「お疲れさま」 「ちょっと質問いいですか?」 カバン持ってるの見えませんかね
「お疲れさま」
「ちょっと質問いいですか?」
カバン持ってるの見えませんかね
時計を見ると、18時過ぎ。
定時を過ぎて作業も一段落したので今日は早めに帰ろう。
さっとデスクの周りを方付けてリュックを背負う。
「じゃあ、おつ──」
同僚に挨拶をして帰ろうと思ったら、こちらにめがけて早足で向かってくる奴がいる。竹本くんだ。(2話参照)
内心、しまった、と思った。気づかないふりして行けばよかったのに。
「島本くん、ちょっといい?」
「いや、もう帰るとこだけど……」
「そうなんだけど、お願い」
これみよがしに背中のリュックを見せつけてみるが効果はなかった。
「この在庫システムのこの商品なんだけどね」
最初は立ったまま聞いていたものの、終わらなさそうなので座る。しまいには、パソコンも再度電源を入れてデータベースに接続するのだった。
「ありがとう! 助かったよ!」
竹本くんは笑顔で去っていく。
もちろん、彼の依頼は急ぎの仕事ではなかった。
<明日に回さない>
今日できることは明日に回すな。
昔はよくこう言われて仕事をしたもんです。
けど最近では、明日できることは今日やるな、とも言うよね。どっちだよ!
竹本くんの依頼は明日に回すと自分の予定が狂いそうなのでやむなく、といった感じですかねー。
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