独奏

エーテル王国、それはこの世界の5大国の1つであり大陸の東に位置する商業と工業が豊かな国である

そんな国の南に位置する小さな街・サタナエル その近くの森に1人の少女が居た


「はっ!」

スパン

「ギャ!」

白髪の少女が放つ一閃が1体のオオカミのモンスターを切り裂く

「「ギャャャ!」」

それを見て仲間のオオカミ達も襲いかかってくるが

「エナジースラッシュ!」

スパンー!

「「ガァ、」」

全員を一閃で切り裂く

「ふー!数が集まって助かるわ」

そう少女は言うと切り裂いたオオカミの皮や牙を取っていく

「ギルドの依頼内容はフォレストウルフの牙が200本に皮が20㎡。あとトレントの体が20本の収集。フォレストウルフはもう探さなくて良いわね。トレント探して道中で売れそうなモンスターが居たら倒す感じでいいか」

そう言いながら少女は森の奥に進んでいくのであった




4時間後

「ふー。終わった終わった。まさか精霊の涙なんか手に入るなんて運が良かったわ」

ギルドの依頼の品を集め終えた少女はサタナエルの街に戻ってきた

「おー、アリアおかえり」

「怪我してなさそうだな!良かった良かった」

「品物にならない野菜とか後で送っておくから食べなさいよ」

少女改めアリアは街の皆から温かい声をかけられる

「ありがとうございます!」

その声にアリアは元気よく笑顔で返す






ギルド

「アリアちゃん!これが買い取りのお金。丁度数が少ないものも多かったから色付けておいたよ」

「ありがとうございます支部長さん!」

この物語の主人公であるアリアはそう言ってお金を受け取った

「それにしてもまだ13なのにB+ランクとはアリアちゃんの将来は有望だな」

初老のギルドの支部長がそう言うと

「私は天才冒険者で孤児院のお姉さんですからね!」

アリアは明るく自信満々に言う

「はは。孤児院の件がどうにかできればすぐにでも王立騎士養成学校への推薦をするのに」

そんなアリアを見て支部長は悲しそうにそう言う

「もうすぐで私以外も本格的に働けるようになりますから大丈夫ですよ、、、それに仮に孤児院がどうなっても私は孤児院で一生を終えたいんです。院長を継いで、、、良い人が居たら結婚して。そんな小さな幸せで良いんです」

そんな支部長にアリアはそう返した

「そうか、、、それでこの後はどうするんだ?」

支部長は少し顔を暗くしながらも話を変えるようにそう聞く

「孤児院に戻って院長のお手伝いでみんなのごはん作ります。春なので冬越えした野菜がおいしいのでみんな喜んでくれると思うと今から腕が鳴りますよ」

アリアはそう言いながら笑みを浮かべる すると

「「っ?!」」

その言葉を聞いた全員の空気が変わり

「「絶対やめろ!!」」

そう鬼気迫る様子で一斉にそう言った

「そ、そんな切羽詰まらなくても」

アリアがそう言うと

「スープ作って孤児院半壊する爆発起こしたのは誰だ?」

支部長がそう言った

「あ、あれは少し間違えただけで」

「少しであんな大爆発が起こるわけないだろ、、、お前ここら一帯で何て呼ばれてるか知ってるか?」

支部長があきれた様子でそう言うと

「天才孤児!」

アリアは元気よくそう言った

「天災孤児だよ。他には爆発孤児。火事孤児とか凄惨な物だよ」

しかし真実は悲しいものだ

「天才孤児は間違ってないじゃん。よかった」

「「それでいいのか?!」」

「はー、まあ頑張れ。孤児院で人手が足りなくなったら依頼でも出すと良い。みんな格安でやってくれるだろうよ」

そう支部長が言うと

「「ああ!」」

周りに居た冒険者たちが笑顔で頷く

「みなさんありがとうございます。では」

アリアは皆に感謝を告げてギルドを去って行った

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