落ちこぼれ、美少女を家に持ち帰る。
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どこからかくる優しい歌声。聴いたことが無いのに、心に響いてくる。どうしてだろう。
ここはどこなの? 分からない。不安が沢山横切る。確か、覚えているのは………突然謎の建物が地上から出てきて、地面は割れて落っこちて……。
世界が一変した瞬間が最後の記憶。
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………誰の歌声なのなしら。素敵な歌声。今はこれに耳を傾けたい。
きっと目が覚めたら全てが変わってる。Y○u tubeはあるかな。目指した夢はまだ続けられるかな。
「…………? これ知ってる。知らない天井だ」
「俺も知ってるよ。エヴァンゲリ○ンだろ? でもあの作品破とQの間の作品がまだ見つかってないんだよね」
病院では無いことはわかる。どこかのマンションの一室?
横を向くと中年? のイケメンが居た。クリス・○ラットに似ている。キッチンで料理をしているようだった。私は布団ではなく大きめのソファに寝かされていた。毛布一枚がかけられている。
「ソファで悪いね。客なんて招き入れないと思ってたから寝室は物置にしちゃってるんだ。お腹すいた? お粥作ってるからもうちょっと待ってね。あ、暇だったらそこにウォークあるから好きなの聞いて良いよ」
上半身だけを起こすとテレビの横にスピーカーに接続されたウォークマンがあった。流れている曲は夢で聴いたのと同じ。でも知らない曲。それよりもいったい何が起きたのか知りたい。
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「あんま気にしなくて良いよ〜」
「……あの、ここは」
「ここ? ニューヨーク」
「……え?」
アメリカ? 私は日本にいたはず。荻窪で、そこから運ばれた? 海を渡って!?
「嘘!? ちょっと待って! 私は日本にいたのよ!?」
「なんだって!? 日本ってあの日本か!? あんな地獄から来たって言うのか!?」
「地獄………」
一瞬にして崩壊するビル。持ち上げられた地面が落下して人々を下敷きにする。確かに地獄だった。
「あれって、何なの?」
「あれって?」
「あの急に現れた建物のこと!」
「あのってどの建物のこと?」
「だから地面から急に出てきたやつ!」
「ダンジョンの事か!? そんなもんたまに出てくるだろ誰でも知ってるぞ!?」
「え………」
意味がわからない。ダンジョン? つまり私は小説とかでよくある世界に来たってこと?? それよりも、まるでダンジョンが現れることが当たり前みたいに……慣れている感じがする。良く見たらあのウォークマンはS○NY製だけどそれ以外は聞いたことも見たこともないロゴの入った物ばかりだ。この毛布も【モフモウフ】とロゴが入ってる。
「ねぇ……いま何年?」
恐ろしい事を聞かずにはいられない。
「720年だけど?」
「じゃなくて西暦」
「西暦? そんなの知るわけ無いだろももう何百年も使われて無いんだぞ?」
「何びゃ……」
じゃあ今いる私は何なの? 転生?
「……なに……これ」
さっきから耳に違和感があると思ったら顔の横じゃなくて上にある。お尻に触れてみると明らかに尻尾があった。
想像してしまった。鏡を探す。男性の人が何か言ってるけど、確認せずにはいられなかった。手当たり次第に扉をあける。洗面所に来るとそこに写っていたのは私じゃなかった。
明るいベージュ色の髪の毛に馬耳。整った美しくも可愛らしい顔立ち。服の上からでもわかる華奢な体型。
私は私じゃ無くなっていた。
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