第83話 年に1回しか会えない孫並みに甘やかしたい!

 結局、ひよりが迎えに来てしまっていたので、3人は由奈の仕事が終わるまで、デパートの屋上で待つことに。


「や、やばい。俺は今、JKを二人も連れている。。ほ、保護者と思われるのか、、それとも危ないやつに見えるのか、、俺は今、猛烈に自分の塩顔が憎い。。」

 暑さ以外の汗をかきながら、優司は屋上の景色を見てキャッキャ言っているJK2人を少し離れたところから見ていた。*帰って変質者具合を出していた。


「ねー、ぴよりっち~!今度4人でプールか海でも行かなーい?」*留年しそうだったくせに大人の彼ピがいるJKの余裕を見せる赤羽。

「いいね~。由奈さんに聞いてみてからね?渋宮カップルも誘う?」

「うーん、それだと優司君が男1人になってかわいそうだから~」

「じゃ、龍馬と戸田っちも誘えば?」

「大所帯過ぎね??」

「確かに。やっぱり4人だね。」


 その会話を聞いて優司は思った。

「それでも3対1だし、大学生にもなって姉貴と海とか考えただけで辛いんだが。。」

 しかし、言われたらきっと断れない優司であった。


「ところで赤羽っち?優司さんとはどこまで・・・その・・・。」

「え、えへ。もっと小さな声で!あのね、最後までは、二人きりで旅行に行って最高の雰囲気でってことでまだなんだ♡」

「わ、そ、そうなんだ。素敵だね、、優司さんなら由奈さんの弟だし、きっと大人のリードを、、」

「でへへへへ・・・。もう、待ちきれないんだけど、、来週行くんだぁ!」

「え、そうなの?どこにいくの?」

「海の見える旅館だよ!部屋に露天風呂があるんだって!」

「へ、部屋にっ!?ピヨー‼ふ、ふぅん、、いいなぁ~。あ、ねぇねぇ、、」コショコショ・・・


 なにか不穏な動きを見せるJKたちであったが、優司は姉からのメッセージを読んでいた。

「おーい、2人とも。姉貴が仕事終わったから、外で落ち合おうって!」

「はーい!じゃ、降りよっか。」


 3人がデパートの屋上から1階へと降りて出口をでると、待っていた由奈と合流した。晩ご飯を一緒に食べようという話になったが、家に帰ればひよりの作ったおでんが待っている。4人は夏らしく、かき氷の食べられる喫茶店に行くことにした。赤羽と優司がスマホの地図を見ながら歩き、その少し離れた後ろをひよりと由奈が歩いている。


「由奈さん?また迎えに来て怒ってる??」

「ううん、怒ってないよ?それよりひより、もう暑いから帽子を被ってこないと日射病になっちゃうよ?」頭ポンポン。

「わかった。麦わら帽子買おうかな??」

「うん、きっとかわいいね。帰りに買っていこう。」

「うん!あ、それでね、コショコショ話があるの・・・。お耳かしてください!」

「ん?なに?・・・うん?・・・うん。うーん、、わかった。」

「いい?」

「うーん。まぁ、いいよ。」

「やった。赤羽っち~!」


 何やら由奈の承諾を得ると、嬉しそうにひよりは赤羽に報告しに行ってしまった。今度はひよりが赤羽と2人で歩き出してしまったので、仕方なく優司は由奈の隣を歩いた。

「優司、赤羽さんと付き合ったんだね。」

「あ、はい。おかげさまで、、その。ありがとうございます。お姉様に怒られるようなことは一切致しませんので、、」

「や、別にいいけど。ひよりも喜んでるし。」

「ど、どこまでもひよりちゃん次第なんですね、、。」

「当たり前だろ?見てみろ、あのキュートな後ろ姿を!天使でひよこだぞ?」

「な、なんか良かったね、最高の彼女見つけたみたいで、、。」

「あ、うちでこのまま同棲するから。お前、お盆は帰ってくる場所ないからね?」

「え、あ、はい。。まぁ、夏は暇だったら親のところにでも行きますよ、、っていうか親にはもう言ったの?」

「言ってないんだよね~。そろそろ連絡してみるよ。」


 なんて話をしていると、喫茶店に着いたので4人は同じテーブルについた。

「由奈さんっ!かき氷どれにしますか?ひよりは苺と抹茶で迷ってます!」

「じゃあ、それ2つ頼んで半分こしよ。」

「えへへ、そういうと思ってました~♡」

「そっかぁ♡」


「うわ、、姉貴がデレデレだ、、」

「ん?優司君も私にデレデレしていいよ?」

「え、そういうのはちょっと、、姉貴の前では、、」

「あ、でも、今度の旅行は由奈さん達も一緒に行くって♡」

「・・・え?」


 優司の独壇。(短めなので聞いてやってください。)


(え、彼女と初めてエッチするために行く旅行に、、姉貴が同伴だと!!??え、なぜ?いつそうなったの?あ、さっき2人でコショコショ話してたのがそれ?って言うか気まずい。。姉貴はなぜ承諾したんだ、、わかるだろうに!俺だって彼女が出来て旅行となればすることは1つ、、)


「え、あ、姉貴??」

「あ、うん。ひよりがどうしても行きたいって言うから。悪いけど4人で行こうね?」

「え、・・・・はい。」

「優司。大丈夫だ。部屋は離してもらおう。お互いにそれだけは譲れない。夜は絶対に別行動だ。」

「は、はいっ!!」*安堵した優司。


「ゆーなさん!苺味あーん?」

「あーん。おいしいねー、ぴより~♡」


 今現在のぴより甘やかし度は湿度90%を超えていた由奈だった。


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