火花

1週間後

「やっと治った」

エレボスはユグドラシルの町を歩いていた

(ハジメの特訓は母さんよりも優しいが要求してくるレベルが高いんだよな、、、)

「元気になってよかったですよ」

「フレンさんのお母さんの蘇生でもどうにもならなかったですからね、、、成長痛はどうもならないって」

隣にはフレンが居た

(大国の王女様と二人っきりって俺も中々にすごい人生送ってるな)

街を歩きながらエレボスはそう呟く

「にしてもフレンさんのこと誰も気が付かないですね」

王女のフレンが出歩いているのにそのことに誰も気が付いていないのである

「騒ぎになるといけませんので認識阻害魔法を私とエレボスさんに掛けてるんですよ」

エレボスの疑問にフレンがそう答える

「あー、なるほど」

「元々はスモアと出掛けたくて習得したんです。スモアのことは秘密なので」

「え?そうなんですか?」

エレボスがそう聞くと

「私の唯一の側近となるとスモアには多くの苦労を掛けてしまいまうとお母様が。ただそれだとスモアを鳥籠に閉じ込めてしまうので私が学園に行くようにって提案したんです」

「そうなんですか」

「はい。たまに帰ってくるスモアの話は面白かったです、、、私も早く外に出たいなー」

「お母さんと戦って足以外を地面か壁に叩きつけたら良い、、、岩をくり抜いてぶつけてしまえばいいんじゃないですか?」

エレボスが冗談混じりにそう言うと

「もう試しました」

「そうだよな。流石にそんな方、、、え?!やったの?!」

冗談を本当にやっていたことにエレボスは驚く

「トイレ中に襲ったり、スモアに頼んだりとしたんですけど、、、全部空振りでした。スモアに頼んだ時はあと一歩というところまで行ったのですが、、、」

「かなり手段をえらばないんだな、、、」

そんな事を考えながら歩いていると

「東門だ!」

「流石に無いと思うが一応気をつけろ」

「衛兵?」

衛兵が東門へ向かって急いで走っていく姿と声を聞く

「なんでしょうか?」

フレンも不思議そうに首を傾げる

「エレボス君ー!フレンー!」

すると後ろから2人を呼ぶ声が聞こえた

「あ!スモアさん」

声の主はスモアであった

「フレイヤ様が2人を呼んでるの」

「お母様が?」

「この衛兵の騒ぎに関係してるんですか?」

「うーん。それとは関係ないわね。この騒ぎはエレボスくんのお母さんの遣いが東門に来てるのよ。どうやらハイドで通行許可証が発行できずに困っているようで直接フレイヤ様にって感じよ」

「なるほど。分かりました」

こうしてエレボスはユグドラシルの神樹へ戻るのであった





「ハジメどうしたい?」

アリスが真剣な眼差しでハジメを見る

「僕がどうにかします。元皇帝として絶対に」

そしてハジメはそう返す

「分かったわ。でも無理はしないでね」

「はい」

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