第3話 第1節 帰り道

「それでは、この本を返しておきましょう」


リリアは言って、本棚に本を戻した。


「はい」


悠真は言って、同じように本を戻した。


「今日はとても勉強になりました。ありがとうございます」


悠真は言って、リリアに感謝した。


「どういたしまして。私もあなたの話を聞いて興味深かったです。あなたは本当に不思議な人ですね」


リリアは言って、微笑んだ。


「そうですか……」


悠真は言って、照れくさそうにした。


「それでは、学院に帰りましょうか」


リリアは言って、手を差し出した。


「はい」


悠真は言って、手を取った。


二人は手を繋いで図書館を出た。


外はすっかり暗くなっていた。


「もうこんなに暗いんですね……」


悠真は言った。


「そうですね。でも、心配はいりませんよ」


リリアは言って、杖を取り出した。


「浮遊!」


リリアの身体が宙に浮かび上がった。


「わっ……浮いてる!?」


悠真は驚いて声を上げた。


「ふふ……。空を飛ぶ時は、いつもこうしています」


リリアは言って、空へと舞い上がっていった。悠真の足が地面から離れた。


「わあ……」


悠真は感動の声を出した。悠真とリリアは夜の街を見下ろしながら飛んだ。


「気持ちいい……」


悠真は呟いた。


「そうでしょう?これが魔法の力ですよ」


リリアは言った。そして、学院へ向かって飛んで行った。


「うーん……」


悠真は目を覚ました。


ベッドの上で上半身を起こし、眠そうな顔でぼんやりしていた。窓から朝の陽射しが入り込み、部屋を照らしていた。


「悠真君さん、おはようございます。」


元気な声が聞こえてきた。


「おはよう……」


悠真は小さな声で返事をした。


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異世界転生したら生命エネルギーが溢れてきた件 輝星悠斗 @kiseiyuuto

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