第7話 営業

教室に着くとすでに半分くらいの人が衣装に着替えていた。魔女だったり僧侶、ミイラ、アニメのキャラ様々だった。


「おはよっ! 優奈も早く着替えてきな」


「おはよ、明里ちゃんも…………凄いね、うん」


明里ちゃんはチャイナ服……………ではなく少し過激なナース服に変わっていて、少し屈めばパンチr…………見えてしまいそうなくらい短かった。


「優奈ちゃんはーやーくー」


「はいはい、ちょっと待ってねぇ〜」


更衣室で着替えてても外から催促の声が聞こえてくる。


「似合う、かな?」


「お〜、かわいいかわいい!! これで十分看板娘になれるね!」


「え、やだよ。目立ちたくない」


なぜか首に『1ー1 コスプレカフェ』と書かれたボードを掛けられ、明里ちゃんが頷きながら満足そうにこっちを見ていた。


「じゃ、12時まで適当にほっつき歩いてねぇ〜。あ、ちゃんと呼び込みするんだよっ!」


そして文化祭が始まった。




◇ ◇ ◇




「いやぁ、適当に歩けって言われても」


こういう呼び込みって複数人でするもんじゃないの? 私1人だけでやってもあんまり効果無さそうなんだけど。


首下げ看板には地図、メニュー、コンセプトが書かれていて、中心には【メイド服(ミニスカ)有り】とデカデカと書かれていた。そのおかげ?で男性陣からの視線が熱い。


「おっ1年面白そうなのやってるじゃん」

「俺ら行ってもいい?」


「はっはい! ぜひぜひ!」


・イケメン二人組に声をかけられた。優奈のやる気は3上がった。


「ねぇねぇ、この特典ってなに?」


「えっと、500円以上使っていただいたお客様にはお好みの方とお写真を撮る事ができます」


「まじ!? イケメンいる!!?」


乏しい脳内メモリーを起動する。


「…………………います。(たぶん)」


「やった! いつメン引き連れて行くわ!!!」


「あ、ありがとうございます」


・優奈はギャル(黒)と会話した。ギャル(黒)の連絡先を手に入れた←謎


「あら、1年生? 7組どこにあるか知ってるかしら」


「はい、A校舎の2階にありますよ。あっちですね」


「ご丁寧にどうも〜。あとでそちらにも伺いますね」


・優奈は気品溢れる美女と会話した。優奈は気品溢れる美女に目を奪われた。


それから何十人かに対応してやっと一息ついた。この時にはすでに文化祭が始めってから1時間が経過していた。


「お疲れ様、優奈ちゃん」


「わっ!?」


中庭のベンチに座ってサボ………休憩していると首筋にあったかいものが当てたらた。後ろを見ると明里ちゃんがカフェオレを持って立っていた。


「いやぁ〜ギャルが何十人も入ってきた時はびっくりしたよ〜」


「私もびっくりしたよ、いきなり話しかけられるんだもん」


「そうだ、奈月ちゃん達来てたよ」


「えっ!!? 今どこにいるの!!」


疲れが一瞬にして吹き飛んだ。


「えっとね、今出てるって言ってお昼頃にもう一度来てくださいって言っておいたよ」


「よかったぁ、じゃあもうひと頑張りしよっかな!」


「うん、よろしくね〜」


なつちゃんが来たっていうだけで私は一瞬にしてやる気が満ち溢れてきた。やっぱり私はシスコンなのかねぇ。

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