ロリポップ、スイカ味とか趣味悪い にわかに注ぐ 雨がひと口
「いやいやスイカ味は選ばんでしょさすがに! あたしだったらゼッタイ買わない、口に放りこまれでもしない限り一生縁のないフレーバーだわ、ほんとにセンスない」
「口開けて」
口に飛び込んできたスイカとキミの味。
ちょうど降り出したこのゲリラ豪雨のように、それはどしゃっと私を濡らして、めちゃくちゃにして、何事もなかったかのように通り過ぎていった。
「おいしいでしょ?」
「……甘すぎて、むせそう」
キスするたびにあの甘ったるい飴の味を思い出して、最悪。
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