厄災の目覚め
第4の国 エモクロア共和国
エモクロア共和国の東端
ドカン!!
「到着!」
ハジメは地面に勢いよく着地するとそう言った
「ありがとうございます」
ハジメの背からエレボスが下りる
「さて。昨日も言ったけどエレボス君の顔はもうバレてるから確実に騒ぎになる。そうなれば聖騎士やエモクロアの軍が襲い掛かってくるだろうけどそこは僕が手を回すから安心して」
「はい!」
ハジメの言葉にエレボスは元気よく返事をする
「あと、僕とエレボス君の間なら念話ができるんだけど同時に魂を僕の世界に飛ばすこともできるから時間があったら特訓してあげるよ」
「え?ぼ、僕の世界って、、、ベルみたいなあれを?!」
エレボスは驚愕する
「ベルフェゴールの世界を見たことが無いからわからないけど、、、闇魔法で魂を変化させて作ったんだよ。その世界なら死んでも生き返るうえ現実の肉体にも情報が伝わるから死を感じる力とか体に魂世界でしみ込んだ技術も扱えるよ」
そんなエレボスにハジメがそう伝える だが
「た、魂を変化させて?!」
ハジメのあまりのヤバさに唖然とする
「言葉にしたら凄そうだけど本質は結構簡単だよ。エレボス君の武器に魂と肉体を移すスプライゼーションよりちょっと難しいぐらいかな。魂に関わってるからすぐにできるよ、、、というか無意識に出来かけてるよ」
ハジメはそう言った
「え?!」
「だって るじゃん」
ハジメの言葉に
「あっ!確かに!」
エレボスは納得した様子でそう声を上げた
「まー、この魔法、、、マイ・ワールドはエモクロアに居るあいだに習得してもらうよ。ヤマトでエレボス君が使ったオルギア・レギオン、、、あれを完全版にするために必要だからね」
「え?完全版?」
「うん。あれは無駄が多い。完全版は威力を上げたうえで消費魔力を格段に減らす。そして並立発動できるようになってもらう」
エレボスの問いにハジメはそう返した
「並立発動ってオルギア・レギオン使いながら攻撃したり別の魔法を使ったりってこと?」
「うん。一方的に力を奪って圧倒的力でねじ伏せる。この戦闘スタイルを主軸にエレボス君に合ったスタイルを作ろう」
「お、お願いします!」
ハジメの熱意にエレボスは押され気味に返答する
「あ!あと君の過去に戻るあの魔法、、、あれは極力使っちゃダメだよ。魂への負担がヤバすぎる。いくら魂の傷が治るとはいえ限界がある。魔国の時はベルフェゴールがギリギリ完治できる回数を教えてくれてたからいいけどそれだってイレギュラーが起きたら危なかったんだ。あの力は死んだ時の保険と思って」
「ああ。というか魂への理解が俺不足しているよな、、、」
「そうだね、、、うーん。これから教えてあげるけど一番大事なことを言うと魂が傷ついたら肉体と精神に何かしらの障害が出るよ。マヒとか感情の喪失とかそんな重いものが」
「うぉ!怖ぇ」
ハジメの説明にエレボスは冷や汗をかく
「気を付けてね。あと約束は守ってね」
「・自分が転生者だと誰にも言わない
・ワァラクの娘が蘇生できたことを誰にも言わない
・転生者と死者蘇生について何も調べない
ですよね?」
「ああ。僕もエレボス君の未来を暗いものにしたくないからね。勝手に約束させるなと思うかもしれないけどこうでもしないとエレボス君のことだ。闇に堕ちそうでね」
「気を付けます」
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