台詞・ナレーション・朗読集

ドラゴンのアレ。

※シナリオ『クソみたいな究極の選択。』の原作です。

あー……ドラゴンのアレかぁ。

うーん、これはアレだわ。

すっごいね、レアっていうのはそうなんだけど……。

うーん、ちょっとこれだけはなぁ。

まぁ、レア度だけ見ればラッキー、めっちゃついてるー！

って感じなんだけどね。運気ヤベーって感じ。

でもね、トレジャーとしてのレア度はさておき、アレ度も高いんだよね。

うん、こう……。香気がね、かほりが、もうね。

もう、うん、困っちゃうわー。

実際結構離れてても、アレがね。スメルがね。

いや、だからこそ見つけられたんだけど、

あー、うーん、こいつはどうしたものか……。

しかも、特大だよなぁ、うん。

これさぁ。でも、確実に良い稼ぎになるんだよなぁ。

ドラゴンって絶対人の入れないやべぇところに住んでて、岩でも何でも食うから、そこから出てくるアレがめっちゃアレでレアなアレなのは分かってる。

このサイズだったら遊んで暮らせるレベルだと思う。

黄金だよ。冗談抜きで。

……それは分かってるんだけど、既にやっぱ吐きそうなんだよね。

しかもさ、ちょうど持ってないわけよ。

袋とかそういうの。

そりゃあ冒険者たるもの、持ってるよ。何でも入るバッグ的なやつ。だから、あるよ。あるけどさ。

でもさ、これ、買ったばっかのバッグなんだよね。

しかも、俺が買ったんだったらさ、まぁ喜んで入れるよ？

いや、喜んでは入れないけど。

買って貰ったやつなんだよなぁ。例えばそれがさ、母ちゃんが買ってきたとかだったらよ？喜んで入れるよ？

いや、喜んでは入れないけど。

……これ、気になるあの子からのプレゼントなんだよな。マジ嬉しい。幸せの絶頂な訳よ。

でさ、今よ。

うん、これ、何で今なの？

あのドラゴンの、とは言え。

とは言えだよ？ 贈り物にアレ詰めたとかさ。あの子に知られたら、もう、終わりだよね？ 100%泣かれるし、キレられて指詰めさせられるまであるわ。

詰めたアレの代償に。

匂いヤベーから入れたらもう二度ととれねぇし、かといってヤムオエナイジジョウで失ったことにして捨てるにしても、換金するときに匂いのせいで注目の的だからいずれバレるんだよな……。

あー……ドラゴンのアレかぁ。

うーん、困ったわぁ。