第90話 イメトレする暇がなかったスコール女
「あーあ。旅行も終わっちゃったし、、勉強ばかりでつまんないなぁ~。」
今日のぴよりは安定に自宅で勉強中である。由奈は仕事に行っている。机に向かってはいるが、熱海の旅行が楽し過ぎて、勉強する気にならないのだった。
「ひより、、4年も大学行きたくないなぁ~。早く働いて由奈さんと生活費同じだけ払って、夫婦みたいになりたいよ~!」
なーんてな。本当の本当は、、由奈さんが帰ってくるのを待って、ご飯作ってお風呂沸かして、、お母さんみたいになりたいんだけどさ。なんだかんだ言ってうちの両親は未だにラブラブだし。お母さんは服を脱ぎたくなる発作がまだ出てるくらいだしね!だけど、ひよりも働いて由奈さんを楽させてあげたいし。いっそひよりが働いて由奈さんがご飯作って待っててくれるのもアリだな♡
「ぐふっ、、ぐふふふふっ♡お風呂よりご飯より、、ひよりが良いって、、やだそんな、、気が早すぎます♡」*妄想がたくましいかわいいの塊、ひより。
とそこへ。ひよりの部屋のドアをノックする音が。コンコン。
「ひより~?入るわよ~?」
「うん、おかあさん。なぁに?」
「そろそろお盆でしょ?由奈さんは仕事がお休みかしら?」
「うん。お盆休みが一週間くらい在るって言ってたよ?それがなに?」
「あちらのご両親は帰っていらっしゃらないのかしら?いらっしゃるならご挨拶をしないと。」
「あ、そっか。由奈さんのご両親も夏休みで帰ってくるかもしれないってことだね。え、そしたらひよりは由奈さんちにいけなくなるかな。。」
「帰ったらちゃんと聞いておいてね?ご挨拶しないといけないから。」
「うん。わかった。両家の顔あわせだね!」
そして夕方。
「ただいまー!ひより~。」
「ゆなさぁぁぁん!!お帰りなさい~!ひより、今日はちゃんとお家で待ってたよ!ぎゅうーして!!♡」
「えらいえらい。はい、ぎゅー!!とちゅー!!」
「ちゅー!!ああ、やっぱりこの感じだよ!由奈さん、ご飯にしますか?それともお風呂?それとも、ひ、よ、り?♡」
「うーん、ご飯かな。その後、お風呂とひよりを同時に。」
「きゃー!お盛んですね!かしこまりましたぁ!!今日はおうどんよ!腰が強くなるように!」
「毎日腰が痛いもんね、、ていうか太ももが痛い。エッチしすぎて。。」
「お酢も飲みますか?あ、押忍で思い出したけど、挨拶しなきゃなの。」
「ん?誰に?」
「由奈さんのご両親に。えっと、夏休みに帰ってくるかな?お母さんに聞いておきなさいって言われて、、。」
「ああ、どうだろ。連絡してみるね。」
「ねぇ、由奈さんのご両親が帰ってきてる間はひより、自分の家に帰ったほうがいいよね??それちょっとしょぼんだなぁ。。」
「ああ、そうか。まぁ、さすがにね。でも帰ってくるかわからないし。ちょっと待って?」
「うん。ひより、もう由奈さんと寝れないのやだかんね?」
「わかったよ。」
「由奈さんはひよりの女だから。」
「わかったわかった。」
「でもお義理父さまとお義理母さまにちゃんとご挨拶しないとね!ひより、もうちょっと大人っぽくしよっかな。。」
「どこをどうしてもひよりはかわいいからそのままでいいよ?」
「ホント?由奈さんとお付き合い反対されない?胸にパット入れなくてもいい?」
「大丈夫。うちの母もちっぱいだから。」
「佐々木家はちっぱい好きかぁ。癖が強いな!」
「いや、六浦家の方が癖強いからね。。特にお姉さんとか。。」
「でもそっか。確かにそろそろ紹介しないとね。このままここで同棲したいし。」
「由奈さんのご両親は帰ってこないの?」
「どうだろ。当分帰ってこないと思うけど、もし帰ってきても別に住みたいって言えばなんとでもなるよ。」
「そっか。ひよりは由奈さんから離れませんからそのおつもりで!」
「わかったよ。じゃ、勉強も頑張ってね!」
「押忍♡」
ピンポーン
「え、誰か来たよ由奈さん。」
「ええ、誰だろこんな時間に。。優司かな?はーい?」
「おーい、由奈~!お父さんとお母さんだよ~!!あけてー!」
「え、ええっ??!」
「ぴゃっ?ま、まさかっ・・・」
ガチャ。玄関を開けると、そこに現れたのは由奈の両親だった。
「ただいま~!驚かそうと思って黙って帰ってきたよー!久しぶり、由奈~!」
「え、な、なんで連絡しないの?」
「なによ~!別にいいでしょ、、って、、あら?そちらの小さな子はどちら様?」
ついに来てしまった。この時が。ひよりは汗だらだらだった。そしてすでに小さい子呼ばわりされていた。。さぁ、ぴよりはちゃんとご挨拶できるのだろうか。。
「ぴゃっ。。(やべぇ、なんも言葉出てこねぇ。)」カチコチ
続く。
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