ
少年は沸騰するような雨に打たれていた。
手には刃渡り六寸ほどの銀色の刃が握られており、熱い雨に紛れてぽたりぽたりと紅い液体が滴った。
金色の空を見上げながら、少年は泣いていた。黄金が銀色の髪を反射して、虹色に輝いた。
その光景は美しく、そして残酷だった。少年の足元には、墨のように真っ黒になった何かの塊が、物言わず横たわっていた。
熱いシャワーが水飛沫をあげる。細い指を見る。雨は、罪を洗い流すようにこぼれ落ちた。
彼は、夢の中にいる気分だった。
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