子供祭り

「銀貨10枚、、、すごい稼ぎね」

レラジェはそう呟く

「私も驚きです」

「流石ヤマトの名家の長子ね、、、今日も止まっていくの?」

「今日出ていくそうです」

「そう、もう少しでだからそれまで残ればいいのに、、、誘ってみたらどうかしら?」

レラジェがそう言うと

「誘ってきます!」

アリアは急いでカエデの方へ向かった

「あらあら、、、思えば友達というものをあの子は居なかったからね」

(カエデさんが友達になってくれればいいのだけれども、、、あの子をこの町から出すわけにもいかないし)

レラジェは苦しそうにそう言いながら愛娘アリアの背を見つめるのであった



ガチャン

「カエデちゃーん!」

「うわぁ!アリアどうしたんだ?」

突然入ってきたアリアにカエデは驚く

「もうすぐ子供祭りって言うお祭りが近くの大きな街のバランで開催されるからそれまでここに泊まらない?」

アリアがそう言うと

「え?あー、、、」

カエデは少し考えこむと

「凄く魅力的だし私は祭りが大好きだし、、、うん!その提案に乗らせてもらう」

そう笑顔で答えた

「やったー!」

「お祭りかー、、、楽しみだな。子供祭りって言うのはそう言う物なんだ?」

カエデがそう聞くと

「数年前に近くの町で魔教司教が児童売春を行っていたんだけどそれにブチぎれた憤怒の大罪司教が町ごとそれを消し飛ばしたっていう事件があってね、それは憤怒の鉄槌事件って言われてるの。そして今のバランの大司教が二度と子供が犯罪に巻き込まれないようにと願うと同時に二度とそんなことを起こさせないためにっていうお祭りなの。暗に憤怒の大罪司教を称えることになるから一部から不満が出てるけど、、、私はその考え自体は好きだけど大司教が嫌い」

アリアはそう説明した

「なるほどね。というか大司教嫌いなんだな」

「うん!」

「そ、そう」

カエデはアリアの勢いに押された

「祭りまではあと4日だからそれまではゆっくりしていてね。クエスト行くなら一人でね。私はもうクエストは受けれないから」

「え?なんでだ?」

アリアが不思議そうにそう聞くと

「私が冒険者として活動する時の約束で週に3日しかクエストは受けないって言うのがあってね。今日ので3日目だったのよ」

カエデはそう答えた

「なんでそんな決まりが?」

「私が無理しないようにだって」

「あー!!」

(レラジェさん素晴らしい方だな)

カエデはレラジェの人徳の深さに尊敬を覚えた

「私、お祭りまではどうしようかな?」

そうアリアが呟いた瞬間だった

「だったらカエデさんに色々とお話を聞いてみたらどうかしら?」

アリアの後ろからそう声が掛けられた

「え?院長」

「扉を閉めて話しなさい。声が駄々洩れよ」

レラジェは呆れた様子でそう言う

「カエデさんは聡明な方だし名家のご出身だから色々と話が聞けるはずよ。さっき魔教司教の話が出たけれども少し前にヤマトでエレボスがワァラクを倒して救ったって言う、悪魔術者同士の戦いがあったらしいから」

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