ネタ装備を集めることにした
さーてこれから楽しいゲーム生だ〜はじまりの街はいった…………ここどこ?
「やった! ついに一万人目だ。やっと解放されるんだ!」
周りの空間にさきほどと大きな変化はなく、目の前にいる人物のこの喜びよう……
「まさか」
「そう! そのまさかだ! まだキャラクター設定は終わってないのさ。あと変なこと考えてないでさっさと終わらせちゃうよ! さっきと同じようにモニターをいじって設定してね」
えっと職業は……
―――――――――――――――――――――――
○冒険者 〜その他〜
○戦士 ○ボッチ
○武闘家 ○ちくわ
○魔術師 ○アーティスト
○生産者 ○盗賊
○商人 ○遊び人
○村人
※冒険者とその他以外は上位職あり
―――――――――――――――――――――――
うん、やっぱりいくつかふざけてるなぁ……うんと、これは冒険者かな?
ほとんどの場合冒険者はすべての職のスキルが手に入るってのが定番だしね!
『最弱性だけどなんだかんだ最強』的なラノベもいくつがあるし。
冒険者にしよう!
ピロン♪
《称号【スルー】を獲得しました》
「い、今の何!?」
「あ〜、もしかして【スルー】を獲得しました?」
「あ、ハイ」
「いや〜実はこの称号、ネタを二度スルーした人に与えられるものなんですよ。多分なぞ職業にツッコまなかったんでしょ」
す、すごい! まさかちょっと驚いただけで何が起こったか当てるなんて…………鼻ほじってるけど。
「いやぁ〜そんな尊敬の眼差しを向けちゃって〜、だてに一万人…………一万人…………ううぉぉぉぉおおおお」
だ、だだだ、大丈夫? さっきまで機嫌良かったのに急に泣き出して……そっかノルマ達成がそんなに……
「なんで! どうして、一万人も相手して一人もかわいい女の子が来ないんだよ! 可愛くなくても良いから女の子に来てほしかった。毎回毎回おっさんばっかで! 『ついにおっさん以外が』なんて思ってたら男子学生って……男子校十二年の末に出所したばっかなのに!」
はぁ!?
「僕の、僕の期待を返せ!」
「ふざけんな! 僕にはなんの責任もないだろ! 勝手に期待して、勝手に落ち込んで、何がしたいんだよ」
「うるさいなぁ……職業選択も終わったしさっさと行っちゃえよ!」
そして、たぶん今度こそゲーム生が始まるかもしれない…………気がするのだった。
☆☆☆
さて、はじまりの街は一体どんな所かな〜♪
「おい! 遅いぞ! ゆーき。(´Д`)ハァ……私のほうが十分も後にログインしたのに五分間も待たされるなんて…………てか作者! 文字数稼ぐためだとはいえ顔文字は使うなよ!」
ハハッ、リオがまた変なことを言ってるよ。
作者ってなんのことだろう?
「しかたないだろ! キャラ設定で変な人しか出てこなかったんだから」
「そうか…………お前、ハズレのペアひいたのか…………まぁ、いいことあるって」
や、やめて! そんな悲しいものを見るような優しげな視線はやめて!
「そうだなぁ、それじゃあハズレペアをひいたゆーきに、いいものをやろう! テッテレ〜モモ毛モ・毛モモ」
リオは毛むくじゃらなさやに入った漆黒の刀を出す。
「いやぁ~実はこれランク
時々、リオがチラチラこっちを見てくるのは多分気のせいだろう。それにランクSの武器か……一体どんな能力なんだろう。
「わぁ〜! ありがとう! お姉様。ところでこれってどんな能力?」
「おい、お前こうゆうときだけお姉様扱いするのやめろよ。まぁ、お礼を言いたいのはこっちだよ。その剣さぁ、能力が相手の毛の長さと髪質を変えるだけの能力で要らないし、他人への譲渡以外で手放すことできなかったから邪魔だったんだよね〜」
はぁ!? いや、で、でも攻撃力が高いとかそういう……
《モモ毛モ・毛モモ ランクS 名前の通り毛に関する能力(毛の長さと髪質を自由に変える)を持つ。ステータスに補正は一切かからない ※売買不可》
「ふざけるな⁉ てめぇなぁ! 僕の感動を返せ!」
「はっ! これは後で殺されるパターン。い、いやぁ〜、実はこれはおふざけで本当は別の物があるんだよ。しかも全部ランク
おい! 最初の方もちゃんと聞こえたぞ。
まぁ、受け取るんだけどね。どんなのかな〜♪
リオは猫の模様がほってある杖と、茶褐色のスーツ、そし
て、頭ほどのサイズの金の輪っかを出した。
《キャッ杖 ランクS 一日に一時間だけ一匹の猫(犬のものも存在)と話せるようになる。ステータスに補正はない
※売買不可
G・スーツ ランクS 一日三十分だけゴキブリの姿になる(サイズはそのまま)。ゴキブリの間だけ生命力がキモいほど上がる。※売買不可
天使の輪っか ランクSこれを装備して死ぬと一度だけ天界に行くことができる。もちろんステータス補正はない※売買不可》
「…………ふざけんなぁ」
「ちょ、ちょっと待って! この装備はプレイヤーの間でネタ装備って言われてて、今は欲しがるプレイヤーが一人もいないんだ! そこでそのガラクタたちをユーキが全部引き受けたらどう? UTOPIAの世界で人気になれるよ!」
「人気者……」
「そ、そう! 人気者!」
たしかにいいかも……そしていつかは有名人に……あはは
「……何笑ってんの? 気持ち悪い……で、どうする」
「僕、そのネタ装備を集めることにするよ」
「そっか、それじゃあこれもお願い」
そして、リオはニコニコ顔で瓶に詰められた緑色のなにかを渡したのだった。
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