エテルの善性と悪性
「ということであの3人を騙して利用することは辞めろ」
ロンドはそう言った
「目的のためには多少の犠牲も必要だ。しかもあの3人は裏切られても崩壊しない。犠牲は本当に少ない」
それにジャンヌはそう返すが
「お前という人格にとんでもないダメージが来るぞ」
ロンドははっきりとそう言う
「私の心?そんなものはなから捨ててるに決まってるだろ?」
「、、、お父さんが悲しむぞ?」
「っ、、、親父だって私に黙ってたんだ。私だって」
「ジャンヌ」
(なんでこんなことに、、、メルトはこんなことのためにジャンヌに夢を与えたんじゃないんだぞ!)
ロンドが顔を顰めてそう考えていると
「せめて私ぐらいには寄りかかってください」
扉の奥からエテルの声が聞こえた
「「え?」」
ガチャン
「ロンドさんに私も一つ聞きたいことがあったので戻って来たのですが、、、やっぱりお二人の会話内容はジャンヌの計画の話でしたか」
部屋にはいったエテルはそう呟く
「ああ」
ロンドは少し警戒してそう肯定する
「エテルは理解してくれるだろ?それに、、、エテルの目的も果たせる。完璧とは言わないが素晴らしい計画だろ?」
ジャンヌがそう言うと
「この国では素晴らしいという言葉はクソって意味で使われるんですね、、、面白い文化だな」
エテルは心底蔑むような目でそう言うのであった
「「なっ!」」
その言葉に2人は唖然とした
「自分1人が犠牲になって見ず知らずの民を救う。まさに聖女ですね。でもそれは9を救って1を捨てることになりますよ」
「え?」
「貴方の仲間は貴方が犠牲になって手に入れた平和な世界で一生苦しむことになりますよ」
「、、、」
ジャンヌは言葉を発せれない 図星だからだ
「超自己中心な奉仕性って聞いてたが、、、なるほどこういう感じか。さすがベルフェさんの娘だな」
そしてロンドはそう呟いた
「、、、早く記憶を取り戻したいものですよ。本当に」
エテルはそう呟いた
「、、、俺はエテルちゃんの母親も父親も知ってる」
「っ?!本当ですか?!」
「ああ、、、ただ」
「ただ?」
「知らない方が良いだろう。特に母親は」
ロンドはそう言う
「、、、それは何でですか?」
エテルが問うと
「確実に苦しむことになるうえ、、、何も生まない」
ロンドはそう答えた
「、、、」
(色堕の眼で力づくで話させるか?)
先ほどのエテルとは別人かと思うほど苛烈な手段を考えるエテル
だが
「それに、、、話そうとした瞬間にベルフェさんにぶん殴られる」
ロンドはそのことを知ってか知らずかそう言った
「は?私風情に、、、とはもう言いませんがこんな魔国と真反対の場所にあの方が来るわけ」
「ベルフェゴールとアスタロトの転移で一瞬だろ?」
「ずっと私のことを見てるわけないでしょう。話そうとした瞬間になんて」
エテルは笑う
「、、、あの人って結構かっこつけることが多いんだよ」
「は?」
「そんなあの人の決め言葉にこんなのがある」
ロンドは言う
「その眼でどうやって俺を支配する気だ?」
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