雨
勝利だギューちゃん
第1話
雨
恵みの雨
雨が降るから、生物は生きていける。
生命の維持には、不可欠な存在。
特に梅雨や、台風などは、まとまった雨が降る。
ありがたい。
それは、わかる。
わかるんだが・・・
「今日も雨か・・・」
部屋の窓から外を見る。
雨が降っている。
それも豪雨。
こんな日は、おうちでゆっくり過ごすに限る。
休みでよかった。
ジリリリ
電話が鳴る。
「もしもし」
「あっ、お兄ちゃん?私」
「私私詐欺ですか?」
「違う。かわいい妹の、沙織よ」
「俺に可愛い妹はいない。生意気で世間知らずで、そのくせ外面だけはいい、沙織なら知ってるけど」
「それが、私。いいから迎えに来て」
「なんで?」
「雨」
「やだ」
「いいから迎えに来て」
後々うるさいので、仕方なく行く。
傘はいらない。
ドアを開ける。
一気に青空が顔をだす。
太陽も輝いている。
沙織と落ちあい、家に着く。
途端にまた豪雨となる。
俺は晴れ男だ。
外に出ると、雨に濡れる事は一度もない。
沙織も、それは知っている。
「さすがお兄ちゃんだね」
「だまれ」
「人間、何か取り柄はあるね」
「だまれ」
俺は雨雲からは嫌われている。
雨 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます