第42話 嘘の約束

もう、ホテルへ行く予定だったのにー!


さきのやつ、ほんとにヤバいな。


真夏の海でアルコール中毒って。


【ほら、しっかりして、大丈夫?】


るいの心配する声が響く。


【大丈夫っすか?】


レイジも語りかける。


【ん~~!気持も悪い、ヴェー🤮】


うわ、吐いた。ここは俺がついてるか。

意識あるみたいだから。

何だかんだ、さきも嬉しかったんだろうな。


【俺がついてるから、二人はホテルへ、ユキが玲奈にサプライズバレないように頑張ってる、ほら、急いで!】


【涼ちゃん、ごめんね。ありがとう】


【涼さん、感謝っす】


二人はホテルへ向かった。


ユキのサイズで合わせたから大丈夫だろう。

ウェディングドレス👗


玲奈のウェディングドレス👗見たかったなー、って

俺が言うのはおかしいか。


【ん~~!🤮】


【全て吐いちゃえ!今回は随分酷い酔いだね】


さきは、


【涼…さん…こんなのに…つき合ってもらって…ごめんね…🤮】


さきの背中をさすり、ほんと苦しそう!

辛いな、慌てないで楽になるまでいるからさ。


【ありがとう、今ので全て。少し、楽になった】


さきの表情、少し明るくなった。


【飲み過ぎだね、今回は特に】


【嬉しくて嬉しくて…レイジって弟みたいなもんだからね】


さきが、起き上がり、あっ、危ない!

とっさに支えた。

寝てないと駄目だよ。


【涼さんって、女性支える運命なの?】


【何で?】


【結局みんな、涼さんに惹かれてる…感じ】


【さきは違うだろ!さきと俺は友人だろ】


【そう思ってるの、涼さんだけだよ…】


何だよ、気持ち悪くて弱ってのか?


【はい、冗談は終わりね、寝てて】


俺が立ち上がると、さきは、


【行かないで!もう少しここにいて!】


トイレだよ。どうしたよ?さき。


【トイレ、すぐ戻る】


さきもここまで酔ったこと無いんだろうな。

不安なんだろう。きっと。


【さき、戻ったよ】


【ありがとう、涼さん。手を握って!】


何だよ、甘えてきてー。おかしいよ。

はい、手を握ればいいんでしょ。


さきは安心して眠り始めた。

とりあえず手を離すと起きちゃうね。

暫く…そっとして、この状態でいるか。


サプライズウェディングうまく行ってるかな?


おい、本気寝かよ、さき。


こうして寝てると綺麗な人なんだけど、

酒飲むとね、変わるから怖いよ。


【寝ちゃった…ずっと、手を握ってくれてたの?】


【さきがそう言ったじゃん】


【優しい、優しすぎる!涼さん、惚れる!】


【状態はいいから、だいぶ良くなったね】


【冗談じゃないのに…】


聞き流すことにした。るいにバレたら大変だ。


【涼さん、あれからダークホール出てないね】


急に何だよ、さき。


【見てないよ。あれで終わりだったかもね】


【涼さん、あれほどのエネルギー使って無事って…ほんと大丈夫なの?】


【病院からの連絡待ちだけどね】


【次は絶対に無理しないで!食い止めようとしないで。るいが悲しむからね】


【解った。ダークホール食い止めないと最終的にどうなるの?】


さきは、黙ってる


【さき、正直に頼む!】


さきは、


【全て飲み込まれる…何もかも…無限に広がるから。地球すらも飲み込まれる…そのときは見れないから予想だけど】


さきは、スマホを見せてきて、


【これ、予想図。動画にしてあるから。TA解散したのも残された時間をみんなで大切にしてもらうため。誰にも言ってないけど、涼さんだけに話すし見せるの】


何だよ、何なんだよ、これ。

終わるじゃん、全てが…ダークホール、何という…


【さき、酒飲んて騒ぐのって…】


【そう、これを知ってるから…ね】


【一人で抱えていたの?】


さきは、うなずく。

俺は、思わず、さきの肩を掴んで、


【ごめんね、抱え込ませて、ごめん】


さきは、さきが泣いてる?あのさきが…


【涼さん、今は誰にも言わないで。そして、悔いのないように生きて。るいと想い出を作って!】


【解った!誰にも言わない!今を楽しむ!】


俺は覚悟した。次、ダークホール現れたら、

俺の命をかけて、みんなを守る!

そこで終わりにしない!


【涼さん、駄目だよ。救うなんて思ったら!】


さき、バレてるのかな?


【さき、TA続けてるでしょ?誰にも言わずに!】


さきはうなずく。そして、


【私は調べることしか予想するしか出来ないから】


さき、ごめんな、酒乱とか言って!ごめん。


【俺もTA参加させてくれないかな?】


【いいけど、無茶しないって約束出来る?】


【約束する!】


俺達は始めて過去の幸せを感じ取っだ。


これはみんなにバレないようにしないとな。

今はただ目の前の幸せを祝おう!


でも、さき、ごめん。俺ウソついてる。

さきとの約束守れない…ごめん。


さきは、


【楽になった、ホテルへ行こう】


【そうしようか、さき、支えるよ】


【嬉しい!支えてくれるの?私、今、ホテル行こうって言ったね。しかも支えてくれて…これ、変な想像しない、ねー、どう、どうなのさ、涼さん!】


いつものさきだね。


【じゃあさ、ホテル行こう。俺もさきだけで】


さき、びっくりして、目を大きく開いて、

これ、楽しいかも。面白いからもう少し。


【ほら、行くぞ】


さきをお姫様抱っこ。


【ちょっと、ちょっと。涼さん、あのね…】


【いいから黙って!】


俺は歩き出した。さきは固まってる。


【涼さん、冗談だよね?】


【冗談?何のこと?】


ヤバっ、笑いが隠せない…


【涼さん、びっくりしたよ!もう、焦ったー】


【笑っちゃバレるね】


【ちょっと期待しちゃったけどね、それもありかなーって】


【こんな風にフザケてさ、みんな笑顔でいられたらいいね。そのダークホールに包まれるときもね】


【涼さん、それで終わるって幸せじゃない?】


ほんとにそう思う。これからどれだけ楽しめるか!

それでどうしようもない時は俺が…ね


遅くなったけど、サプライズウェディング行こう。

みんなうまくやってるかな?




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