OVERTIME おまけ
💰チトセの日記①
MFブックス10周年記念小説コンテストの締め切りまでもう少しあるので、おまけ連載『チトセの日記』を更新します。
おまけなので、文字数も少ないです。
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信じられないことの連続だった。
学校から家に帰ってたら、突然キラキラした光に包まれて、気がついたらオリに閉じ込められてて。さすがのボクもテンパった。
逆にテンパらずにスンってしてられる人がいるなら見てみたい。
なんか怖い顔をしたおじさんが、知らない国の言葉で話しかけてくるし。
ぜんぜん意味わかんないからガン無視したけど。
夢かな。
夢だろうな。
そう思ってほほをつねってみたけど、目の前にあるオリは消えたりしなかったし、おじさんの声はだんだん大きくなった。
寝て起きたら、もしかしたら部屋の天井が見えるんじゃないか。
そう思って目をつむったら、そのまま寝てしまった。
だって学校帰りだったんだもん。
疲れていたんだからしょうがない。
気絶は寝たうちに入らない。
次に目を開けたら、青い髪の男の子が格子の向こうからボクに声を掛けていた。
しかも日本語で。
ダリスって名乗ってたけど、元日本人なんだって。
本当に意味がわからない。
その子が言うにはボクは異世界に飛ばされたらしい。
意味がわからなすぎて涙が出た。
男の子のビジュアルは……まあ、合格ライン。
だけど、会話からほとばしるオジサンくささでマイナス100点。
取引を持ち掛けられたんだけど、あれはひどかった。マイナス1000点。
でも、鑑定とかいうギフト?
を持っているらしく、それによるとボクはめちゃくちゃ強いんだって。
で、彼はめちゃくちゃ弱い。通信簿ならオール1。
だから自分の代わりにモンスターを倒してくれって。
初対面の女子高生にそんな危ないことを頼むおじさん、正直どうかと思う。
黒くて硬くて大きな剣を買ってもらった。
なんだかすごく軽くて発泡スチロールでできてるのかと思った。
あとレザーでできた鎧みたいなやつも買ってもらった。どんな動物の革なのか……気になる。
それにしても、この右手にある奴隷のしるし。
もし今すぐ元の世界に帰れるってなっても、これが消えるって保証ないよね。
下手すると、ボクは右手に一生消せないタトゥーを負って生きていくことになるのでは?
ダリスもなんだかんだ言って奴隷から開放してくれるつもりはなさそうだし。
控えめに言ってサイアクだ。
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