悪魔に売ったもの

Rotten flower

第1話

財布の中は空っぽ。失業して一ヶ月、もうそろそろ俺は天に召される頃なのだろうか。特に何も愛することはなく、ただただ平均的かそれ以下の生活をしていた。それで満足していたのだ。

生活する際に必要な家賃、光熱費、水道代は払った。あと、親に「払っておけ」と言われていた携帯電話料金も一応だが払っておいた。親曰く、「何かあったときに役に立つから。」だと。

そんなものが払えなくなってしまい、家を追い出されてしまったが親は何故か俺の携帯電話料金だけ払ってくれていた。まぁ、何の役にも立たないが。


俺の友達が変なアプリを見つけたらしい。「デビルオークション」だと。何でも売れるアプリなんだと。

誰もが不審なアプリだと思うが、俺は友達と別れたあと、一瞬でそのアプリをダウンロードしてしまった。まぁ、一瞬覗いてみるぐらいなら大丈夫だろう。

アプリのデザインは白と黒のシンプルなデザインだった。

色々な商品が売っていた。でも、なぜか入札ができない。新規登録しても同じだ。きっとそういうシステムなのだろう。まぁいいや。そう思うと、いつの間にか俺の指は「出品」ボタンを押していた。

最初に自分がたまたま持っていた「筆箱」を出品してみた。時間は10分、最初の価格は1円にした。かなり早く入札が入った。

結局300円で売れた。でも、どこに発送すればいいのかわからなくカバンの中を適当に探して新しい出品物を探そうとしていたが、筆箱が無くなっていた。


その後、俺は色々なものを売り始めた。売れたら、勝手に財布の中に入っている、しかも、手数料無しに。だ。


カバンを売った後は服を売り始めた。徐々に売れるものが無くなることに焦りを持ち始めた。


俺は、「命」を出品することにした。時間は3日、最初の価格は1000000円にすることに。


2日後、スマホに通知が来た。デビルオークションに関する通知だ。


「1000000円は高くないですか?1000円にしてください。」

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