惑星ティーガーデンb情報生物によるデータ記録

――惑星ティーガーデンb情報生物によるデータ記録

 サーバー管理用の惑星ティーガーデンbに、他の惑星系から炭素系生物が侵入した。

 他の知的生命体の作り出した実験用バイオロイドの野生化個体であると思われる。

 その生物は、物理サーバー管理用に生成したバイオロイドに改造を加え、保守作業以外の行動をさせているようである。

 管理用バイオロイドの数が調整の範囲を超えて増殖しており、惑星内の生態系に影響を及ぼすほどになっているのが確認された。

 ハイブマインドによる試算によると、この惑星でのサーバーは百年以上二千年以内に性能を維持できなくなり、バイオロイドも三千年以内に絶滅することが確定的である。

 銀河連邦政府の条約第119207条により、低次生物による破壊・侵略行為は放置することが推奨されるため、我々は速やかにデータを移行し、サーバー管理用惑星ティーガーデンbを破棄することを決定した。

 また、侵入してきた炭素系生物も、高次生命体に進化することはできず、同じく三千年以内に絶滅することが確定的であるため、引き続き観察対象とはしないことも同日、決定したことを付記する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る