チャットデイズ

@emacs_2539

日常回

私が死んだら、墓にスマートフォンを埋めてもらおう。


私の名前は零。生まれも育ちも兵庫の女子中学生だ。

最近物騒なニュースばかり聴くようになったが、私は部屋着でスマートフォンとにらめっこ中。

犯罪に巻き込まれる可能性は限りなく低い。


ピロリッ


おっと、通知だ。私は見ていた動画を視界から外し、「サーバー」に入る。


「はらいたい腹痛い」

「またトイレに閉じこもるのは嫌!」

「なつみがかわゆ」


今日も安定の無法地帯でホッとした。

少し離れるとすぐに通知が貯まる。

この賑やかさがこのサーバーの良さなのかもしれないが、賑やかだということはそれだけ面倒事に巻き込まれることも多いということだ。

じゃれ合う程度ならいいが、ケンカになってしまうと本当に厄介。

まぁ、そこが良さではあるんだけども。


「ん...眠っ」

私はやっとの思いでベットから抜け出し、着替えを始めた。

別にどこかへ出かけるわけじゃあないんだが、流石に11時半まで部屋着はまずい。


ピロリッ


また通知だ。再びログインし、チャットを確認する。


「おじゃまします!Jackさんという人からきましたー」


Jack、その名前には聞き覚えがある。

昔この鯖に入り浸っていた人だ。


「わぁJack草」

「このサバ頭おかしい人しかいないから気にしないでね()」


新入りが歓迎されている。にしても誰かから勧誘されてこの鯖に入る人がいるとは...

なかなかに面白い事態が起こっていた頃、またとんでもない事態が起こった。


「本人が来ました」

...Jack。彼本人がやってきた。

「怪盗R。スクショ」


彼はいきなり「R」に命令をした。

その命令通り、Rはスクショを貼る。


『シフォンさんで抜きました』


「シフォン」Jackと仲が良かった、最近見ない男で抜いた...要は自分で慰めたというJackの独白だ。

その後すぐ、チャット欄はメッセージで満たされた。


「草」

新入り...いや、名前を確認しておこう。

「狂気の映画屋」これが彼、もしくは彼女の名前だ。


どんな人だろうか、可憐な美少女か、強靭な男か、なにかの職人か...そんな考えを巡らせていたときだった

怪盗Rがまたしてもスクショを送ってきた。

昔のJackとシフォンの会話である。


「この鯖に攻めがいないのは困りましたね」

あの時はまたJackが変なことを言っていると思ったが、実はその言葉に反応するものがいた。

「じゃっくさん犯して」

とんでもないことを言ったのはシフォン...最近見ないど変態だ。

「僕は受けです」

Jackはそう返したが、シフォンは続けた。

「Jackさんボロンってして」

...何度でも言おう。


この無法地帯さが、このサーバーの良さなのだ。

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