第8話

「にゃんだ?」

『今、天狗の話を、してなかった?』

「何か知っているのかにゃ?」


黒猫が、そう言うと、猫様は直ぐに反応した。


『知ってると言うか、それらしき者を見たよ』

「本当かにゃ!ぜひ教えてくれにゃ!」


猫様は、身を乗り出してお願いをする。


『別に、良いけど』

「ありがとうだにゃ!それで、何処にいたのだ?」

『確か、大きな山で飛んでいたにゃ!』


またもや、仕立てに出ていた猫様に、黒猫は、丁寧に教えてくれた。


「山らしいにゃ」

「分かったわ、それじゃあ、あの子の所に行きましょう」


―――その頃結愛は。


「暖かいな~、あの二人どうかな?」

「おーい」

「シロネと猫様だ」


二人は、駆けるように向かってきた。


「どうだった?」

「分かったわ、あそこの山らしいわよ」

「少し遠くない?」


私は、その山を見て文句を言う。


「そう文句を言うにゃ、我の努力を無駄にしないでにゃ」

「分かったよ、それじゃあ、準備をしてからね」


私はそう言い、立ち上がった。

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