第6話『入浴中のマッサージ』

 6月21日、水曜日。

 今日は優奈達と一緒に学校生活を送った。

 ただ、今日の優奈はいつも以上に上機嫌で。水曜日はスイーツ研究部の活動があるので機嫌のいいことが多いけど、今日の機嫌はとても良さそうだ。幸せそうにも見えることもあって。きっと、昨日、俺が選んだ下着を着けているからだと思う。昨日の夜にお風呂から上がったとき、ピンクの下着を着けていたし。

 大好きな優奈と隣同士の席になってから、毎日が楽しい。ただ、今日は優奈がご機嫌だからいつも以上に楽しく思えた。




「新しいブラジャーはとてもいい着け心地で、パンツの穿き心地も良かったです。なので、快適な一日でした」


 夜。

 お風呂に入るため、洗面所で優奈と一緒に服を脱いでいるときに、優奈は満面の笑顔でそう言った。今はピンクの下着姿になのもありとても可愛い。


「それは良かった。今日はずっと機嫌が良さそうだったのもそれが理由か?」

「そうですね。着け心地や穿き心地がとても良かったのはもちろんなのですが、和真君が選んでくれたものがずっと肌に触れているのが嬉しくて。なので、幸せな気持ちにもなれました」

「そうだったんだ。優奈らしいな。ただ、そう言ってくれると、新しい下着を選んで良かったって思うよ」

「ありがとうございます。これからも新しい下着を買うときにはよろしくお願いします」

「ああ、喜んで」


 女性向けの下着売り場に行くのは緊張するけど、優奈の下着を選ぶのは楽しかったし。それに、優奈が機嫌良く過ごせて、今もこんなにいい笑顔になってくれるから、今後も喜んで優奈の下着選びに協力しよう。


「それにしても、ピンクの下着は可愛いなぁ」

「ありがとうございます。ちなみに、替えはこの黒い下着です」


 そう言い、優奈は昨日購入した黒い下着を手に取る。


「おおっ、黒か。大人っぽいし、生では見たことがないから楽しみだ」

「ふふっ、楽しみにしていてくださいね」


 それから程なくして、俺達は全ての衣服を脱ぎ終わり、浴室に入った。

 優奈、俺の順番で全身を洗っていく。大抵はこの順番だ。

 また、お互いの背中は洗いっこして。優奈に洗ってもらうととても気持ち良くて。優奈も気持ち良さそうにしていた。


「優奈、入るよ」

「どうぞ~」


 柔らかい声色で優奈はそう言ってくれる。

 俺は湯船に入り、まったりとしている優奈と向かい合う形で浸かった。シャワーのお湯も気持ちいいけど、湯船の方がもっと気持ちいいな。気持ち良さそうにしている優奈の笑顔を見ると……もっと。


「気持ちいいなぁ」

「気持ちいいですよねぇ。体が癒やされます」

「癒やされる感覚……分かるなぁ。今日はバイトもあったから、お湯の温もりが体に沁みるよ」

「私もです。今日は部活があったからでしょうか。……あの、和真君。入浴中に申し訳ないのですが、肩のマッサージをしてもらってもいいですか? 今日の部活や昨日の体育などで疲れが溜まったのか肩が凝っていて。体を洗うとき、ちょっと肩に痛みを感じて」

「そうだったのか。もちろんいいぞ」

「ありがとうございますっ」


 優奈は嬉しそうな様子でお礼を言った。

 優奈の肩を揉みやすいように、俺は膝立ちの姿勢になる。


「じゃあ、優奈は俺に背を向けた状態で座ってくれ」

「分かりました」


 優奈は俺の指示通り、俺に背を向けた状態で正座する状態に。……うん、この体勢なら、優奈の肩を揉みやすそうだ。

 俺は両手を優奈の肩に乗せる。俺よりも先に湯船に浸かっているので、優奈の肩から伝わる温もりは結構強い。


「それじゃ、始めるぞ」

「はい、お願いします」


 今日も俺のマッサージで優奈の肩凝りを解消しよう。優奈の肩をマッサージし始める。


「んっ」


 揉み始めた瞬間、優奈はそんな声を漏らして、体をピクッと震わせた。


「痛かったか?」

「ちょっと。でも、気持ち良さが勝っているので、このままでお願いします」

「分かった。ただ、痛くて我慢できなかったら、いつでも言ってくれよ」

「分かりました」


 マッサージを再開する。

 痛みを感じると言っているだけあって、両肩ともなかなか凝っている。凝りがほぐれるまでやっていこう。

 優奈は肩が凝りやすい体質なので、一緒に住み始めてからは定期的に肩のマッサージをしている。ただ、こうして入浴中にマッサージをするのはこれが初めてだ。

 これまで、お風呂で髪を洗ったり、背中を流したり、それ以外にも肌を重ねたりするときに優奈の綺麗な後ろ姿たくさん見ている。ただ、入浴中のマッサージは初めてなので、優奈の後ろ姿を見てドキドキしてくる。


「あぁ、気持ちいいですぅ……」

「良かった」

「そういえば、入浴中にマッサージをしてもらうのは初めてですよね」

「そうだな。俺も同じことを考えてた」

「そうですかっ」


 ふふっ、と優奈は声に出して笑う。


「お湯も気持ちいいですし、和真君のマッサージも気持ちいいですから、何だかとても贅沢な時間を過ごしている気がします」

「それは良かった。マッサージしてほしいときにはいつでも言ってくれていいからな。それに、入浴中のマッサージって効果があるって言うし」

「ありがとうございます。これまで、疲れが溜まったときとかに、入浴中に肩や脚などを自分でマッサージしたことがありました。それも気持ちいいですが、今のマッサージが一番気持ちいいですね」

「嬉しいお言葉だ」


 妻を気持ち良くさせることができて嬉しいよ。

 今日の学校のことなどについて話しながら、優奈の肩をマッサージしていく。

 時々、優奈は「あぁっ」とか「気持ちいい」といった声を漏らして。それはいつものマッサージと変わらない。ただ、今はお互いに裸だから、何だか肌を重ねているような感じがしてきて。浴室で優奈の声が響いているのも相まって凄くドキドキする。


「優奈。肩の凝りがほぐれたけど……どうかな?」


 優奈と話しながらマッサージをしていたので、気付けば優奈の肩にあった凝りがほぐれていた。なので、優奈の両肩から手を離す。

 優奈は両肩をゆっくりと回す。さあ、凝りはほぐれているかな?


「凝りがなくなりました! スッキリしました」


 優奈は弾んだ声でそう言うと、ゆっくりと俺の方に振り返ってくる。スッキリできたからか、優奈は可愛い笑顔で俺を見つめてくる。


「ありがとうございます、和真君」


 お礼を言って、優奈は俺にキスしてきた。

 湯船に浸かりながらマッサージしたのもあり、いつも以上に優奈の唇が温かく感じられて。湿っていてふっくらとした感触が心地いい。

 数秒ほどして、優奈の方から唇を離した。すると、目の前で優奈がニコッと笑いかけてくれて。そのことでさらにドキッとさせられて。気付けば、優奈のことをそっと抱きしめていた。


「か、和真君?」

「……お互いに裸の状態でマッサージしたのは初めてだったし、マッサージしているときの優奈の反応が可愛くて。それに、優奈にお礼のキスをされたから……凄くドキドキして。だから、優奈と……えっちしたいな気持ちになって。どうかな?」


 優奈の目を見つめながらそう言った。えっちしたいと言ったし、今も脚がお湯に浸かっている状態なので体が凄く熱くなって。

 優奈は嬉しそうな笑顔になり、


「誘ってくれて嬉しいです。しましょうか、和真君」


 優しい声色でそう言ってくれた。


「ありがとう、優奈」

「いえいえ。和真君に誘われてキュンときちゃいました。それに、私も裸の状態でマッサージされたことでドキドキしていましたから」

「そうだったんだ」

「はいっ。……ここでしますか?」

「そうだな。浴室でしたことはあまりないし」

「分かりました。……この後のえっちで、Gカップになった私の胸を堪能してください」

「分かった」


 俺がそう言うと、優奈は両手を俺の背中の方に回してくる。その流れでGカップの柔らかい胸を押し当ててきて。そして、優奈からキスをした。




 浴室には避妊具がないので俺が部屋から持ってきて、浴室の中で優奈と俺は肌を重ねた。

 これまで、浴室でしたことはあまりないから新鮮で。全身がお湯で濡れ、とても温かくなっている優奈の体はとても素敵で、気持ち良くて。

 Gカップになった優奈の胸は今まで以上に大きくて。柔らかくて。とても温かく、ボディーソープの甘い匂いが濃く感じられるから本当に心地いい。優奈の胸が好きだなって改めて思う。

 また、優奈が積極的に動くときもあって。普段は大人しい方だから、肌を重ねると毎回、このギャップがいいなって思えて。

 肌を重ねる中で、俺達はたくさん「好き」とか「気持ちいい」といった気持ちを言葉で伝え合った。




 肌を重ねたら体が結構熱くなった。なので、全身を洗った後は湯船に浸かることはせずに浴室から出た。洗面所の空気が涼しく感じられてとても心地いい。

 俺達は体や髪をバスタオルで拭き始める。


「お風呂に入って、マッサージしてもらって、えっちして。とても気持ちいい時間でした」

「嬉しいな。俺も気持ち良かったよ」

「良かったです」

「あと、浴室でするのもいいな。優奈の体がいつも以上に温かくて気持ち良かった」

「嬉しいです。私も和真君の体が温かいのが良かったですね」


 優奈は朗らかに笑いながらそう言った。

 これからは、浴室で肌を重ねることが増えるかもしれない。


「和真君。私の胸はどうでしたか? 堪能していましたが」

「凄く良かったよ。Gカップって分かったから、今まで以上に大きく感じられて。柔らかいし、入浴中でかなり温かいから心地良くて。優奈の胸が好きだなって改めて思ったよ」

「ふふっ、そうですか。そう言ってもらえて嬉しいです。ありがとうございます」


 ニッコリとした笑顔でそう言うと、優奈は俺にキスしてきた。肌を重ねているときにいっぱいキスしたけど、優奈とのキスは何度してもいいなって思う。

 バスタオルで髪や体を拭き終わった後、優奈は昨日の放課後に購入した黒い下着を着ける。井上さんが送ってくれた写真を見たときにも大人っぽいと思ったけど、こうして実際に見るとよりその印象が強くなる。入浴と肌を重ねた後で肌の血色が良くなっていたり、ボディーソープやシャンプーの甘い匂いが濃く感じられたりするので、とても艶っぽく感じて。


「よく似合ってるな。大人っぽくて、艶っぽさもあって素敵だよ」

「ありがとうございますっ」


 優奈は嬉しそうな笑顔でお礼を言った。それもあり、下着がより似合う印象に。

 エアコンをかけて涼しくした優奈の部屋で風呂上がりのルーティーンをこなした後は、アイスティーを飲みながらアニメを一緒に観る。浴室で優奈と温もりを感じ合うのもいいけど、こうして涼しさを感じながら優奈とゆっくり過ごすのも好きだなぁと思った。

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