台詞・ナレーション・朗読集

四天王最弱の地属性。

※シナリオ『筋肉と地属性。』の原作です。

ッグゥ……！ ここまでか……！ だが俺様を倒したくらいで図に乗るなよ！ 俺様は四天王の中でもーー。

…………おい。

今お前、地属性のこと馬鹿にしただろ？

四天王の中で最弱と俺が言いきる前にボソッと「やっぱ地属性は脳筋でチョロいなって」言ったよな？

仲間に同意求めたよな？ 聞こえたからな？

確かに俺、パワータイプゴリゴリマッチョで戦略よりも筋肉のことを考えていたいし、脳細胞より筋繊維が発達してほしいと切実に思ってる脳筋だ。

知力よりパワーだ。パワーこそ知力だ。Muscle loverだ。

だから、お前からすれば動きが読みやすくてチョロいかもしれない。ああそうだろう。否定はしない。

でもさ、それ俺の悪口でよくね？

なんで地属性のこと馬鹿にした？

チョロいのは俺であって地属性じゃなくね？

地属性のこと貶したよな？

ていうか、初めて会ったとき。「やっぱりパワータイプか」って言ったのも思い出したわ。

「だって地属性はどうせデブか脳筋」

お前今、そう思ったよな？

俺の筋肉がお前の思考読みとったわ。

地水火風の中で、水は頭脳派のイケメン、火は熱血のイケメン、風は天才肌のイケメン。

で、地はデブかゴリラ。

そういう風潮あるかも知れねぇ。実際うちの四天王もそうだ。

四天王の中で俺はルックスも実力も最弱だけど、だからといって地属性のことまで馬鹿にすんのは違うくね？

最弱なのは俺が地属性の可能性引き出せてねぇだけの話で、ポテンシャルは他の属性とイーブンなんだけど？

あのさ、マジ、ふざけんなよ？

俺倒したくらいで図に乗んな。

……ああ、でも、そうか。

俺がここで諦めたら、地属性が馬鹿にされるんだな。

オーケー、四天王とかどうでも良いわ。

俺はたぶん四属性最強の一角とか、正直傲ってた。

地属性の力強さに甘えてて、ゴリ押しだった。

そのせいで地属性が馬鹿にされるんだったら、俺は地属性に申し訳が立たない。

頭を、筋肉を、俺の全てをかけて、お前を倒す。

筋肉は追い詰める程強くなる。地属性もまたそうだ。

眼が醒めたよ。

俺は今、満身創痍。

しかしそこに慢心は無く、創意を凝らさなければ死に、ひいては地属性の沽券にかかわる。

ならばこれは、負けられぬ戦いだ。

俺は俺様は……いや、我は。

四天王が一人、地属性ゴリラ。

貴様が嘲弄した地属性の真髄はここからと知れ。

ーーいくぞ！！