名月や 鶏むね肉を 買う人よ

【季語】

 名月……旧暦の8月15日の月のこと。一年の中で最も月が綺麗に見えると言われています。「十五夜お月様」と言ったほうがわかりやすいでしょうか。


【筋肉解説】

 今回のテーマは「筋肉やマッチョという言葉を使わずに、いかに筋肉を表現するか」というものでした。というのも、どうやらうちの娘たちにとって俳句は、「ちゃんとしていないといけないもの」であり、筋肉だのマッチョだののフレーズが俳句に入り込むことは「ふざけているもの」と認識しているようなのです。いや、実際ふざけているんですけど……。


 満月の夜。鶏のむね肉を買って帰る人がいます。ただそれだけの俳句です。ですが、「鶏のむね肉を買う」というところにのです。

 唐揚げには鶏のもも肉が好まれます。じゃあ、どうしてこの句の人物は「鶏のむね肉」を買ったのでしょうか。そうです、マッチョだからです。むね肉はもも肉に比べて低脂質、高タンパクです。マッチョは好んで「鶏のむね肉」を食べるのです。いや、もしかしたらこの人はマッチョの妻で、家でトレーニングしているマッチョのために鶏のむね肉を買って帰るんだ、と解釈する方もいるでしょう。そこらへんは読者の皆様の想像にお任せします。そういった解釈の自由さをも持ち合わせているのがこの句の特徴です。

 

 そこに満月が明るく輝いています。まるで鶏のむね肉を買って帰るマッチョにスポットライトを当てるかのように。


【娘(姉)の査定】

36点。凡人。鶏のむね肉にマッチョ心を感じることはありません。


【娘(妹)の査定】

73点。才能あり。筋肉やマッチョを使わずに書いていたので、次からもそうしてください。

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