あなたの選択でEDが変わる、アリスと過ごす素敵な夢でASMR

黒ノ時計

第1話 ここは夢の中、アリスの屋敷にご招待

(注):()は環境音、(※)はあなたの台詞です。


(あなたは、ふと目を覚ますと左右に赤い薔薇が咲き誇る庭園に立っていた。そこから、まっすぐ伸びる道の先を見てみると、厳かな女神像の噴水の先に西洋風の大きな館が立っていた。そして、あなたが目をパチリと瞬きをさせると、プラチナブロンドヘアーの女の子が立っていた)


「いらっしゃいませー。ようこそ、アリスの館へ」


(※アリスの館?)


「そう、ここは言わば……。夢の中。あなたは今、夢を見ているの。そして~、私はあなたをこの夢に招待した張本人ってわけ」


(※その格好は?)


「え、この服のこと? そんなに珍しい? まあ、そっか。あなたたち、現代人からすれば、こういうメルヘンチックな衣装はコスプレみたいなものだものね。じゃーん、アリス風の衣装でーす! 青い生地にフワフワのスカート、縞々の靴下、頭には兎耳みたいにな黒いリボン、私の首から下げた懐中時計は兎さんがいないからその代わりかな。どう、似合う?」


(※似合ってるよ)


「わあ、ありがとう! やったー! 褒められたー! ふふ、何だかんだ言って、誰かにこうして会うのも、こうやって服を褒められるのも随分久しぶりだから嬉しいよー。ささ、そろそろ立ち話も何だから、私の屋敷に招待するよ」


(※良いのか?)


「良いに決まってるよ。だって、元々は私があなたをこの世界に招いたんだから。それに、さっきも言ったけど、この世界は夢だから。大幅な改変は無理でも、ある程度のことは自由にできるよ? お茶もお菓子も用意してるけど、絶対に無くならないし、お腹いっぱいになることもない。時間を忘れて、ゆっくり、ゆっくり過ごすことができる」


(※明日も仕事があるんだが、帰れるのか?)


「え、明日も仕事がある? 帰れるのか? もちろん、あなたが望むのなら帰ることだってできるよ? 目を覚ませば、きっといつもの朝が訪れる。でも、それまでは仕事のことや、日常生活のことを忘れて、ここでしか楽しめないことに没頭しようよ。余計なことを考えないのが、この世界の一番の楽しみ方だよ? どうする? あなたが嫌だって言うなら、もう帰ることもできるけど……」


(※せっかく呼ばれたなら、夢の中でくらい、ゆっくりしていきたい)


「ゆっくりしたい、か。現実世界も、かなり大変みたいだね。そういうことなら、アリスにお任せ! ささ、行こう! 私の手を取って? あなたを屋敷へごしょうた~~い!」


(あなたはアリスに手を引かれ、鳥の囀りや噴水から湧き出る水のせせらぎをBGMに、彼女の鼻歌を聞きながら屋敷へと招かれた)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る