第11話 スターダスト
ホテルのコースディナー、ワイン、デザート、
コーヒーも。
とにかく食べた。コースって時間かかるから、
ディナーで二時間はいたかな。
今日のアクティビティ、もりだくさんだった。
シュノーケリング、バナナボート、
サンセットクルーズ。るいはサンセットクルーズがお気に入り!
夕日が照らされて海に反射して、最高の輝き。
やっぱここ最高!
夜のビーチに出てみようかな?雰囲気もなかなか、いいかもね。誘うか。
るい、喜ぶかな?
【コーヒー飲み終わったらビーチ行こうか?】
【そうだね、行きたい!】
るいを誘ってビーチに。不思議だよな、以前は
玲奈を誘って…駄目駄目!玲奈は忘れる!
【みーつけた!ほら、凄い綺麗じゃない?】
るいが貝殻を見つけて喜んです。そう言えば、
るいってお金かからない。よく食べるけど…
庶民的な料理好きだし、プレゼントも高いもの
求めてこない。遠慮してるのかな?
俺が安月給だから…それなら、む、虚しい…
【るい、その貝殻ちょっと貸して】
【いいけど、どうするの?】
【いいから、ちょっと待ってて】
るいとちょっと離れて、俺は丈夫な草を探し、
尖った小石で貝殻に穴を開けて、草を通して、
出来た!シェルネックレス!
【お待たせー、るい?】
男に話しかけられてる、なんだアイツ!
ふざけるなよ!
【誰だ、お前?妻に何か?】
るいが慌てて、
【涼ちゃん、違うの。話聞いて】
男も慌てて、名刺を出してきて、
【すみません、奥様でしたか。実はこのホテルのCMが決まりまして、
出演してくれる方を探していて。奥様がイメージにピッタリだったもので】
【ほんとなのか!怪しいな】
【ホテルの支配人に確認してみていただければ
ご理解いただけると思います。どうでしょうか?
明日もご滞在ならば、このビーチで…あまりにも
奥様の雰囲気とピッタリなので、ご検討を、
もちろん謝礼も支払います。
もちろん水着とかではございませんのでご安心を】
【ほんとなのかどうか、まず確認してからだな!】
俺はイライラしている。信用してないからかな?
【涼ちゃん、何で怒ってるの?】
るいは心配そう。るいの気持ちも大事だ。
【るい、CMだそ。いいのか?】
【涼ちゃんに任せる。涼ちゃんの判断で】
んー、るいがモデル。嬉しいけどさ。ほんと、
るいって一人にできないな。油断も隙もない。
どうしようか、悩むな。
【それでは、これはどうでしょう?
もしよろしければ滞在をもう一泊こちらで
負担します。もちろん食事付きで、謝礼とは別に】
マジ?それ最高じゃない?
【じゃ、お願いします!】
俺即答!るいごめん。まだここにいたいから。
怒ったかな?るい。
【涼ちゃん…じゃお願いします。私で良ければ】
【ありがとうございます。最高のCMになります。明日朝食後にここでお願いします。
支配人にも伝えておきます】
【涼ちゃん、嬉しそう!滞在が増えたから?】
【るい、お前やっぱり、かわいいんだな】
【涼ちゃんー、喜んでくれたのが嬉しい】
そりゃそうだろ!滞在伸びるし、るいはモデル。
念のため支配人に確認するけど。
水着でないならね。
【ところで、さっき何しに離れたの?】
あっ、これだ。
【はい、これ付けてあげるね】
【素敵!こんなセンス良かったの?凄く嬉しい!】
はしゃいでる、良かった、るいがこんなに喜ぶなんて、俺ナイス!
【明日、これつけるね】
【いいかもね、でも別の用意されてるかも】
【いいの、これじゃなきゃ断る!】
そんなに気にいってくれたんだね。嬉しすぎる。
その夜、支配人に確認して信用できること、滞在も追加されていたことも確認でき、一安心。
翌日もシェルネックレスも褒められ、るい、
最高の笑顔。
さらに事前に用意されていたアクセサリーは
もらえるし、いいね。
撮影するカメラマンもうまくのせてくる。
さすがプロだな。それにしても、るい、
慣れてるな、モデル。
ちょっとるいに近づきすぎじゃないか?
無事撮影も終わり、謝礼も渡され、
【今月末くらいに完成します。再度ご連絡をいたします。今日はありがとうございました】
何やらプロデューサーらしき人と話している。
何かあったのか?
【あの…実は、宜しければ今後専属モデルとして
弊社と契約していただきたいなとなりまして…
奥様に、どうでしょう?プロデューサーが是非にと、ご検討をいただきたく、】
俺は言葉を遮った。それ以上聞くまでもない。
【お断りします。今日の撮影ありがとうございました。いこう、るい】
【あっ、そうですか…残念ですが。では、ありがとうございました】
これだよ、心配していたのは。
るいをこれ以上オープンにしたくない。
るいに聞くまでもなく断ってしまった。
【るい、勝手にごめんね】
【同じ考えだったから、ありがとう、涼ちゃん】
やっぱり、るい。俺は心配だよ。
このCM見てオファー来ても全て断ろう。
その夜、ビーチに出て、
【るい、そのネックレス気に入ったの?今日も
つけてるね】
【だってさ、ここで涼ちゃんくれたのだよ、
宝物だよ。何よりも素敵な】
嬉しい、その笑顔。るい、最高!
俺はるいの肩を抱き寄せて、空を見上げ、るいに
【凄い、たくさんの星、天の川🌌、ここじゃないと見えない星ってあるよね】
【凄いね、ほんとに。それに涼ちゃんのこと、ここじゃないと見えないことあったね】
【何?俺のこと?】
【想い出の書き換え、してくれたんでしょ?】
【完璧に完了!ここは、るいとの想い出の海】
るい、俺はあえて(思い出)を(想い出)にしたい。
【涼ちゃんの奥さんになって、次にいつか
家族が増えて、無理にとは言わないけど、
子供とか…】
【もちろん、女のコなら心配が増えるけどね】
【じゃ、男の子ならいいの?】
んー、男の子。るいに甘えてるの見たら、
るいもその子に優しく語りかける。
俺はヤキモチやく、きっと。俺も甘えたい…
ダサいけど…情けないけど。
【どっちでも、るいも子供も無事ならそれで】
【この世界に来て、最初不安だった。ユキしかいなくて、そのユキもね。でも今は涼ちゃんがいる】
るいは続けて、
【この先、もし、涼ちゃんが他に好きな人が出来たらすぐ教えて】
【るいはどうするの?一回は許してくれるの?】
【一回はね、許す。でも信用できなくなって、
気持ちは離れる】
それはさ、許すって言わないんだよ、るい。
【るい、このビーチの砂からダイヤモンドを
みつけられる?】
るいは、なんのこと?意味が解ってない。
【涼ちゃん、見つかるわけないじゃん】
【もし、俺が、るいがいるのにこの先他に好きな人ができるとしたら、それくらいの確率ってこと】
???るいに伝わらない。例えが悪かったか。
【るい、あり得ないということ。一生、るい、ただ一人を幸せにするためだけ、生きていく】
【プロポーズみたい、結婚してるのに】
るいは、笑って、でも喜んでる。
本当にその気持ちなんだよ。るい。
結婚したときよりも想いは強い。
【るい、中学生の頃、駅で自転車出してあげたの
覚えてる?】
【覚えてるよ、嬉しかった!】
やはりそうだったか。優しさって大事だ。
【何でそんなこと聞くの?】
【あの時よりも痩せたね、るい。あの時はふっくらしていて、それも…】
言いかけてるのに、るいがいきなり、脛を!!!
それもノーガードの脛を!!!イッテー、!!!
過去最高レベルのるいの蹴り。
【太っていたよ、解ってるけど、ムカつく!】
【それも可愛かったって言おうとしたのにー】
【あっ、そうなの。ごめんね、涼ちゃん】
るい、ほんと、その蹴り癖、なんとかしてくれないかな…
俺の脛、だんだん固くなってきてる。鍛えられているな、これは。
星が瞬いてる。違うな、脛の痛みの涙だ!
【涼ちゃん、大丈夫?】
だいじょばなーい!
あれ、折れてないか?
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