人道的支援

第一次人道支援医師団報告、ＭＳＦ１－２６５４０６０５

――第一次人道支援医師団報告、ＭＳＦ１－２６５４０６０５

　ティーガーデン星系惑星ｂの知的生命体は、不自然なほど地球人と似通っている。

　遺伝子レベルで９９．９９８％の同一性が見られることが判明した。

　ただし、成人までに要する期間が地球時間で一年弱。成人後の老化開始までの期間が同十年。老化開始後から死亡までの期間が同一月という、短縮された寿命に大きな差異が見られる。

　群れの規模は約五千人と、比較的小規模である。

　文明としての特徴として、彼らの短い寿命は文化レベルを低い水準に保っている。

　十年の寿命の中で、平均２名の子を育てる。

　それ以外の時間は穏やかに自然を楽しむ程度である。

　寿命が短い以外に彼らの幸福度、および健康度はおおむね良好だが、我々医師団の検査により判明したのは、彼らの死は彼ら全員が有しているウイルスによる感染が原因であり、ウイルスを除去さえすれば、老化が始まってからも十年以上寿命を延長できる可能性が高いということであった。

　また、薬剤の投与により、急激な成長に伴う成長痛も抑えることができ、低い出生率も改善させることが可能であると結論付けた。