第2話 第4節 魔法の本
「どんな本を探すんですか?」
悠真は聞いた。
「それはあなた次第です。魔法の本は、読み手の興味や資質に応じて現れたり隠れたりするんです。だから、自分が読みたいと思う本を探すのが一番です。」
リリアは言った。
「自分が読みたいと思う本……」
悠真は言って、周りの本棚を見回した。しかし、本があまりにも多すぎて、どれを選んでいいかわからなかった。
「迷ったら、こうするといいんですよ。」
リリアは言って、手に持っていた魔法の杖を振った。すると、杖の先から光の糸が飛び出し、本棚の中の一冊の本に絡みついた。
「これは何ですか?」
悠真は聞いた。
「この魔法の杖はあなたの心を読んで、あなたに合った本を見つけてくれるんです。」
リリアは言った。
悠真は光の糸に導かれて本棚に近づいた。光の糸が絡みついている本を手に取ってみると、その表紙には『魔法入門』というタイトルが書かれていた。
「これは……」
悠真は言った。
「これは魔法の基礎を学ぶための本です。魔法の種類や性質、使い方やルールなどがわかりやすく説明されているんです。あなたにぴったりだと思いますよ。」
リリアは言った。
「ありがとうございます」
悠真は言って、本を開いてみた。すると、本の中から色とりどりの文字や図形や絵が飛び出してきて、悠真の目の前で踊り始めた。
悠真は驚いた。
「これが魔法の本だよ。ただ読むだけじゃなくて、見せてくれたり聞かせてくれたりするんだ。魔法を感じることができるよ」
リリアは言った。
「感じることができる……」
悠真は言って、飛び出した文字や図形や絵に手を伸ばした。すると、それらが悠真の手に触れると、温かさや冷たさや柔らかさや硬さなどを伝えてきた。
「これは……」
悠真は感動した。
「これは魔法の力だよ。あなたも魔法を使えます。」
リリアは言った。
「本当ですか?」
悠真は聞いた。
「もちろん。この本を読めば、魔法の基礎が身につくんです。」
リリアは言った。
悠真は『魔法入門』に夢中になった。本の中から飛び出した魔法の世界に引き込まれて、悠真は時間を忘れてしまった。リリアは悠真の様子を見て、微笑んだ。彼女も自分の好きな本を手に取って、魔法の図書室で読書を楽しんだ。
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