悪役令嬢に転生したら人格破綻した私

@akera3

第1話思ってたんと違う

目が覚めたら、そこは一面の雪景色だった。

ああ、そうか、私はこれが好きだったんだ。

むくりと起き上がると、心配そうな表情の侍女が分厚いローブを持って駆け寄ってきた。

「愚図ね」

小さく吐き捨てた私。

いや、ちょっと待って酷すぎない私!?

え?っていうかここどこ?

この子誰!?

一瞬にして駆け巡るさまざまな記憶なにひとつとしてこの雪景色にそぐわない。

そう、だって私は海辺の街に育ったただの社会人。

雪の中に倒れる悪趣味なヘキを持ってなんかいないし、そもそも雪なんか降らない。牡丹雪はテレビで見るものだったのに、なぜこんなところに?

固まっている私に、その子は怯えていた。

そりゃそうだよね、せっかく持ってきてくれたのに…いや、なにこの既視感。

もしかして転生したかなにか?

ちょっとそういうの困るし求めてないから他の方に回してくれない…?

ああもう!今夜はお寿司だったのに!なんでこんなことに!?




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