クールで無口な七海さんは俺の許嫁

Iceman

第1話 突然のカミングアウト

「あ、海斗。お前明日から荷物まとめて家出てけ」


「は?何言ってんだよおやじ」

少しキレ気味で言う。


「実は俺の幼少期からの親友と一つ約束しててな」


「なんだよ、その約束って」


「俺の子供と、そいつの子供、もし、男女別なら結婚相手にしようってな」

だるそうに父が答えた。


「つまり、俺の許嫁ってことか?」


「あーそうそう。そういうこった」


「だけどそれはそれとしてどうして家を出ていくのとどう関係あるんだ?」


「それは、最近許嫁同士なのに一度も顔を合わせずにこのままってのはどうなんだとアイツから連絡があってな、それでお前ら一緒に住め。」


「は?」


(若い男女が二人っきり?ダメだろそんなこと不健全だ...)


「そう怒るな。いつかは二人暮らしするんだ。遅くても早くても変わらんだろ。期間は高校三年間だ。まあ、頑張れよ。」


「家はどうすんだよ、そんなにすぐ用意できないだろ」


「あ―それなら、二週間前にあっちの親と出し合って将来も住むであろうことを見越して一軒家作り終えたぞ。」


「はあ、で、俺はどうすればいいんだ」


「だから、言ったろ。明日そっちの家に送ってやるから荷物まとめとけ」


「そうじゃなくて、俺はその子とどうすればいいんだ?」


「なんだ?初日から盛るつもりか?男らしいねえ」

クソおやじはにやにやしながら俺のことを煽ってきた。


「冗談はやめてくれ!高校入学は明後日なんだぞ、そんな急に話を進められ――――」


「細かいなあ、お前は。黙って準備しとけ。ほら、行った行った」


(突然おやじが何か言いだすのは今に始まったことじゃないが今回はだいぶ大変なことになりそうだ)


愚痴をこぼしながら家の階段を上って自分の部屋で荷造りを始めた。



~~~~~~~~翌日~~~~~~~~~



「ここがこれから住む家だ」


そういって連れてこられたとこは、とても立派な家が建ったところだった。


「家賃、ガス、電気、必要なもんは俺に連らくれれば気が乗ったときに助けてやる」


「気が乗った時って・・・」


「あと一時間後くらいにあっちも来るらしいから、準備でもしておけ、それじゃ、俺は帰るから」


「ちょ、待って――――――」


おやじはそそくさと車のエンジンをかけなおし家に帰っていった。


「人の話を聞かないのは変わらないな、クソ親父め」


俺は家のよさげな部屋で荷ほどきを始めた。

一時間ほどが経ったときインターホンが鳴った。


「はーい、今行きまーす」

ガチャッ


扉を開けるとそこには美少女がいた。


「七海雫これからよろしく」

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