不沈監獄絶望島
@k0905f0905
第1話
蠅が一匹目の前を飛んでいた。
風は全く吹いていない。
蠅の羽音に耳を傾けながら、和馬十四郎は
五月蠅い蠅の羽音だけを消そうと
蠅を凝視していた。
「№67542。出ろ」
看守がやってきてカギを小うるさく鳴らして
開けた。
ここは絶望島第十二分室。
異世界の海に浮かんだ要塞のような島だった。
ここには主に政治犯が収容される。
十四郎の罪は国家転覆を想像しただけという
むちゃくちゃなものだった。
十四郎は正真正銘、全知全能の神ゼウスの
末裔でその能力をすべて受け継いでいたが
それでもこの監獄には全く歯が立たなかった。
十四郎は気だるそうにゆっくりと立ち上がると
採光窓から差し込む光に眼を遮らせながら、
廊下に出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます