乙女のための運命反抗記

竹末曲

第一章

第1話 私ハーレム要員、婚約者かませ犬

「ったく、めんどくせぇなぁ」

ボサボサの黒髪に、野暮ったい黒縁眼鏡をかけた少年が嫌そうに声を漏らす。

見かけは普通の少年であるが、その目は鋭く前を睨め付けていた。

視線の先には「六栄学園」と書かれた学園の校門がある。

「さくら、笑顔笑顔、せっかくの学園生活だよぉ」

ふわふわの金髪に、赤いリボンを緩く巻いた小柄な美少女が、さくらと呼ばれた少年を嗜める。

異国の陶器人形の様に白い肌、クリクリとしたヘーゼルナッツ色の目に上目遣いに見られても、さくらはまたひとつ溜息をつくばかりだ。

「学園生活ねぇ、まぁ、くそ親父もいねぇし、息抜きにはちょうどいいか」

「ていうか、その眼鏡何?さくら視力落ちちゃったぁ?」

「伊達だよ伊達眼鏡。おい、行くぞミハト」

「あぁん、待ってよぉ」

冴えない少年を、子犬のように追いかける美少女。

ーーーーーその少しだけおかしな二人を、多くの生徒が訝しげに眺めていた。


そして、校門の前で。

黒の高級車から降りてきたばかりの黒髪の少女は、車の影にしゃがんで頭を抱えていた。

ぎゅっと目をつぶり、ぐぬぬぬぬと苦悶の声を噛み締める。

今見たものを信じたくはない、だが、信じなくては。信じた上でどうにか抗わねばいけないのだ。


梅干しとレモンと石鹸をまとめて口に含んだような、なんとも言い難い表情を浮かべるこの少女。

その名は、蓬生よもぎうつづみ。


ストレートの黒髪が肩に届かないぐらいできっちりと切られ、

やや釣り目ではあるものの、大きな黒目がちな目を持ち、薄い唇は艶やかな淡い桃色。

真っ直ぐ見据えれば、大の大人もたじろぐであろう、どこか神秘的な雰囲気を持っていた。


それが、今や苦虫を噛み潰したような顔をしている……

そして、噛み潰している苦虫を吐き出すように、少女が小さく小さく呟く


「あれ……、ハーレムラノベで見たヤツぅ……」


つづみは、とある事情で、あの「さくら」という少年のハーレムに加わる運命を知っていた。

いや、知らないよりはいいんだけど、実際に目の当たりするとキツイ。

初めての学生生活だというのに。「大好きな人がいる」というのに。ハーレム入りとかキツすぎる。


「何をしている」


冷たい声がつづみにかかる。つづみと同じ車から降りてきた男はジロリとつづみを睨んだ。

短い眉に吊り目で三白眼。眉間には皺が寄っている。オールバックにした黒い長髪。

詰襟の制服をかっちりと着た長身の男はつづみを見下ろす。

「さっさと行くぞ」

「………」

「なんだ本当に気分でも悪いのか」

腕を組んで睨みつけていた男の声のトーンがわずかながら和らぎ、つづみの近くに寄り添うようにかがみ込む。

紫紺しこん様」

紫紺と呼ばれた男は小さく「なんだ」と返事をする。


「急に声をかけられると、わたくし、心臓キュウなりましてよ。挙手してから、その美声出していただきたいですわ」

「馬鹿か」

「フッヒィ……キュウなった心臓がバクバクしてきたぁ……新しいタイプの心臓マッサージ……こんなん不整脈なりますぅ…….」

「馬鹿なのか」

そう言いつつも、紫紺はつづみが本当に気分が優れないのではと背中をさすってくる。


「紫紺様」

「どうした」

「つづみは……つづみは紫紺様が負けようが、もてなかろうが、老け顔だろうが、紫紺様が1番ですぅ」

「半泣きでいうことがそれか」

「フッヒィ……やだ呆れ顔紫紺様尊い。こんなん健康になるぅ、あ、やだやだ置いていかないでくださいまし。

嘘でしょガン無視。嘘でしょ後ろから見たらめっちゃ髪綺麗。あれに包まれて眠りたいです。

ちょ、私の婚約者なんですけど美形すぎません?あれで未成年なんですよ。

軍隊とか艦隊とか率いてそうな貫禄のある老け顔なんですけどね。

かっこいいの文字を辞典で引くと『蓬生紫紺』って出てくる日も近いんじゃないかと」

「黙れぇ……」

「照れギレ紫紺様でご飯3杯いけますわ」


そう、紫紺様のためにも頑張らなくてはとつづみは立ち上がり、優雅に歩きを進める。


嘘みたいでしょ。

この男性、私のね、ウフフ、婚約者なんだけどね……



未来予知では、さっきの「さくら」のかませ犬なるんですよ……



誰に言うでもなく、つづみは脳内でそう語る。


これは……

主人公のハーレム入りを回避し、かませ犬の婚約者とそのまま結婚したい少女の物語である。


*****


ーーーこの国では大昔から異常な力を持つ「能力者」が生まれることがある。

長い歴史の中で能力者同士で血を重ね、国家のために仕えている有力な一族も少なくはない。

その中の「蓬生家よもぎうけ」が他一族の目を隠して育てた箱入り娘が、この「つづみ」である。


蓬生つづみは不思議な力を持っていた。

1番初めに気づいたのは母親。それは幼いつづみが一人で絵札遊びをしていた時のことだった。

幼児向けに動物の絵が書かれた絵札を、つづみは裏返しにして、めくってそこにかかれた動物の名前を声に出していた。

文字を覚えたばかりだったつづみにとって、お気に入りの遊びだった。

「うさぎ」

ぺら・・・

「わに」

ペラ・・・


母親が、少し、つづみの遊び方がおかしいことに気づくのはすぐだった。


「らいおん」

ペラ・・・

「ぶた」

ペラリ・・・


それは、『めくる前に動物の名前を当てる』遊びだった。

つづみはうれしそうに母親の目の前で正解を当て続ける。


「おかーさん、みててねぇ。これはねぇ わんわん」


そう言ってつづみはカードをめくり、母親に嬉々として白い犬の絵を見せつけた。


ーーーつづみの能力は蓬生本家にすぐさま伝わった。

蓬生一族でも末端の末端、それも分家の娘が透視能力の異能に目覚めたと。

初めこそ、トランプの絵柄をあてる程度だったものが、紙箱や金庫の中身をたやすく当てるようになる。

そして、6歳になる前、事件は起きた。

左腕が焼けるような痛みが、幼いつづみを襲ったのだ。

赤い火傷跡は明らかに文字と成していて、それは数日後の大事故を示すものであった。

そうして、蓬生一族はつづみの能力が透視ではなく、「未来予知」だとようやくわかる。

つづみはカードや箱の中身を見通したのではなく、正解がわかった「未来」を見ていたのだと。


この頃から、予知はコントロールができなくなり、つづみの意図せぬ時に見れるようになる。


つづみの能力を危険視しつつも、未来予知など喉から手が出るほど欲しい異能だ。

蓬生本家は「能力の訓練」とし、つづみを父母の元から引き離し手元にへと置いた。

そしてつづみが15の頃、蓬生当主は己の息子、紫紺と結婚するように命じ、同じ学舎に通うことを許した。


この国で最も優秀な一族が多く通い、その能力を研鑽し、さらに才能を芽吹かせる「六栄学園」に。


それを聞いたつづみは大喜びだった。

能力が開花してからは蓬生家で家庭教師がつき、小学校、中学校には記録上は在籍しているものの、実際行っていない。

だから、つづみにとって同世代は紫紺と、紫紺の世話役として呼ばれた蓬生家分家の子供だけだ。

そうして、制服が届いてから、姿見の前を何度くるくる回ったことか。


蓬生家に来たばかりの家政婦は、そんなつづみを哀れだと思った。

花のような時期をこんな家に囚われ、わずかな自由を心待ちにしているのだと……


「紫紺様の制服姿を見れる!生で!しかもおそろい!こんなん!合法のペアルックじゃない!」


新参家政婦の憐れみが爆散した。


「つづみ様」

古参の家政婦が微笑む。彼女はつづみがこの家に来てからの世話をほとんどしてきた使用人だ。

「違法ペアルックが、まずないと思います」

あ、そこに突っ込むんだと、新参家政婦が驚く。

「つまりわたくしと紫紺様がペアルックを国も認めてる……?」

「つづみ様、冗談はさておき、お勤めの時間でございます」

と、使用人はつづみにいつもの小袖を用意する。


ーーーーーつづみの儀式に、多くのものは必要ない。

蓬生家の屋敷の一室、広々とした部屋の中央に小さな文机が置かれ、白の小袖に真っ赤な羽織を軽くかけたつづみが座る。

差し出された茶器に淹れられた薬湯を一服し、心身を集中させて目を閉じる。

先読みを行う間、つづみは全くの無防備となる。それを蓬生家の護衛が見守るのだ。


ほぅ、とつづみは息を吐く。わずかに震えたその唇に幼い少女とは思えぬ妖艶さが垣間見えた。


そして目を開くと、文机にあらかじめ用意された用紙に手を触れた。

すると焦げた匂いと共に、じわじわと文字が浮かび上がる。

それは一見意味のわからぬ単語と数字の羅列の時もあるし、明確に時間と場所と何が起こるか示される事もある。

かと思えば、現在起きている事件についての詳細が、それこそつづみ自身知らなかった様なものでさえ。


文字は「焼かれる」


まるであらかじめ作られた焼き印を押すかのごとく、紙を黒く焼き付けて文字が現れる。

そうして、文字を焼きついた紙、否、もうつづみの予言を書くところがない紙は、乱雑に机から払われる。

その紙を慌てて蓬生家のものが拾い集めるのだ。

かつて己の肌を焼いた未来予知の文字を、つづみは紙に焼き移す力を得ていた。


つづみが蓬生当主に命令されて「視ている」のは大まかにいうと、「ここ半年以内に起きうるモノ」

人命にかかわるものはもちろんだが、蓬生家としては金になりそうな予言も欲しいところだ。

とはいえ、つづみにとってこの儀式での未来視はくじ引きのようなもの。

くじを引けるのはいいものの、中身はどんなものかは、『視てみる』までわからない。

しかも引ける回数は無制限ではない。

引かなかったくじに、とんでもない運命が描かれていた可能性だってある。


ーーー引けなかったくじを思っても仕方ないのは分かっているのだが。


「ふぅ、終わりましたわ」

50枚近くあった紙に、つづみは表情を変えずに全て予知を写し終えると、もう一度目を閉じる。

いつものことだ。一気に全身に満ちる疲労感。倦怠感。頭はふわふわと夢心地。

つづみは机に突っ伏すると意識を失うように眠りについた。


ーーーつづみが学園に入学する1週間前の出来事であった。


*****


夢を見た。その夢ではつづみはいつもの浴衣の寝巻きに、いつもの布団に潜り込んで本を開いていた。

夢で夢だと気づくのは初めてで、つづみは少々感動してしまう

「能力の影響かしら」

どうせなら隣に紫紺様がいればいいのに!と悔しさで顔をくしゃっとする。

2、3回「夢の中ならなんでもできるでしょう!」と紫紺を呼び出そうとしたがやはりできなかった。

「くっ……力が足りませんわ」

愛しい人の幻覚さえ呼び出せない力不足を嘆く。

呼び出せたらあんなこと、こんなこと、やらしいことできるかな?とワクワクだったつづみは、ふと、手元の本を見てギョッとする。


『最強能力を持つ俺はハーレムを作らないといけないそうです』


と、書かれたタイトルの本だった。

表紙にはメガネを外して手にもった青年がこちらを見ている。

その左右には黒髪おかっぱ、金髪ロングウェーブ。赤毛のツインテ、銀髪のまとめ髪とそれぞれ髪型の違う美少女が4人寄り添うように立っている。

ほぁ……とかなり間の抜けた声が、つづみから漏れる。

なんだコレぇ……

こういう本は嫌いではない。使用人の若い者におすすめされて購入してもらい、読むことは多い。

だが、このタイトルは聞いたことがない。

それにしても、夢の中でここまではっきりした本の内容は一体どんなものか気になる。

どうせ、夢だ。せっかくなら読んでみよう。

つづみは好奇心に勝てず、そのまま布団でその本を読み進めた。


なるほど、異能者が集まる学校に通う少年と、それを取り巻く少女達の話らしい。

さくらという主人公は4人の少女に出会い、交流を深めていく。

戦闘特化の赤毛のツインテ少女に、ラッキースケベを働いてビンタされたり、

金髪ウェーブ少女の入浴シーンにたまたま遭遇したり、

かとお思えば、乱暴な婚約者(家が決めた)から幸薄黒髪少女を助け、婚約破棄させたり……


「いや、いやいやいや待てなんですのコレェ」


というか登場人物の名前がそのまま「蓬生つづみ」と「蓬生紫紺」だ。髪型などの特徴もあっている。

作中の「つづみ」は口数少なく、「紫紺」に静かに付き従っている。

その目は諦めたような、力のないものだった。

家の力で「つづみ」を縛る「紫紺」は人前でも「つづみ」を侍らせ、少しでも「つづみ」が反抗すると激昂する狭量な男と描かれていた。

今にも消えてしまいそうな儚さと可憐さを持つ「つづみ」をさくらは励まし、手助けする。

強さを理由につづみに無体を働く「紫紺」を正々堂々の戦いで打ちのめすさくら。

さくらが守ってくれると、心を開き始める「つづみ」

自分のものである「つづみ」に近寄るさくらに、「紫紺」は取り巻きと共に教育してやるとさくらに再度挑み、返り討ちにあう。

そして、もう「つづみ」は自由なんだと知らしめるため、「紫紺」の目の前で「つづみ」に口づけする。

ーーー絶望する「紫紺」。すでに「つづみ」の心はさくらのものになっていた。


バラララと最後の数ページを見ると、最後にはさくらを4人のヒロインが取り合っている。

『さくら、はい、ミハト特製お弁当だよ!』

『ちょっと!あ、あたしが作ったのも食べなさいよ!』

『さくら、さん。口に、ついてます』

『うふふ、さくら様ったら、まるで子供みたいなんですから』


つづみは本を閉じる。

すう、と息を吸って、そして心から叫んだ。


「いやあああああああああああああ!!!!!!」


*****


ーーー先読みの儀式が終わったと聞いた紫紺は、つづみの元へと向かっていた。

屋敷の中をバタバタと使用人が走り回るのは、儀式の後ではいつものことだ。

物によっては一刻を争うものもあるため家のもので処理し、つづみの予言を活用しているのだ。

「紫紺」

名を呼ばれ、紫紺は立ち止まる。この家で紫紺を呼び捨てにできるものは二人しかいない。

黒いブラウスに黒いロングスカート、銀縁メガネをかけた女……

蓬生家当主の妻にして、紫紺の母である桐子きりこだ。

「あなたもつづみさんの元に?」

「はい。何か問題でも?」

「いいえ、ただ……」

桐子は真顔で紫紺を見つめる。


「寝ているつづみさんに悪戯するなら少しだけよ?」

「母上。違います。労いの言葉をかけに行くだけです。」

「儀式あとはひどく疲れると聞いています。紫紺、無理をさせてはいけませんよ。イヤよイヤよは止めろ馬鹿の時もありますからね」

「母上。誤解です。」

「ちゃんと爪は切りました?婚約者に触るのだから綺麗にしておくのですよ」

「母上。触らないです。何もしないです」


このひどい会話だが、二人とも真顔である。

大変真面目な顔のまま、つづみの部屋へと親子で向かっているのである。


「……」

「なんですか母上」

「我が子ながら、老け顔……いえ、たくましくなったものだと」

「母上。言ってます。老け顔って言ってます」

「つづみさんは、『紫紺様の素敵なところの一つですね』って言ってくれてるけど……」

「……」

無言になる紫紺に、桐子はそこで初めてクスリと笑う。息子の表情は険しいものの、耳は赤く染まりつつあった。

「奥様、紫紺様」

つづみの部屋を訪れた二人に、使用人が頭を下げる。

「つづみさんの具合は?」

「はい奥様、いつもの様にお休みになられてます。」

「ですって、寝顔をじっくり見るチャンスよ紫紺」

「紫紺様、チャンスです。何も言わないつづみ様はどこに出しても恥ずかしくない美少女ですから」

俺に何を期待しているのですか、と紫紺は二人を睨みつける。

「……つづみに特に問題がないならいい。母上、俺は鍛錬に戻ります」


紫紺の頭に、この間の実技試験が浮かぶ。

能力を用いて、試験で用意された戦闘人形を破壊する単純なものであった。

紫紺の能力は火。標的を定めて焼き滅ぼす攻撃力の高い能力だ。

近年の現役異能者の中でも、かなりの実力者としてすでに名も通っている。

にも、かかわらず、紫紺以上の能力を見せた生徒がいた。

近接戦闘特化異能で、瞬時に戦闘人形を拳のみで破壊した「薄雲蓮華うすぐもれんげ」が試験で最高得点を出していた。

まだまだ自分より上がいるというなら越えていかねばならない。他家に遅れを取るなど許されない。

「そう」

紫紺のわずかな焦りを見抜いたのか、あっさりと母親は言葉を返す。そして使用人に表情を変えずに声をかける。

「紫紺が会わないなら、残念だけど私もやめておくわ。つづみさんにゆっくり休むように伝えて……」


そこまで言った時、つづみの悲鳴が聞こえた。


今まで聞いたことない様な悲鳴に即座に紫紺の顔が変わり、使用人を押し退けて、襖を勢い任せに乱暴に開けた。

すでに左手には火の異能が発動し、即座に放てる状態だ。


「つづみ!だい「ああああああ!!!紫紺様だ!紫紺様きた!寝起きに紫紺様に1番にみれたやったー!あ、もしかしてもう結婚してた!?マリッジしてましたの!?

つまりコレはおはようの抱擁からの目覚まし接吻コースですわね!っっしゃ!!つづみはいつでもYES枕ですわよ!!

さー!怖いキモい夢見て泣きそうな私を甘やかしくださいまし!!!」」


胸元が大いにはだけた寝巻きで、両手を広げて歓迎するつづみを見て……

紫紺は即座に回れ右をして、部屋から退出、襖を後ろ手に閉めた。

襖からはピシャンといい音がした。

「大丈夫でした」

大丈夫でないのは紫紺の方だろう。この一瞬で大変目が泳いでいる。

「つづみさん、紫紺を呼んでるわよ?」

襖の向こうから、置いて行かれた子犬のような鳴き声が聞こえる。

「……自分は、鍛錬がありますゆえ、母上。つづみをお願いします」


足速に去っていく紫紺の後ろ姿を見て、桐子ははぁ、とため息をついた。

「顔は老け顔なのに、奥手よねぇ」


あんなんじゃ、他の男につづみさんを取られかねないわよ。

桐子はそう呟くと、紫紺に置いて行かれてペソペソ泣き出しているつづみを慰めることにしたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る