第168話 椅子を支えてバイト代が入る何でも屋ぴより
放課後。またしても戸田っちの勉強しようのお誘いを断ると、ひよりは一人でよちよちと帰宅していた。
「由奈さんの誕生日。。すっかり頭から抜け落ちていた。。29日だって。肉の日だ。お肉でお祝いしないと。」
決めやすいところから決めようとするかわいいの日にち限定サービスぴより。するとスマホがぴよりんっと鳴った。ピヨリンピヨリン♪
「あ、お母さんからだ。え~!掃除手伝えって??まったく、受験生なのにっ!」
とりあえず、由奈と住む家に帰るとカバンを置いて、体操服に着替えるひより。首にタオルを巻いて、軍手を両手につけると自宅に向かう、思い込みのかわいいぴより。
「おかーさーん?来たよー!なにを手伝えば良いのー?」マッタクモー‼
「あ、ああ。ひ、ひよりじゃない。ご、ごきげんよう?」
「は?ご、ごきげんよう、、?」
六浦陽菜子。50歳。内緒が苦手な演技が下手な50歳。ものっすぉい勢いで目が泳いでいた。
「えーと。あのね?カーテンを洗濯したの。つけるのに一人じゃ危ないなーって。ひよりが手伝ってくれたらお母さん、安全につけられるなーって考えて朝洗濯してずっと待ってたの。」
「そうなんだ?まぁいいよ。でもひより、ちっさいから椅子を支えてるね?」
「うん。よろしくね。じゃ、じゃあ、行くわよ?オットット。こりゃ一人じゃアブナイワー!」
「なんなの、そのセリフみたいな言い方。。まさか、お父さんが浮気でもした?」
「それはないわよ。あの人は本当は3次元に興味ないから。。」
本当は、陽菜子一人でも十分、カーテンくらいつけることが出来た。しかし、陽菜子には推しから頼まれたミッションがあった。
「よし。出来た。アリガトー!トッテモタスカッター!」
「終わった?じゃあ、ひよりは帰って勉強するね?」
「頑張ってるのね。ア、ソウダ!頑張ってるひよりにお小遣いあげたくなったわー!手が震えるほどあげたいわー。はい、イチ万円。」
「え?は?な、なに、どうしたの急に?今までそんなことあった?」ウソダロ?
「し、失礼ね。ひよりだってもう3年生なんだから、いろいろ物入りでしょ?ほ、ほら。由奈さんとか、由奈さんが欲しいものとか、、」
「!!!いいのっ!?ありがとう!もらいますっ!!」*気づいた。
ホッと胸をなで下ろす陽菜子。1万円を空に掲げて目をキラキラさせるぴより。
陽菜子(由奈さん、、あたし、上手くできた♡)
ひより(由奈さん、、ひより、プレゼント買える♡)
佐々木由奈大好き親子であった。
「ありがとう!じゃあ、何でも屋ひよりは帰りますが、またのご用命お待ちしております!」
「あ、うん。ありがとう。また由奈さんを連れて晩ご飯食べにいらっしゃいね?」
「わかったー!お母さん、大好きー!」ヒャッハー‼ブシャァ‼
「・・・ふぅ。現金な子ね。。でもこれで、私の株は上がったわ♪」
そして、ひよりは家に戻ると、体操着だったことが幸いして、玄関から3回転でんぐり返しでリビングへと転がった。そして、後方伸身宙返り4回ひねりでソファに倒れ込んだ。*白井君並み⁉
「やっふぅーーー!!資金げっとぉぉー!!これで安心してプレゼントが買えりゅー!日頃の行いが良いからだー!!」
由奈の地道な後方支援は、ひとまず、ひよりに届いた。
機嫌の良いひよりは、そのまま体操着で勉強を。仕事から帰ってきた由奈は不思議で仕方なかった。ナ、ナンデ?
続く。
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