佐保姫一歳、筒姫二歳【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト 俳句の部】 

冬野 暉

佐保姫一歳、筒姫二歳

若き年たたと呼びたる舌の丈


寒風と踊る子に見ゆ白兎


真珠色の乳歯喰めり春苺


髪留めにはにかむ一歳ひとつの佐保姫や


春蜜柑絵本なぞりて摘み食い


春泥を蹴って伸びたり吾子の足


春曇はるぐもり撚りてズボンの裾を上げ


春愁や時短勤務の帰途長し


雛あられ涎まみれの指摘む


河津桜愛でる子の笑窪紅き


靴下の仔犬が駆ける春の野や


幼子の光輪に降れ降れミモザ


菜種梅雨子が差す傘右半分


薄赤き吾子の手温し春の夕


石鹸玉しゃぼんだま待て待てと追う子の背追い


春あした母は髪結い開店す


初めてのおはじき遊び春の露


晩春の泥を惜しみし児の爪や


りんりんと歌う帰途の風鈴草


疫禍に生まれし子が聞くお囃子や

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佐保姫一歳、筒姫二歳【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト 俳句の部】  冬野 暉 @mizuiromokuba

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