台詞・ナレーション・朗読集

覚えておけよ偽善者。

悪を裁くことが正義だ善だ、と。

なぁ、君は今そう言ったのかい？

欲望の赴くままに奪い、欺き、嘲り、壊し、瀆し、騙り、偽り、殺さんとする不逞の輩を悪と断じ、

君の正義の鉄拳ないし剣なりなんなりで、断罪し、処罰することが正義だと。

それが君の善行なのだと、人として行うべき善なのだと。

そう言ったのかい？

おいおい。ふざけるなよ。図に乗るな。傲るな。威張り散らすな。嘯くな。甘えるな。酔い痴れるな痴れ者が。

まことに愚かしく、勘違いも甚だしいな。

引っ込んでいろ偽善者。

正義を騙るな、性根の腐った真性のパラノイア。

それとも道理を弁えない身の程知らずのサディストか？

言っておくが、君のような善人気取りの腐れ外道は腐敗にたかる蛆ですらない。

尊き秩序にすり寄り巣食う、厚顔無恥の白蟻だ。

悪を裁くだって？

君にそんな権利があるのか？

誰に与えられた？ 悪を悪と断じ、己が行いを誰が善と定義した？ 言ってみろ。

よもや己の心が囁く、大衆がそうあれと命じるなどと戯けたことを宣うなよ。

それはあまりに不遜が過ぎるぞ？

その言動は、善も悪も正義も等しく平等に貶める、極めて浅ましいものと知れ。

故に、君という存在は善に背き、悪にも劣る。

悪を裁くものが正義ではない。正義故に悪を裁くのだ。正義故に善を計るのだ。

覚えておけよ偽善者。

己の欲望のままに、虚栄心で悪を断罪せんとする君は、もはや悪だ。

そして、それを裁定するは常に中立、平等。

それこそが真なる正義。