第386話 鯉でサーフィンするぴよりと恋のサーフィン中の笑美。由奈はネットサーフィンが好き。。
「これは、今から15年前のことだけど・・・」
ひよりね?小さい頃に寝ているときにね、、宇宙人に公園に連れて行かれたの。その公園の名前はね、「くじらの胃袋公園」って言うんだ。大きな池があってね?そこにはおーーーーーっきな鯉がいたの。虹色の鯉だよ。ひよりは、その鯉の背中に立って乗って池中を滑ったんだ。すごいスピードなんだよ。
「だから笑美ちん。鯉のことなら何でもひよりに聞いて。」
「え?」*笑美は困惑した。
「…ひより、そろそろ帰るからトイレに行っておいで。」
「そうね、由奈さん。家に着くまでに我慢できなくなったら困るもんね。」イッテクリュー‼トテテテテテ
仁映が走り去り、ひよりがトイレに行った。ひよりがトイレから戻ってくるまでのおよそ5分。ようやく由奈の恋愛指南が始まろうとしていた。
「悪いね、笑美ちゃん。」
「さっきの話はなんですか?こいって魚の鯉ですよね?」
「ああ、うん。あの話はひよりが寝るときによくする話なんだけど、ひよりのお母さんに聞いたら小さい頃に見た夢の話らしい。ひよりの中では子どもの頃に一番楽しかった思い出になっていて。」
「なるほど。恋の話で思い出しちゃったんですね。えっと、」
「サンタクロースを信じている子どもだと思ってくれたら助かる。」
「…了解です。」
「さぁ、この5分を有益に使おう。問題と目的を完結に言ってくれるかな。」
「はい、わかりました。問題は、初めて恋をしそうな出会いがあったけど相手が同性だったこと。目的は、恋がしたい。以上です、お願いします。」
「ふっ、バカだな。君はまだ私の言ったことを理解していないようだ。」
「・・・追うな、追われろ。絶対女王蜂、、でしたね。」
「そんなことじゃ、ひよりの方がまだ真理をついているよ。」
「というと・・・?」
「ひよりは鯉の上に乗って支配した。君は恋に操られ支配されている。」*ぴより贔屓が大概過ぎる由奈氏。
「はっ、そうか・・・。由奈さん、、私はまだ教えを体得できていませんでした。。」
「相手が女?今日であったばかり?だから?だからなに?私は君に言ったはずだ。追うな、追われろ。つまり、相手がどれほど魅力的だろうがイケメンだろうが関係ない。そいつの前では常に下から見るな。上から見ろ。」
「はい。選ばれる側の意識を捨てろと、教わったばかりなのに。ダメですね、私。」
「そうだ。上から見ると言っても、相手を見下すということではない。その相手ではなく、君が支配するのは恋だ。恋に下手に出るな。この意味を完全に理解するには実践のみ。そう言ったね?」
「はい。大事なことを見失うところでした。でも1つだけ教えて下さい。私は女性を恋愛対象としてみたことはありません。はたして本当の恋になるのでしょうか。」
「はっ!私から言わせれば、ノンケなんてカテゴリーはあってないようなもんだね!過去の自分の認識なんていつだって思いがけない変化があるもんだ。そうだろ?」
「確かに。今の由奈さんの言葉は、昔何かの論文で読みました。」
「しっ!静かに。やつが戻ってきた。ちょうど5分だ。」
「はい。ありがとうございます。」
なんなんだよ。。しかし、よく見るとこの時、笑美の表情には曇りが消え、まなざしには光が戻ったんだ。笑美にとって由奈の話はとても完結で理解しやすい。この2人が付き合っても上手くいきそうな気がするが。。
「はぁー、すっきりした。由奈さんもおトイレ行く?ひよりが連れてこうか?」*絶対女王蜂ぴより
「私は大丈夫。さぁ、2人とも。そろそろ帰ろうか。」*自分は振り回されているくせに。笑
「うん!」「はい。」
こうして、3人はカフェから出ると、笑美に別れを告げて由奈とひよりは電車に乗った。やっと2人きりになれたぴよりは、電車の窓からもう暗くなった外を見て上機嫌だ。
「あ、大変だ由奈さん!パン買うの忘れた。」
「あ、そうだね。じゃあ、いつもの所に行こうか。」
「甘だれ商店街のパン屋さん!?亀ロンパンがあるところ??」
「急がないと、閉店ギリギリだね。」
「ほんと!?じゃあ、駅に着いたら走らないと!」
「ひよりは足が速いから、追いつけないよ。」
「じゃあ、ひより間に合わなかったら我慢する。だって、由奈さんと手を繋いで帰りたいもの。」
「そっか。じゃあ、もしも間に合わなかったら明日買いに行こう。」
「うん!私たちはずっと一緒だから。明日だって構わない。」
「っていうか、晩ご飯食べられなくなるよ。もう帰ってから作るの面倒だし、ひよりの好きなあれを食べて帰ろうか?」
「あれ!!うん!そうする!!(´。✪ω✪。`)✧*。」
由奈が言った「あれ」とは、駅前の洋食屋のミートソースだった。ひよりが言った「あれ」とは同じく駅前の豚骨ラーメンだった。このちょっとしたすれ違いも、この2人なら乗り越えていけるはず。
なんなんだよ。。
続く。
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